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王立学園へ

 それからの私は、運命を受け入れて、父から剣を習うようになった。

 

 聖騎士という仕事は、「自分で防御もできる回復担当」という立ち位置らしい。

 戦闘に参加している聖女様は戦えないので、後方で回復を担当しながら防御もする。

 ま、つまり、騎士としてそれほど優秀ではなくても、身を守れたらいいと父は言っていた。

 なんとも都合のいい存在だよね。

 自力で防御する聖女って、笑える。


 12歳になる年に、王都へ行って、入学試験を受けた。

 前世でも受験は経験しているし、落ちる心配はないと思った。

 もちろん、落ちたら落ちたで、普通の人生が歩めるんだから、それでもいいと思ったけど。


 騎士科は、ペーパーテストをそれほど重視していないということだったので、問題は実技。

 父が言うように聖騎士は、一般の騎士志望の人とは、別枠だった。

 短剣で教官の剣を受ける護身術のような試験と、体力テスト。

 運動場をぐるぐる走らされたりもしたけど、実はこっそり回復魔術を使えるので、なんてことはない。


 いよいよ入学が決まると、王立学園は全寮制。

 生まれ育ったアデル村を出るときには、さすがに少し心細かった。

 前世とは違って、電話やメールのない世界。

 馬車で片道数日かかる王都に行けば、簡単には帰ってこれない。

 家族に見送られながら、「生き残るぞ」と自分に言い聞かせた。

 騎士になっても、全力で死ぬのを回避するのが目標だ。

 ついでに、結婚相手も探す。

 

 大丈夫。

 私、中身は大人だもん。


 だけど、この世界で12年しか生きてないから、経験値不足なのがちょっと心配だけど。

 

 学園に入学するのは、圧倒的に貴族家の男子が多い。

 大きく分けて騎士科と、魔道士科があるんだけど、魔力持ちは貴族に多いらしい。

 騎士科は圧倒的に男子が多いので、学園全体として、女子の比率は2割ぐらい。

 それも、ほとんどが魔導士科Bクラスの、貴族聖女様だ。

 平民の聖女様は学園には行かずに、教会で働く。

 貴族家出身の聖女様は、学園に入って王宮勤めを目指すようだ。

 魔道士科は攻撃特化のAクラスと、防御特化のBクラスに分かれている。


 私は騎士科Aクラス。

 王宮の騎士団を目指すクラスで、ここも貴族様が多い。

 ただし、女子は数が少ないので、貴族平民関わらずAクラスに集められている。

 王族の女性付き護衛候補ってことなんだろう。

 私はそんなややこしい役職は目指さないぞ。


 騎士科Bクラスは、地方の騎士団に入団を目指す人が多いみたい。

 卒業したら領地へ帰ることが決まっている、いわゆる地方貴族。

 王宮勤めを目指さない、一般平民もBクラス。


 考えたら、生徒のほとんどが貴族様だと、結婚相手探すのは難しいかも。

 Bクラスのほうが気楽そうでいいなと、思ったりしたけど。

 チャンスがあったら、Bクラスの平民騎士くんと友達になろうかな。


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