表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/192

武器屋へ行こう

 授業が始まった。

 午前中は王国史や算術など、一般教養の授業。

 午後からは毎日、実技訓練だ。


 騎士といっても、それぞれ得意な武器があって、グループに分かれて専門の先生に指導を受ける。

 槍のグループや弓のグループがあるが、一番多いのは剣。

 私も一応父からもらった小さめの鉄の剣を持っているので、剣の訓練を受けることにする。

 槍とか弓なんて、非力な私には全然無理っぽいしね。

 

 レアナは自分の武器を持っていないので、学園から剣を借りた。

 マイ武器を持っていない人は貸与してもらえるのがありがたいんだけど、自分に合った武器が見つかるとは限らない。

 レアナも一番軽そうな剣を探したんだけど、それでも結構重くて、振り回すだけでヨロヨロしている。

 ふたり一組で稽古をしていても、子どもチャンバラごっこ以下という感じだ。


「あー、そこのふたり。向こうに行って素振りしてこい。打ち込み100回だ!」

「「はーい」」


 ワルデック先生が呆れたような顔をしている。

 たぶん、騎士科始まっていらいの不出来な生徒、という評価だね。

 レアナはペロっと舌を出して、助かった~という顔をしている。

 訓練場の壁際には、人間大のワラ人形みたいなのが数体設置されていて、そこが私たちの定位置だ。

 腕の筋肉がないので、剣をまっすぐに振れるようになるまでは、ひたすら素振りをしろと言われている。


 さぼっているように思われているけど、実はレアナとふたりで話し合って、毎朝ふたりで朝練をしている。

 一応、卒業を目指さないといけないので、このままじゃダメだよねってことで。

 私も、びゅんっと風を切る音がする程度には、剣を振れるようになってきた。

 これでも、牛歩なみだけど、進歩はしている。

 ちなみに、ステータスは毎日確認しているけれど、経験値が上がる様子はない。

 敵を倒していないので、いくら鍛えても経験値にはならないみたい。

 なので、いざという時のために、剣の鍛錬は真面目にやっている。


 レアナがうまく剣を振れないのは、私より体格が華奢で、剣が重いからだと思うんだよなあ。


「ねえ…レアナだったら、きっと短剣の方がいいよね。一度武器屋に行ってみない?」

「いいけど…私、お金ないもん。買えないよ」

「値段だけでも、見に行かない? 私にちょっと考えがあるんだ」


 学園の掲示板に、学生向けの依頼が張り出されているときがある。

 生活費に困っている学生は、そういうので生活費稼ぎをするらしい。

 薬草を集めたり、畑に出る小型のモンスターを討伐したりするような、初級の依頼だ。


 学園の授業や訓練は、基本的に自習できるなら休んでも文句は言われない。

 卒業するまでに、実力さえつけばいいとされている。

 家業を手伝ったり、貴族同士の付き合いがあったりで、休む人は結構いる。

 もちろん、依頼を受けるのも経験のうちなので、学園はむしろ推奨している。


 前世のRPGゲームの記憶によると、序盤はお金を稼ぎまくって、武器を買うのが最優先だ。

 これは多分間違いない。

 せっかく王都にいるんだから、一度武器屋や道具屋には行ってみたいと思っていた。

 レアナも乗り気になってくれたので、一日休みをとって出かけることになった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
訓練しても体を鍛えても経験としてカウントされない……ますますRPGみたいだー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ