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第77話 黄昏の帝都へ9

夜が明ける。

空は薄曇りに覆われ、帝都の街並みは張り詰めた沈黙に包まれていた。


帝国城の中央広場に、蒼真と凛花は立っていた。

その手には、白銀の羽根のペンダント。

神殿で告げられた言葉――“この羽根が道を示す”――その真意が、今、明らかになろうとしていた。


「ここが……最後の場所なんだね」

凛花が不安げに呟く。


「ああ。全部、ここで終わらせる」


蒼真の背には剣があり、目には迷いがなかった。


そこへ、黒い衣を纏った者たちが現れる。

帝国直属の近衛部隊、そして、蒼真たちを追い続けた影の長・カイゼルが前に立つ。


「選びに来たか、少年。妹を世界に捧げるか、それとも、世界を敵に回すか」


カイゼルの声は静かで、凍るように冷たい。

その手には、闇の力を凝縮した黒き石――“虚無の結晶”が握られていた。


「凛花の力は、この結晶と共鳴することで、時空の門を開く。それがこの世界の再生だ」


「ふざけるな……! 凛花は道具じゃない!」

蒼真は怒声を上げ、一歩前に出る。


だが、カイゼルはそれを受け止めるように語る。


「ならば、見せてもらおう。お前たちの“選択”とやらを――」


その瞬間、周囲に結界が展開され、時間が止まるような静寂が訪れる。

世界が凛花の魔力と、虚無の結晶に引かれるように、ゆっくりと歪み始めていた。


――そのとき、蒼真の手に握られた白銀の羽根が、淡い光を放ち始める。


「これは……!」


光が二人を包み込む。

次の瞬間、蒼真と凛花は“記憶の世界”の中へと引き込まれる。


そこは、幼いころの二人の記憶。

母に抱かれた日々、笑いあった日常、そして――別れ。


「お兄ちゃん……これって……」


「過去の記憶……でも、違う。これは――俺たちが進む“未来”の岐路だ」


白銀の羽根が示すもの。

それは、力の放棄と引き換えに二人が共に歩む未来か、凛花を犠牲にして世界を救う選択か――。


「俺は、どんな未来よりも、お前が生きてる“今”を選ぶ」

蒼真が凛花の手を握る。


「お兄ちゃん……」

凛花は泣きそうになりながら、でも笑って頷いた。


「うん……わたしも、生きていたい。お兄ちゃんと一緒に」


記憶の世界が崩れ、二人は現実へと引き戻される。

そして、蒼真は剣を抜いた。


「この力が、世界を壊すと言うなら――俺が、この剣で世界の理を斬る!」


彼の剣に、これまでの旅で会得した技――《空牙》《烈閃》《白焔》がすべて重なり、新たな一閃となって放たれる。


《黄昏剣・断界》――!


その刃は、虚無の結晶とカイゼルの結界を一刀で断ち切った。

光と闇がぶつかりあい、世界が震える。


激しい衝撃の中、蒼真と凛花は最後の戦いへと挑んでいく。

読んで頂きありがとうございます。

『星の守り人 〜妹と歩む異世界の旅〜』は別の小説投稿サイトにて初めて投稿したものです。

ぜひ感想や応援などもらえるととてもうれしいです!

これからもよろしくお願いします!

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