表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

星々が巡る場所シリーズ

量子力学的進化細胞を求めて

 第四回なろうラジオ大賞参加作品第十六弾!


 みなさんは量子進化という言葉をご存知か。

 簡単に言えば()()()()()()()()()()()()()()()()()という一つの事実が存在し、その中における進化に付けられた名だ。


 ちなみに適応進化とも言われるがそれはさておき。


「果たして外来の血を受け異能力を持った人は、本当の意味で進化を()げた人なのか」


 ちなみに外来の外は外国ではない。

 現在この地球には、数多くの異星人が極秘に来訪している。


 外来の外は異星の事だ。


 でもって異星人との混血人もそれなりに地球に存在し、その中の数%が異能力に目覚めている。所謂(いわゆる)ミュータント。そして映画などで新人類と呼ばれる彼らを、私は進化を()げた人類だと認めてない。


 進化とはその場の状況に合わせ変化していく事だからだ。


 猿から人に変化した事が進化だとしたらまさにそうだろう。

 猿は周囲の環境に合わせたりしている内に、人への変化を()げたのだから。


 そして異能力を持つ=進化だとすればいったい彼らはどんな環境で生きてきたんだ。(むし)ろ、今の世界においては余分な変化ではないか。迫害(はくがい)する者もいるし。


 ちなみに私は混血人が嫌いなワケではない。

 異能力という余分な変化を嫌っているだけなので誤解せぬよう。


「にも拘わらず、世間では異能力者=新人類な構図が出来上(できあ)がっている。

 この進化という定義に対する重大な誤解を解くためにも私は真に進化した人類を生み出さねばならんのだ!」


「えー。進化にも色々あっていいじゃないですかー」


「黙らっしゃいリリィ!」

 助手を一喝(いっかつ)する。


 しかし助手は軽い調子でさらにこう言ってきた。


「そもそも量子進化ってどんな進化なんですかー?」


 君はそんな事も知らずに私の助手になったのかね。

 まぁいい。私自身のおさらいの為にも、基本から説明しよう。


「量子力学の量子とは、原子核の周りを飛び飛びの軌道で回っている電子や陽子、中性子の飛び飛びの(あたい)を取る単位であり、そして電子、陽子、中性子がそんな飛び飛びの軌道を取る訳が、それらが粒子及び波として振る舞うからだと判明したが、なぜ二つの属性を電子達が(あわ)せ持つのか。それは電子達が()()()()()()()()()()()()を秘めているからで、そして潜在性をどちらかに決定付けるのが周囲の環境……細胞レヴェルで言えば他の細胞。つまり真の進化とは細胞による観測の果てのモノで、私の目標は細胞が持つ()()()()()()()()としての役割を強化する事で――」


 この数年後。

 驚く事に私達は量子進化細胞を発明したのだぜ。 by助手


助手「星々が巡る場所シリーズ、早く連載再開しないっすかねぇ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 新しい性質や能力を持った個体の出現を前にすると、私達はついつい「進化」と形容してしまいがちですよね。 しかしながら、環境への適合という必然に迫られた長期スパンでの変化と、外部からの血の流入…
[一言] 量子進化細胞! 夢がありますね( ˘ω˘ )
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ