⭕ 素材集め
──*──*──*── フィールド
≪ 町 ≫から離れた場所へ徒歩で移動し、一寸した細やかな《 キャンプ地 》を作る。
テントを張り、テントの天辺には怪物除け,魔物除けの効果が有る魔法道具を取り付ける。
何時でも調理が出来るようにと、セフィが魔法で簡易竈を3つ作ってくれる。
怪物,魔物に襲われないようにセフィが《 キャンプ地 》に結界魔法を張ってくれる。
テントへ残すレンダをセフィに任せ、レムダンとアベルはテントを離れる。
依頼書を頼りに素材を集める為、2人で夜間の《 フィールド 》へ出た。
レムダンとアベルは無駄にLVが高い為、夜間に出現するLVの高い怪物,魔物も寄って来ない。
その為、レムダンとアベルは怪物,魔物を呼び寄せる魔法道具を使う。
目当てではない怪物,魔物も寄って来るが、正しい手続きで受理された正式な依頼書を持っていれば、倒した怪物,魔物は宝箱を落とす。
逆に不正な手続きで受理された依頼書を持って、倒した怪物,魔物は宝箱を落とさない。
依頼とは関係無い怪物,魔物も宝箱を落とすが、開けると何故かパズルのピースが1つだけ入っている。
このピースが何なのか誰にも分からないが、その謎を解き明かす団体が存在しており、その団体へ集めたピースを持って行くと100枚につき、金貨1枚と交換してもらえる──という噂が流れている。
あくまで噂なので、何処に集めたピースを持って行けば良いのか不明となっている。
その為、入手したピースは《 冒険者ギルド 》の片隅に設置されている “ ピース回収箱 ” の中へ入れる事になっている。
回収されたピースが何処へ持って行かれるのか、冒険者には一切知らされていない。
レムダン
「 ………………セフィならピースの事も知っているかも知れないな 」
宝箱から入手したピースを入れた袋を見ながらレムダンは呟く。
アイベルファイラ
「 セフィって誰ですか? 」
レムダン
「 ……………………何でもない 」
アイベルファイラ
「 そう…ですか? 」
レムダンはセフィの事をアベルには話していなかった。
レンダと隷属契約を交わした事で見えるようになった存在──セフィの事は “ 安易に話さない方が良い ” と考えていた。
セフィの事を話すならば、レンダが異世界召喚された救世主である事も話さなければいけなくなるかも知れないからだ。
アベルは必要以上に聞いて来る事はなく、詮索もして来ない事がレムダンにとって、有り難い事だった。
──*──*──*── 翌日
アイベルファイラ
「 依頼書に載っている素材は十分じゃないですか?
ピースの方が多いですけどね 」
レムダン
「 そうだな。
《 キャンプ地 》に戻ろう 」
アイベルファイラ
「 倒しながら戻ると夕方になってしまいませんか? 」
レムダン
「 経験値を得ないとLVは上がらないからな。
レンダの事を心配してるなら大丈夫だ。
《 キャンプ地 》から出なければ── 」
アイベルファイラ
「 精霊様の加護で守護られているからですか? 」
レムダン
「 …………せ…せいれい?
…………何の事だ? 」
アイベルファイラ
「 ワタシには精霊様の気配が分かるんです。
エルフ族は精霊様との縁が有りますから── 」
レムダン
「 そうか……。
( 精霊の気配が分かる?!
エルフ族は侮れないな。
セフィと精霊の姿は見えないようだし、声も聞こえないようだな。
セフィに相談してみる必要が有りそうだな )」
アイベルファイラ
「 あっ、他の冒険者達には内密にしてくださいね。
“ 精霊様の気配が分かる ” なんて知られたら、《 神殿 》へ連行されてしまい兼ねませんから 」
レムダン
「 《 神殿 》に?
何故、《 神殿 》に連行されるんだ? 」
アイベルファイラ
「 王族の命令でしょうね。
王族が捕らえ、地下に幽閉していた魔獣が逃亡したらしく、水面下で捜索をしているそうです。
人族は “ 魔獣 ” と貶めて呼んでいますが、精霊神様の眷属である事をエルフ族は知っています。
精霊様は精霊神様が生み出した存在として人族も認識してますから、“ 精霊様の気配の分かるエルフ ” にさせる事──と言えば想像も付くでしょう? 」
レムダン
「 “ 探させる ” と言う事か?
然し、精霊の気配が分かるとは言っても精霊の姿が見える訳ではないだろう。
精霊の声が聞こえる事もないのだろう?
気配が分かるだけでは意味が無いんじゃないか?
エルフ族に精霊を探させるよりも精霊眼を持つ者に探させる方が確実だろう?
とは言え、精霊眼を持つ者でも精霊の声は聞こえず、精霊に触る事も出来ないのだから、人族が精霊を捕らえる事は無理だろう。
それに精霊を怒らせると “ 自然災害を起こされる ” と言われる程だ 」
アイベルファイラ
「 レムダンは随分と詳しいですね? 」
レムダン
「 ま…まぁな……。
伊達に冒険者を長くしてないからな! 」
アイベルファイラ
「 そうですか。
冒険者歴が長いのにEランクですか? 」
レムダン
「 あ…いや……本当は別の名前でSランクの冒険者証を持っている。
冒険者デビューする妹に合わせて……俺も実名で登録しただけだ 」
アイベルファイラ
「 そうなのですか。
Eランクにしては色々と手慣れていると思いました。
LV217でEランクなのが不思議でしたし…… 」
レムダン
「 アベルが “ 精霊の気配が分かる ” は俺の胸に留めておく。
誰にも言わないから安心しろ。
( セフィに相談するのは構わないだろう。
どうせセフィの姿は見えんし、声も聞こえないだろうからな )」
アイベルファイラ
「 レムダン、心遣い感謝します(////)」
レムダン
「 一時的とは言え、仲間だからな。
( 仮に《 神殿 》が王族,貴族と癒着でもしていたら笑えない。
レンダの事を知られるのは拙い。
救世主達を戦争の道具に使う為に王族,貴族を支援者にして依存させている奴等だからな。
団長,副団長,副団員長に伝えるべきだろうか……。
然し、騎士団は≪ ノクタルルド公国 ≫に忠義と忠誠を誓っている。
国王の考えを承知しているかも知れない……。
セフィに相談する事が増えてばかりだな )」
アイベルファイラ
「 レムダンは考る事が多いようですね。
眉間にシワが寄っていますよ 」
レムダン
「 アベルは俺より強いだろう。
LV178と言っていたが、俺よりも明らかに高いのではないか?
本来のLVを偽っているのは何故だ?
LVが低いフリをする必要が有るのか? 」
アイベルファイラ
「 分かるのですか?
………………上手く隠せていたと思っていたんですけど 」
レムダン
「 戦い方を観察していれば、俺よりLVが高い奴か分かる。
エルフ族は皆、本来のLVを隠して旅をするものなのか? 」
アイベルファイラ
「 それは……エルフに依ります。
ワタシは隠していますけど、隠さないエルフも居ますね 」
レムダン
「 そうか 」
アイベルファイラ
「 Dランクの依頼を終えたら、Cランクの依頼でも受けますか? 」
レムダン
「 いや、Eランクの依頼が貼られていればEランクを受けるつもりだ。
当分はEランクとDランクの依頼を交互に受ける。
Cランクの依頼を受けるのは≪ 都 ≫に着いてからだな。
≪ 迷宮都市 ≫へも行く予定だ 」
アイベルファイラ
「 ≪ 迷宮都市 ≫ですか?
≪ 迷宮都市 ≫へ行く予定なら近付かない方が良いですね 」
レムダン
「 何か理由が有るのか? 」
アイベルファイラ
「 ワタシも詳しい事は分かりません。
現在の≪ 迷宮都市 ≫は入都,出都も制限されているそうです。
入都するには≪ 王都 ≫で発行された入都許可証が必要とか 」
レムダン
「 そうなのか?
( ≪ 王都 ≫に戻るのは危険だな。
≪ 迷宮都市 ≫には、ほとぼりが冷めた頃合いに行けば良いか── )
なら、目指すのは≪ 都 ≫だな 」
アイベルファイラ
「 レムダン、≪ 都 ≫へ行くなら、ワタシも同行させてくれませんか?
≪ 都 ≫には魔術具を販売する店を開いている旧友が暮らして居るのです 」
レムダン
「 魔術具?
魔法道具とは違うのか? 」
アイベルファイラ
「 魔法道具は〈 エナ 〉にしか使えませんけど、魔術具は〈 ノマ 〉にも使えるように作られているんです。
画期的な発明品ですよ 」
レムダン
「 魔術具ならレンダにも使えるな。
( 今のレンダは魔法を使えないからな。
魔術具を使えたら喜んでくれるかも知れない )
≪ 都 ≫に着いたら案内してくれるか 」
アイベルファイラ
「 任せてください!
お薦めの《 宿泊施設 》も紹介しますね 」
レムダン
「 それは助かる 」
私はアベルと寄って来る怪物,魔物を倒しながら、レンダが待つ《 キャンプ地 》を目指す。
セフィと立てた本来の計画ならば、6月下旬から約3ヵ月後の10月に≪ 王都 ≫を立つ予定だった。
然し、急遽予定を繰り上げ、7月下旬に≪ 王都 ≫を立つ事となった。
計画を立てた予定日より約2ヵ月も早かったが、旅に必要となる物品は何とか揃える事が出来た。
連休を取った日に必要な物品を多目に手配しといて正解だった。
予定を早目なければ、≪ 町 ≫の《 冒険者ギルド 》でアベルと出会い、一時的とはいえ、パーティを組んで行動する事は無かったかも知れない。
然も、アベルはエルフ族だ。
私はエルフ族に対して、あまり良い印象を持っていない。
騎士でも冒険者でもエルフ族に対するイメージは、大体同じだと思っている。
エルフ族は理解し難い型破りで周囲を視野に入れない者が多いからだ。
人間の中にも居るが、エルフ族に比べたら黶に毛の生えたものだろう。
それにしても、アベルの弓矢の腕は相当良い。
弓から射られた矢は必ず命中するし、外れる事が無い。
どんな仕組みをしているのか分からないが、射られた矢は必ずアベルの元へ戻って来る。
矢が刺さった怪物,魔物は、必ず一撃で倒れてしまう。
アベルのLVは一体、幾つなんだ──。
レムダン
「 矢の一撃だけで倒せるとは凄いな。
矢も戻って来るし、節約上手だな 」
アイベルファイラ
「 あははっ(////)
矢は買うと高いですからね。
錬金術師なら矢を買わなくても欲しいだけ錬成が出来るんですけど……。
買わなくても済むように戻って来る魔法を掛けているんです。
壊れ難くする為に強度を強くする魔法も掛けています。
附与の上からの魔法ですから、随分と強化されてますよ。
当たるとそれなりに痛いです。
矢が刺さった瞬間に全属性魔法が発動するようにしてますから、通常のダメージに追加ダメージを与えるようになっています。
攻撃力は有りますね 」
レムダン
「 アベルは全属性の魔法で攻撃が出来るのか? 」
アイベルファイラ
「 流石に全属性は無理ですよ。
旅をしていると同郷に会う事があるんです。
矢先に魔法を纏わせてもらったんです。
中々会えないですからね、全属性を纏わせるのに200年も掛かっちゃいましたよ(////)」
レムダン
「 200年……。
アベルは200年も生きているのか? 」
アイベルファイラ
「 来年の誕生日を迎えると700…………58でしたかね?
エルフ族の中ではワタシなんて未々ヒヨコですよ(////)
1000歳を迎えるとヒナに昇格しますからね 」
レムダン
「 1000歳でヒナだと?!
エルフ族はそんなに長命なのか!? 」
アイベルファイラ
「 そうですね、エルフ族は長命種ですよ。
あっ、これ短命種の人族には秘密でした!
これも聞かなかった事にしてもらえれると助かります 」
レムダン
「 精霊と縁が有るからか? 」
アイベルファイラ
「 そうですね。
( まぁ…嘘は吐いてないから良いですよね?
エルフ族は精霊族の子孫の末裔──なんて話したら、レムダンはどんな反応をしてくれるんでしょう?
一時的な仲間じゃなくて、正式な仲間としてパーティに加われないかな。
レンダの周辺は精霊様の気配が異常な程に強過ぎる。
もしかしたら、エルフ族が内密に探している “ 神子様 ” の生まれ変わりかも知れない──。
レムダンに話すのはもっと親しくなり、十分に打ち解けてからの方が良いだろうし…… )」
──*──*──*── 夕方
──*──*──*── キャンプ地
レムダンとアベルは漸く《 キャンプ地 》に到着した。
テントの外では怪物の親子が仲睦まじく丸くなっている。
レムダンとアベルは互いの顔を見合わせる。
どちらも顔が真っ青になっているのが分かる。
一体全体何故、結界魔法の中に怪物の親子が侵入しているのか!!
レムダンとアベルが怪物に武器を構えた矢先──、テントからレンダが出て来た。




