二話:出会いは無数の拳と共に
(初めが肝心だよね)
「こんにちは!今日からお世話になる三輪 蘭です!」
「んぁ?」
元気よく挨拶をし蘭は次の瞬間、後悔の嵐にみまわれた。
事務所内の出来事を蘭の視点から見たらこうなる。
『黒ずくめのヤクザが、絶対汚職に手を染めてる政治家っぽいデプ男を半殺し…もといトドメを刺しかけていた』以上。
黒ずくめのヤクザ(長い為、黒ヤクとする)は原型が解らないほどボコボコにされた男(こちらも長い為、腹黒とする)の胸ぐらを掴み片手で持ち上げる。そして、こちらを向き
「誰だ?てめぇ?………ああ、ラキが雇った奴か?待ってろ。ちょいと用事を済ませるから」
そう言って黒ヤクは再び腹黒をボコろうと向きを戻すと、
「てめぇ、言い残すことはあるか?無いな?じゃあ、死ね!」
本格的にトドメを刺そうと拳を振り上げる。
「何してんのよ〜!!」
正気に戻った蘭は黒ヤクにドロップキックを叩き込んでトドメを刺すのを止めた。
「なにしやがる!?」
黒ヤクはガン睨みしながら突っかかってきた。
「『なにしやがる!』じゃあ無いわよ!あんたこそ、なにしてんのよ!?人殺しよ!犯罪よ!何考えてるのよ!?」腹黒(仮名)を指差しながら怒鳴る蘭。未だに一言も話してない腹黒(仮名)は『あぅ……あぅ、ひぐぅ』などと呻き声を上げていた。
「何って、汚職まみれの政治家がクソくだらない仕事を言ってきたから、世間の怖さってやつを教えてやってるだけよ!」黒ヤク(偽名)はさも当然の様にのたまった。
プチっ
「何、下らない事抜かしてんのよ〜!」
その後、数十分に渡り蘭は黒ヤク(命名 三輪 蘭)をボコボコにしていた。腹黒(命名 三輪 蘭)は、蘭が折檻をしている間に逃げ出していた。
余談だが、腹黒(本名 貴嶋 兼五郎)は、後日匿名のタレ込みにより汚職がばれ政治生命に幕を下ろした。




