✒ 救世主ランク
順番を待っていたアタシの番が来た。
アタシは水晶玉に手で触れる。
水晶玉はひんやりとして冷たい。
水晶玉にランクが浮かび上がる。
アタシの救世主ランクは、Eだった。
何で異世界の水晶玉に、見慣れたアルファベッドが表示されるのか分からないけど──、アタシの救世主ランクは下から2番目みたい。
1番下は救世主ランクFで、E → D → C → B → A → Sの順番でランクは上がって行くみたい。
立っている騎士に促されて、アタシは救世主ランクEの場所へ移動した。
生徒全員の救世主ランクの確認とランク分けが終わると、ランク担当の騎士(?)に誘導されて、救世主ランクSの生徒達が召喚部屋から出て行く。
A → B → C → Dと次々に召喚部屋から出て行くと、漸くランクEの順が回って来た。
ランクFの生徒達を召喚部屋に残し、召喚部屋を出ると長い廊下を歩く事になった。
──*──*──*── とある部屋
広い部屋に案内されると、案内してくれた騎士が話始めた。
他のランクの生徒達と区別を付ける為なのか──、黒色のローブを手渡される。
アタシ達はジャージの上から受け取った黒色のローブに袖を通す。
ランクEの救世主だからなのか(?)、ローブの後ろにはデカデカと白色で “ E ” と縫われている。
嫌な感じなんですけどぉ~~~~。
その後は、騎士の左隣に立っている魔法師から、“ 魔晶石 ” と呼ばれるピンポン玉サイズの透明な石を手渡された。
“ 魔晶石 ” を握ると色が変わって、魔法の属性を知る事が出来るみたい。
生徒達は互いの顔を見合わせながら、半信半疑に手渡された “ 魔晶石 ” を握る。
アタシが握る “ 魔晶石 ” の色は白色のままだった。
他の生徒達の “ 魔晶石 ” の色は白から変わっている。
何でアタシのは色が変わらないの?
アタシの “ 魔晶石 ” だけ不良品だったりしない??
属性が判明すると真っ白だった “ E ” の色が属性の色に変わった。
後ろから見ると、ランクEの◯属性だと分かるようになったみたい。
アタシは救世主ランクEの白色で──、魔法師から教えられたけど、白色は “ 無属性 ” みたい。
そんな事って有るの??
どうやら無属性のアタシには使える魔法が無いみたいで、魔法師から魔法の授業を受ける必要は無いみたい。
取り敢えず、アタシは部屋に1人で残る事になった。
魔法が使える他の生徒達は、騎士と魔法師に案内されて部屋を出て行った。
アタシ
「 はぁ~~~~あ…………何なのぉ~~~~。
“ 惑星神キャスラビィの祝福 ” を授かってるから、魔法が使えるようになるんじゃなかったのぉ~~~~。
『 無属性には使える魔法が無いんですよね 』とか『 魔法の授業を受ける必要はないので暫く待機していてください 』ってぇ~~~~!!
異世界に来たばっかりで、右も左も分からない異世界人をだよ、部屋に1人放置って酷くない?!
解せない!
こんな不親切な扱い、解せない~~~~っ!! 」
アタシは地団駄を踏みながら文句を吐き出した。
だって未だ、小学5年生だよ!
純真無垢で、か弱い11歳の女の子なんだよ!
それを1人放置しやがるなんて、騎士も魔法師もロクな大人じゃないよっ!!
未成年の子供には優しくしてくれないとっ!!
アタシ
「 この部屋…………椅子も無いんですけどぉ~~。
土足の床に座って待ってろって事ぉ?
マジで最低過ぎるだろ…… 」
この部屋で何時までアタシは放置されていたら良いんだろう。
ムカつくから部屋から出ちゃえ!
血眼になって、行方不明になったアタシを探し回れば良いんだ!
──ってな訳で、アタシは部屋を出て《 王城 》の中を勝手に探検する事にした。
放置されてる時間を城内の探検に利用するなんて、有意義な暇潰しじゃない?
──*──*──*── 城内の何処か
アタシ
「 うぁ~~~~完全に迷っちゃったかもだぁ~~~~。
此処って何処だろう??
地図が欲しいなぁ…… 」
アタシは広い城内で迷子になっていた。
城内に居るから、見付けてもらえるとは思うけど──、何時になる事やらだよね。
さ迷って歩いていると階段を見付けた。
地下へ続く階段かな?
なんか甘い香りがする!!
アレルギー性鼻炎で鼻が詰まり易いアタシの鼻腔を擽る甘い香り──。
地下でスイーツでも作ってるのかな??
「 ぐぅぅぅぅ~~~~ 」って、お腹の音が鳴る。
そう言えば、昼食が未だだったよね。
意を決したアタシは、甘い香りに根負けした事にする。
空腹状態の腹を擦りながら、地下へ続く階段を下りる事にした。
──*──*──*── 地下
随分と長い階段を下りた先は[ 広間 ]だった。
何時の間にか甘い香りは消えていて、しなくなっていた。
アタシは[ 広間 ]の中を歩いていると何かの気配を感じた。
何かがモゾリ──と動いたような気配。
動物かな??
慎重に近付いてみると、傷だらけで横たわる巨大な犬(?)を見付けた。
痛々しくて辛そう……。
アタシは犬派だから、ワンコには弱いんだよねぇ~~。
傷だらけの巨大なワンコに近付いたアタシは、ワンコに触れる。
体を撫でたからって傷が治る訳じゃないし、痛みも消える訳じゃないけど、しんどそうだから撫で撫でしたいんだ。
アタシの独り善がりなエゴかも知れないけどさ、「 1人じゃないよ 」って教えてあげたいんだ。
アタシ
「 大丈夫──じゃないよね。
こんなに傷だらけで酷い状態なんだもん……。
御免ね…………アタシさ、無属性らしいから魔法が使えないみたいなんだよね……。
だから…………君の傷を治癒する能力は無いんだ……。
異世界から召喚されたってのに魔法を使えない救世主って…………笑っちゃうよね……。
何の為の “ 惑星神キャスラビィの祝福 ” だよってね! 」
苦しんでるワンコを前で愚痴っちゃった(////)
???
〔 救世主とは本当か? 〕
アタシ
「 えっ?? 」
???
〔 答えよ──。
そなたは救世主なのか? 〕
アタシ
「 そうだけど……。
それがどうしたの? 」
???
〔 我と契約をしてほしい 〕
アタシ
「 契約ぅ??
そんな事を言われても契約なんてした事が無いから分からないし…… 」
???
〔 無属性なのだろう?
ならば問題は無い。
我に名を与えよ 〕
アタシ
「 名前?
名前を付ければ良いの?
それだけで契約が出来るの?
めっちゃ簡単だね! 」
???
〔 我に名を与えてくれるか? 〕
アタシ
「 良いよ!
君は大きいワンコでモフモフしてるよね──。
………………………………決めたぁ!
君の名前は── “ セフィ ” って、どうかな? 」
???
〔 セフィ──。
それが我の名か? 〕
アタシ
「 うん!
君は今から、“ セフィ ” だよ!
梳屶惠美だけのセフィ!
アタシの専属ワンコってヤツね☆ 」
???
〔 心得た。
この瞬間より、我は “ セフィ ” だ。
ソナタエイミの専属セフィ── 〕
その瞬間、左手の薬指が急に熱くなった!
左手の薬指を見てみると輪みたいな模様(?)が付いていた。
梳屶惠美
「 …………なんか指輪の痕みたい? 」
???
〔 助かりました。
主人様が我と従魔契約をしてくれたお蔭で命拾いしました。
感謝を── 〕
梳屶惠美
「 はい??
どちら様ですか?
大きいモフモフなワンコは何処?? 」
???
〔 それは我です。
主人様と従魔契約を交わした事で人族の姿を得る事が出来たのです 〕
梳屶惠美
「 え…………貴方が傷だらけで痛々しかったワンコなの?? 」
???
〔 主人様が名付けてくださった “ セフィ ” です。
主人様と従魔契約を交わした事で傷も癒え、体力も回復しました 〕
梳屶惠美
「 元気になれた──って事?
良かったぁ~~(////)」
セフィ
〔 これからは主人様だけのセフィとして、新たな人生を歩みます。
末長く宜しく御願い致します 〕
梳屶惠美
「 末長くは無理かなぁ~~。
アタシは短命な人間だからね 」
セフィ
〔 獣神様の末裔である白狼神の我と従魔契約を交わされたのです。
主人様は長命となりました。
不老では有りませんが、老い方も人族より緩やかになりました。
100年に1歳、年を取ります 〕
梳屶惠美
「 えっ!?
100年に1歳??
じゃあ、100年経たないとアタシは12歳にはなれないって事なの!? 」
セフィ
〔 そうなります。
無属性でも魔法を使るようになりました。
我が使える魔法に限りますけど 〕
梳屶惠美
「 魔法が使えるようになったの?
やったぁ!!
じゃあ、魔法師から魔法の授業を受けれるね! 」
セフィ
〔 主人様に喜んで頂けて嬉しいです 〕
梳屶惠美
「 あ……でもね、セフィは何で傷だらけの状態で此処に倒れてたの? 」
セフィ
〔 我は捕らわれていたのです。
従魔契約を拒む度に痛め付けられていたのです…… 〕
梳屶惠美
「 酷い事をするね!
白狼神って狙われ易い種族なの? 」
セフィ
〔 白狼神は獣神様の末裔ですから──。
従魔契約が出来れば、獣神様を狩れる能力を得られると考えたのでしょう 〕
梳屶惠美
「 末裔の能力
何
セフィ
〔 人
昔から進歩しない種族です 〕
梳屶惠美
「 耳が痛い話
そろそろ戻った方
セフィ
〔 主人
梳屶惠美
「 うん。
待機してるように言われた部屋から抜け出
でも……この城
セフィ
〔 主人
梳屶惠美
「 そうだと良
『 1人で待機してろ 』なんて不親切だと思わない?
アタシの救世主ランクがEだし、無属性だから不親切な扱いをされてるのかな…… 」
セフィ
〔 ランクに依って学ばせる内容が異なるのです。
主人
主人
梳屶惠美
「 有
“ セフィ ” が飼ってたワンコの名前って事は黙っといた方
梳屶惠美
「 そうだ。
騎士や魔法師がセフィを見たら吃驚しちゃうよね?
何
何
セフィ
〔 その心配は有りませんよ、主人
我
我
梳屶惠美
「 そうなんだ?
それなら怪しまれないから安心だね!
じゃあ──、アタシが1人で喋ってるヤベぇ奴認定されちゃうだけか……。
それは嫌
セフィ
〔 では念
梳屶惠美
「 ねんわ? 」
セフィ
〔 主人
主人
梳屶惠美
「 テレパシーみたいなもの……かな??
周りから白い目で見られたくないから確
アタシはセフィ




