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治療
「うわぁ…、痛そう…」
安彦は、思わず声を出していた。
最大加速で転倒したのだ。それだけでも激痛だろうが、同時に、牧名正は刃を潰してあるとはいえ、鋼鉄の刀で力いっぱい籠手を打たれたのだ。
骨折ぐらいはしていてもおかしくはない。
だが、白尾春奈ちゃんはフフッと笑った。
「白犬先生は神様に憑かれているでしょ」
「あ、そうそう、黒猫先生もだけど、二柱いるよね」
「あの神様は、癒し、の力を持っているのよ。
でも、死んだ人は治せないから、皆、死ぬな、だって。
傷は治るのよ。まぁ、でも痛いけど」
「うーん、死なないのなら、まぁ、いいのか? でも、ありゃあ、痛いだろうなぁ」
牧名正の腕は、見事に折れ曲がり、骨折して腫れ上がっていたが、白犬先生がペロペロと舐めているうちに、徐々に腕がまっすぐになっていき、二、三分できれいに治った。
チャイムが鳴り、授業は終わった。




