⭕ 他国の話
──*──*──*── 宿屋
──*──*──*── 食堂
レンダ
「 わぁ~~!
大きなステーキぃ~~!
凄いね! 」
レムダン
「 ザザヌボアの肉を入手したからな。
調理してもらう為[ 食堂 ]に提供したんだ 」
レンダ
「 《 冒険者ギルド 》に買い取ってもらえないの? 」
アイベルファイラ
「 《 冒険者ギルド 》は肉類のような生物を買い取らないんですよ。
宿泊している《 宿屋 》へ提供したり、《 肉屋 》に持ち込んで買い取って貰うのが一般的ですね。
個人で交渉して販売するなら《 商業ギルド 》へ登録する必要が有るんです 」
レンダ
「 そうなんだ?
《 商業ギルド 》に登録したら、《 屋台 》とか《 露店 》も出せるって事? 」
アイベルファイラ
「 出せますよ。
タダではないですから出費が嵩みますね 」
レムダン
「 レンダは《 屋台 》や《 露店 》の営業に興味が有るのか? 」
レンダ
「 無いよ~~。
見て回るのは好きだけど、商売する気は無いよ。
アベルさんは《 商業ギルド 》に登録してるんですか? 」
アイベルファイラ
「 勿論していますよ。
冒険者登録をしたなら、商人登録も済ませておくと良いですよ。
ただ、商人登録をするには年齢制限が有るんです。
15歳の “ 成人の義 ” を終えた大人しか《 商業ギルド 》での登録は出来ません。
レムダンは登録が出来ますけど、レンダは出来ませんよ 」
レンダ
「 そうなんだ……。
アタシが商人登録が出来るのは3年後なんだね…… 」
アイベルファイラ
「 商業が盛んと言えば≪ 小国 ≫ですね。
《 屋台街 》《 露店街 》が広いですから、退屈しませんし、珍しい品とも出会えますから楽しいですよ 」
レンダ
「 行ってみたいなぁ~~。
≪ 小国 ≫へは≪ 帝国 ≫を通らないと行けないの? 」
レムダン
「 そうだな。
近道は有るには有るが……砂漠を抜け、沼地を抜け、森を抜ける必要が有るな 」
レンダ
「 えっ?
それなら≪ 大国 ≫に行くにも砂漠を抜けて、沼地を抜けたら入国は出来ないの? 」
アイベルファイラ
「 それは無理ですよ。
≪ 大国 ≫へは山脈が邪魔をしていますから砂漠を抜けても、沼地を抜けても入国は出来ないんです。
因みに砂漠と沼地を抜けても≪ 帝国 ≫にも入国は出来ませんよ。
安全なルートは≪ 帝国 ≫へ入国し、そのまま関門を通り、≪ 小国 ≫へ入国する事です 」
レンダ
「 砂漠と沼地と森を抜けるのは難しいの? 」
アイベルファイラ
「 砂漠には砂漠地帯に特化した怪物が出現します。
砂漠の中を移動しますし、大きくて凶暴で雑食系で厄介なんです。
沼地に出現する怪物は大した事はないですね。
森に出現する怪物にも注意が必要ですよ。
昆虫系の怪物が森に巣食っていますから、抜けるのは困難で骨が折れます。
≪ 小国 ≫の《 冒険者ギルド 》では定期的に森へ入って怪物を討伐する依頼が上がりますけど、依頼を受けれる対象はA3級の冒険者なんです。
それだけ森に出現する怪物は危険な存在ですよ 」
レンダ
「 ………………遠回りするのが安全なんだね 」
アタシは調理されたザザヌボアの肉をフォークに刺して食べる。
アタシの皿に盛られているザザヌボアの肉は、食べ易い一口サイズに切られている。
レンダ
「 美味しい~~♥️ 」
レムダン
「 ──臭みが上手く取れているな 」
アイベルファイラ
「 柔らかくて食べ易いですね。
下拵えが上手いですよ 」
ニィニとアベルさんの皿に盛られているザザヌボアの肉は切られていない。
ニィニとアベルさんは慣れた手付きでザザヌボアの肉をナイフで切って食べている。
ザザヌボアの肉料理は他の宿泊客にも振る舞われていて、「 酒が進む! 」と、とても喜ばれている。
ザザヌボアの肉は《 肉屋 》で買うと高いらしく、《 宿泊施設 》の料理に出されるくらい高級食材なんだとか。
レンダ
「 高級食材を使った料理が食べれて、お客さん達も喜んでるね! 」
レムダン
「 《 宿屋 》への提供は稀だからな。
今回は宿泊客ではないアベルも一緒に食事をするからな、奮発して提供したんだ 」
レンダ
「 そうなんだ。
賄賂みたいな感じ? 」
レムダン
「 ゲフッ──。
わ…わいろ……!?
何処でそんな言葉を覚えたんだ!? 」
レンダ
「 漫画で── 」
レムダン
「 まんが?? 」
レンダ
「 あーー…………ははは…… 」
“ 漫画 ” なんて言っても異世界の人には分からないよね?
過去に召喚された異世界人達は漫画を実現させて布教しなかったのかな?
マンガ教とか作ってくれてたら良かったのにぃ~~!!
アイベルファイラ
「 ??? 」
アベルさんなんて、“ 漫画 ” って単語を聞いて不思議そうに首を傾げてるし──。
758年も生きてるエルフ族のアベルさんですら “ 漫画 ” の存在を知らないなんてぇ~~~~。
怠慢過ぎないかな、過去に召喚された異世界人達ぃ~~!!
アタシが、このアタシが漫画を描いて──、≪ ノクターム大陸 ≫に “ 漫画の文化 ” を布教すれば良いの?
アタシがしないと駄目なの??
某漫画のセリフにロビンフットが現れてくれるのをずっと待っていた女キャラクターに対して、「 ロビンフットなんか待ってないで、ロビンフットになればいい! 」みたいな事を力説していた男キャラクターが居た。
アタシは断固NO派だ。
アタシはロビンフットになりたいんじゃなくて、ロビンフットが欲しい派だからね!
アタシは漫画家になりたいんじゃない。
アタシは漫画を布教したいんじゃない。
アタシは──、誰かが布教してくれた漫画を読みたいんだ!!
完全に他力本願で人任せなネガティー駄目人間っぽい考えだけど、アタシは未だ12歳になったばかりの弱い女の子だよ。
0から何かを作って≪ ノクターム大陸 ≫に弘めるなんて、面倒な事は極力したくない。
抑、アタシは絵心が無いから、絵はズギャンだからね!
人様には見せられないよ★
レンダ
「 絵本が有るんだから、漫画が有っても良いくらいなのにぃ…… 」
アイベルファイラ
「 レンダ、その “ まんが ” とは何ですか?
絵本の一種ですか? 」
レンダ
「 あれれぇ~~?
声に出ちゃってた??
アタシは絵が下手だから見せられないかなぁ~~(////)
誰かが代わりに描いてくれるなら助かるんだけどぉ…… 」
アイベルファイラ
「 絵が上手い人ですか? 」
アベルさんは「 う~~ん 」と唸りながら考え込み始めちゃった……。
レムダン
「{ もしかして、レンダの故郷に有る物か? }」
レンダ
「{ うん……。
救世主の皆なら良く知ってるよ。
知らない人が居ないくらい、日常生活には欠かせない娯楽だよ }」
レムダン
「{ 娯楽の一種なのか── }」
レンダ
「{ 余計な事を言っちゃったね。
これからはもっと気を付けるよ }」
レムダン
「{ そうだな。
その方が良いだろう }」
とは言ったものの、漫画が恋しいのも事実だし……。
漫画テロを起こせるだけの腕前と技術がアタシに備わってたらねぇ……。
──なんて考えていたらザザヌボアの角切りステーキが無くなっちゃった。
考え事をしててもフォークが進んじゃうなんて、よっぽど美味しかったんだね★
レンダ
「 御馳走様でしたぁ~~ 」
レムダン
「 もう良いのか?
足りないなら注文するぞ 」
レンダ
「 もう十分だよ 」
アイベルファイラ
「 レムダンもレンダもテーブルマナーは何処で身に付けたんですか? 」
レンダ
「 え?
テーブルマナー?
テーブルマナーの知識なんて、うろ覚えだよ 」
アイベルファイラ
「 うろ覚え……ですか? 」
レンダ
「 うん。
詳しくは知らないの。
ナイフとフォークを外側から使うくらいの知識しかないよ。
ナイフとフォークの持ち方は見よう見真似だし。
お貴族様が大好きなパーティーには、アタシの “ なんちゃってテーブルマナー ” は通用しないと思うよ 」
漫画,アニメ,映画で見てた記憶を掻き集めて真似てるだけだからね~~。
低学年の時は漫画を片手に友達と “ 貴族ごっこ ” して遊んでたな~~。
アイベルファイラ
「 レンダはレムダンのテーブルマナーを真似て覚えたんですね。
何でも真似したがる妹は可愛いですね、レムダン 」
レムダン
「 あ…あぁ……そうだな… 」
アイベルファイラ
「 それで、レムダンは何処でテーブルマナーを覚えたんですか?
まるで貴族のように洗練されていますよね 」
レムダン
「 フグゥ── 」
レンダ
「 ニィニぃ~~、大丈夫?! 」
あぁっ、クレイスさんがアベルさんの問い掛けに噎せちゃたよ──。
クレイスさんは貴族令息だし、貴族で結成された騎士団所属だから、テーブルマナーは躾で叩き込まれてる筈だし、所作が完璧なのは当然だよ。
どうやって誤魔化すんだろう??
それともアベルさんに本当の事を話しちゃうのかな?
レムダン
「 …………大丈夫だ…。
…………………………俺が貴族のテーブルマナーを出来るのはな…………冒険者仲間の中に元貴族騎士が居たからだ。
罰ゲームでテーブルマナーを覚えさせられてな……それで身に付いたんだ……。
懲り性で中途半端は嫌いな奴だったから、徹底的にしごかれてな……。
流石に貴族社会で通用するかは分からないが…… 」
クレイスさんの言う “ 元貴族騎士 ” って多分、自分の事だよね……。
アイベルファイラ
「 そうなんですか?
罰ゲームでテーブルマナーを──。
それは災難でしたね。
でもそのお蔭で貴族と食事をする機会が訪れた際には感謝する事になりますよ。
貴族令嬢が見惚れる程に見事なテーブルマナーですよ。
レムダンにテーブルマナーを教えた元貴族騎士の冒険者から、ワタシもテーブルマナーを学びたい程です 」
レムダン
「 あ……いや、それは無理だな。
そいつは……冒険者を引退して、故郷に帰ったんだ…… 」
アイベルファイラ
「 冒険者を引退……。
元貴族騎士──という事は、貴族に戻ったという事ですか? 」
レムダン
「 それは……どうだろうな?
『 故郷に帰る 』とは言っていたが、実際に故郷へ帰ったか俺には知りようがない……。
イレギュラーってのは何時何処で起こるか分からないものだしな── 」
クレイスさん、必死に誤魔化そうとしてる。
助け船を出せないかな……。
セフィ
〔 アイベルファイラ、そろそろ《 宿泊施設 》へ戻った方が良いのではないですか?
《 宿屋街 》から随分と離れているのでしょう 〕
アイベルファイラ
「 あぁ、そうでした!
馬車を拾って向かわないと!
それではワタシは失礼します 」
レムダン
「 あぁ──、気を付けてな 」
アイベルファイラ
「 有り難う御座います、レムダン。
レンダ、お休みなさい。
また明日、会いましょうね 」
レンダ
「 うん、お休みなさい。
明日ね、アベルさん! 」
椅子から腰を上げて立ち上がったアベルさんは、爽やかな笑顔を巻き散らかして手を振りながら[ 食堂 ]を去って行った。
レンダ
「( セフィ~~!
有り難うね! )」
セフィ
〔 どう致しまして。
ボロが出なくて良かったですね、クレイス 〕
レムダン
「 はぁ~~~~。
寿命が縮んだかと思いましたよ…… 」
セフィ
〔 口調が元に戻っていますよ、クレイス── 〕
レンダ
「 アタシ達も[ 部屋 ]に戻ろう、ニィニ── 」
レムダン
「 そうだな 」
椅子から腰を上げて立ち上がったニィニとアタシは[ 宿泊室 ]に移動する事にした。
[ 食堂 ]を出て階段を上がって2階へ向かう。
1階には[ フロント ][ 食堂 兼 酒場 ][ 厨房 ][ 経営者の住居 ]になっていて、2階,3階は[ 宿泊室 ]になっている。
因みに《 宿屋 》の中には[ 浴場 ]と[ 便所 ]は無くて──、[ 浴場 ]と[ 便所 ]は外に在る[ 共同浴場 ]と[ 共同便所 ]を利用する事になっているみたい。
幸いなのは、男性用,女性用と分けて設置されている事かな。
[ 共同浴場 ]は銭湯っぽい作りになっていて、《 宿屋 》の利用客達が利用する専用の[ 浴場 ]になっている。
[ 共同便所 ]に設置されている便器は陶器じゃなくて、木材で出来ている。
田舎の民家に馴染み深いボットン便所に近い作りになっていて、排泄物は下に落ちるようになっている。
落ちた排泄物にはテイマーが使役契約したスライムが群がって処理をしてくれるみたい。
排泄物の処理を何でも消化するスライムにさせるなんて、まるで漫画やアニメの世界みたい。
もしかしたら過去の異世界人達が、漫画やアニメで見たのを再現してくれたのかも知れない。
どうせなら水洗トイレを作って弘めてほしかったな……。
スライムに排泄物の処理をさせているから、ボットン便所なのは別に良いとして──、和式じゃなくて洋式にしてほしかったよっ!!
何で異世界で和式のボットン便所を使わないと──って思ったけど、セフィと従魔契約をしたからかな?
アタシは飲食をしても排泄をする事は無くなった。
何
100年も経
レムダン
「 どうした、レンダ?
[ 部屋
レンダ
「 うん── 」
ニィニ
シングルベッドが2つ置かれているツインの[ 部屋
アタシは靴を脱いで、ベットの上
パジャマなんて無いから、装備品
せめてジャージが有ればなぁ……。
セフィ
〔 エイミ、バスローブを出
着替えて寝ましょう 〕
レンダ
「 バスローブ?
何
どうせならジャージが良
セフィ
〔 寝る時
レンダ
「 そんな決まり、有ったかな?? 」
良
バスローブ姿になったら、セフィ
セフィ
〔 この時間に[ 共同浴場 ]へ行くのは危ないですからね。
精霊魔法で綺麗にしましたよ 〕
レンダ
「 有
ニィニ
レムダン
「 あぁ、お休み 」
ニィニ
アタシはベッドの中に潜り込んだ。
セフィ
アタシはち
故
まぁでも……仮に故
アタシの両親は共
幼いアタシを知らない赤の他
子供の学校行事よりも大事な仕事を優先するくらいだからね、子供が帰って来
仕事の邪魔にしかならない要
だってさ、生
産
お父さんとお母さんにとって、アタシって何
本
自分の手で育てるのが嫌
子育てを放棄するのは、母親に認められてる正当な権利なの??
……………………アタシは大人になっても、お母さんみたいな母親には “ なりなくない ” って思ってるけど──、親になったら “ 親からされた事を子供にするようになる ” って言われてるんだよね。
だから──、アタシは結婚なんてしないんだ!
死ぬまで独身を貫
だから、彼氏だって作らないんだ!
子供が出来るような事だって、しないんだからね!!
そうすれば、アタシみたいな思いをする子供の数
もしも、故
その時
瞼
どうやら睡魔が「 こんばんわ 」して来
睡魔には勝てないよねぇ~~~~。
アタシは眠気に負けて意識を手
◎ 訂正しました。
アベルさん
流




