表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/81

第69話 黄昏の帝都へ

「……ここが、帝国の中心地……」


夕暮れの空に、黒く鋭く突き立つような尖塔。

灰色の石で組み上げられた城壁と、機械仕掛けの監視塔が立ち並ぶ帝国の首都

《アルガルド》――蒼真は、凛花の手を握りながら、その不気味な威圧感に喉を鳴らす。


「お兄ちゃん……ここ、怖い」


凛花の小さな声が震えている。無理もない。

街全体に漂うのは、人の温もりよりも監視と秩序、冷えきった空気だった。


「大丈夫。俺が、絶対に守る」


蒼真は優しく頭を撫でると、フードを深く被りなおし、門を潜った。

追手をかわしながら旅を続けてきた兄妹が、ついに帝国の心臓部にたどり着いた。


街の通りは賑わってはいたが、どこか空虚だった。

華やかな市場や噴水広場も、その背後には必ず“帝国騎士”の姿があった。


「偽名は通用するが、長居はできない」

そう警告したのは、街の地下組織《風の目》の一員、青年ゼクス

彼はかつてクロエとつながりがあった人物で、兄妹の潜入を助けるべく動いていた。


「ここに来たってことは、覚悟はできてるってことだろ?帝国の“実験施設”、その座標を渡す。だが中に入るには鍵がいる」


「鍵?」


「《選ばれし記憶》の欠片……君たちの中に、それが眠ってるはずだよ」


ゼクスの言葉に、蒼真は息を呑む。

――あの、夢の中で見た炎の剣。

――凛花が泣きながら何かを叫んでいた記憶。


「……思い出す必要があるのか」


「ただ戦うだけじゃ、終わらない。これは……お前たち自身の“記憶”の物語だ」


ゼクスはそれだけ言い残し、地下通路へと姿を消した。


その夜。借りた隠れ家の屋根裏部屋。

凛花は眠れずに窓の外を見つめていた。


「お兄ちゃん……この街、すごく綺麗だけど……綺麗なだけで、冷たいよね」


「……ああ。人の笑顔が、全然ないな」


「凛花が力を持ってるせいで……こんなふうに、みんなに怖がられるのかな」


「それは違う。凛花は、誰よりも優しい。だから、俺がこの世界にそれを証明してみせる」


月明かりの下、蒼真は凛花の小さな手をそっと握る。

その絆は、決して折れなかった。


読んで頂きありがとうございます。

『星の守り人 〜妹と歩む異世界の旅〜』は別の小説投稿サイトにて初めて投稿したものです。

ぜひ感想や応援などもらえるととてもうれしいです!

これからもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ