表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/81

第70話 黄昏の帝都へ2

翌朝、帝都アルガルドは霧に包まれていた。

静かな霧の向こう、兄妹は地下街へと向かう。

ゼクスが指定した「情報屋」がいるという場所――《影の集会所》。


「この扉の向こう……だと思う」

蒼真は木扉に手をかけ、凛花の方を見た。「怖くないか?」


「お兄ちゃんと一緒なら、大丈夫」


その一言で、蒼真の胸にかすかな力が宿った。


ギィィ、と扉を開くと、そこには…驚くほど静かな空間が広がっていた。

ろうそくの火がゆらめき、壁には古びた地図と巻物。中心に座っていたのは、目元に刺青を持つ中年の男だった。


「……ゼクスの紹介か」


「はい、蒼真と、妹の凛花です」


「なるほどな。噂は聞いている。……“記憶の継承者”の兄妹、だろ?」


蒼真は息を呑んだ。なぜ、その言葉を知っているのか。


「帝国はな、凛花の中に眠る“記憶の書”を求めている。世界を動かしていた大いなる記録、それを封じる力が……妹に宿っている」


「……記憶の書……!」


「それを暴き、使おうとしているのが《皇帝エゼリウス》だ。あの男はもう人ではない。魔術と機械に魂を縛られた“記憶の亡者”だ」


男は古びた写本を差し出した。そこには、帝国が過去に“記憶”という概念に対し行ってきた数々の実験、そして《鍵》の存在が記されていた。


「その《鍵》とは、凛花の深層記憶。そして、君自身の“強き願い”だ」


「願い……」


「戦う力だけじゃない。お前が何を守りたいのか、それが問われる」


男は立ち上がると、隠されたルートの地図を差し出した。


「地下礼拝堂……そこに、君たちが追う真実の断片がある。だが、そこには《影の番人》が立ち塞がる。クロエも、それに触れた者のひとりだった……」


クロエ――。


凛花の目が潤む。「クロエちゃん……」


「彼女の最後の記憶も、礼拝堂の奥に封じられている。君たちなら……それを継げるだろう」


その夜、兄妹は再び静かな屋根裏で寄り添っていた。

蒼真は、静かに語る。


「凛花。お前は何も悪くない。力を持っているだけで、世界に否定されるなんて、おかしいんだ」


「でも……みんな怖がるよ?」


「なら、俺たちで世界を変えればいい。お前の優しさを、ちゃんと伝えられる世界に」


「……うん、お兄ちゃん……」


凛花はそっと、蒼真の腕に身体を預けた。

その瞳に、炎のような決意が宿っていた。


読んで頂きありがとうございます。

『星の守り人 〜妹と歩む異世界の旅〜』は別の小説投稿サイトにて初めて投稿したものです。

ぜひ感想や応援などもらえるととてもうれしいです!

これからもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ