表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/192

作戦会議

 食事が終わると、ご両親は「ごゆっくり」と言って別室に行ってしまった。

 お茶を飲みながら、4人でベアファングの倒し方などを議論する。


「で、これからどうするよ?」

「どうするって?」

「パーティー組んだんだし、なんかやるんじゃねえの?」


 私は、便宜上パーティー登録したけれど、特に活動とかは考えてなかった。

 マルクは意外と前向きだ。


「うーん。ギルドで討伐依頼受けてもいいよね? せっかくパーティー登録したんだし」

「レアと私はお金稼いで、武器買うのが目標なんだけど…みんなはどう?」

「俺は…そうだな。まあ、金儲けはいくらでもやっておいていいと思うぜ」

「僕はゼミの手伝いがあるし、皆さんの足を引っ張るので討伐は難しいかなあ」


 …となると、ニコラくん以外の3人で討伐?

 それはなんだかなあ。


「私、まだニコラくんに教えてもらいたいことあるんだよねえ」

「お勉強か?」

「うん…錬金で収納袋とかつくれるようになりたい。売れるかもだし」

「ああ、あれは、便利だな、確かに。買うと高いしな」

「皆さんの分ぐらいは、僕が作っておいてもいいですよ?」

「いや、それは申し訳ないぜ。いくらなんでも」


 なんとなくいきなり4人で活動を始めるのは難しいような気がする。

 とにかく、ベアファングみたいなのがポルトの森に出るなら、まずは全員の装備を整えるのが先決だよね。


「しばらく、私に時間くれないかな? ニコラくんに魔法の知識を教えてもらいながら、ポーションと収納袋をつくりたい」

「そしたら、私はマルクとふたりで角ラビと薬草採取引き受けるよ」

「二手に分かれるか」

「で、満月の日は4人でポルトの森に行く、っていうことでどうかな?」

「しばらく、それでやってみましょう。僕はOKです」


 それから話し合って、活動資金は誰がいくら稼いでも、パーティーとして貯めることにした。

 稼げるようになったら、もちろんお小遣いもそこから支給する予定だ。

 でないと、楽しみがないもんね。


 ベアファングと戦ってみて、もう短剣で戦うのは無理があるとわかった。

 防具もそれなりに揃えないと危ない。

 まずは4人の武器や防具を買うのを目標にしようということになった。


 …あれ? 気がついたら、もう完全に冒険者まっしぐらコースじゃん。これ。

 まあいいか。

 学園を卒業するときに、騎士になるのか冒険者になるのか、選ぶ余地があるのはいいことだよね。


「しばらくルイとは別々かあ」


 レアナが少し寂しそうに言う。


「すみません、僕が足を引っ張ってますね」

「違う違う、ニコちゃんは錬金できるんだもん。資金稼ぎの希望の星だよ! ルイをよろしくお願いします!」

「マルクもレアのことよろしくね」

「ははっ! 角ラビ黒焦げにするようなやつ、心配ねぇよ!」


 マルクがついていれば、レアナはきっと大丈夫。

 私は、魔力の少ないレアナのために、少しでも魔力回復ポーションを貯めておくようにしよう。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ