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攻撃スキル

「もういっかいやってみろよ、今の」

「え? マルク大丈夫?」

「いやいや、俺にじゃなくて、人形でいいだろっ」


 マルクが俺はごめんだ、という顔をする。

 まだ、手がしびれているらしい。


 雷撃、ということは、雷系だよね?

 相手を感電させる、ってことかな?

 木刀より鉄の剣の方が効果ありそうなので、父にもらった剣に持ち替えてみる。


「雷撃剣!」


 あえて詠唱してみたら、剣がパキンと音をたてて、一瞬黄金に光った。

 助走をつけて、わら人形に斬りつける!


 バリバリっと音をたてて、切りつけた先に小型の雷が落ちた。

 剣筋にそって、コゲ跡がついてる。


 振り返ると、マルクは渋い顔をして、後ずさっていた。


「お前…それ、人間相手に使うなよ?」

「気をつける…」


 うん。このスキルは、危ないからいちいち詠唱して、魔獣相手のときだけ使うことにしよう。

 さっきは木刀だったからよかったけど、下手したらマルク、心臓麻痺だったかも。

 

 念願の剣スキルだ!

 これで、少しは攻撃力上がるかな。

 麻痺効果があるなら、相手の攻撃を止めるのには役立ちそう。


 だけどこれ…聖騎士のスキルじゃないよね。

 この間ちょっと調べてたときに、雷攻撃なんて物騒なのは見当たらなかったけど。


 ニコラくんが、私とクリストフは同じじゃなくていいと言ってた。

 雷撃には魔力は少し必要だけど、それほど腕力は関係ない。

 私に合ったスキルが生えたってことか。


 オーグストに腹を立てていたことなど、すっかり吹っ飛んでしまった。

 コゲた人形、どうしよう…。


 

 その後、2度の合同演習があったけれど、オーグストは姿を見せなかった。

 まあ、訓練休むのは自由だし。

 試験の当日に来なかったとしても、こっちは別に困らない。

 むしろ、助かる。


 あれから私は、毎日真剣に剣の稽古をしている。

 たぶん、今まで私に強い攻撃スキルが出てこなかったのは、本気度が足りなかったからだ。

 レアナやニコラくんみたいに、まっすぐ自分の能力に向き合ってこなかった。

 でも、これからは逃げない。

 逃げてたら、オーグストと一緒だよね。


 マルクもなんとかスキルをゲットしようと、陰でかなり練習したらしい。

 「斬撃剣」を使えるようになった、とうれしそうに皆に報告してきた。

 ポルトの訓練中に、大木を一撃で切り倒したときはびっくりしたけど。

 あれも人間相手には使っちゃいけない技だよなあ。


 レアナは「つばめ返し」というスキルがどうしても欲しいみたい。

 試験までになんとかしようと、頑張っている。

 試験では攻撃魔法使えないから、やっぱ剣スキル、欲しいよね。

 きっとレアナなら大丈夫。そんな気がする。

 

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