天に昇る赤い女王
白い奇蹟!
ヴァイスヴンダーこと!
赤い女王!
無敵の魔法少女は!
無敵鉱石で防御を破られ!
未来予知で追い詰められ!
集中砲火で仕留められ!
そのぷにぷにで(※ぷりぷりぷるんぷるん)!
シミ1つない肌を(※誇張表現なし)!
そのサラサラで(※摩擦係数0)!
キューティクルな(※魔法少女的形容詞)!
輝き放つ髪を(※暗所だとホントにぼんやり光る)!
そのこぼれ落ちそうな(※さすがに文学的表現)!
星を浮かべたような(※さすがに文学的表現)!
大きな瞳を!
そのちっちゃくて(※身長128cm)!
汚れを知らない純白のドレスで包んだ(※ホントになにやっても汚れない)!
軽い体を(※実体重26kg)!
その迷いない!
ブレない!
一途な想いを!
意思を!
光に変えた!
※文字通りに!
「レーダに反応!」
「これは!」
「今殺したばっかじゃないか!」
「やっぱり!やっぱり!やっぱりぃいいい!」
わたしはわらう!
「さっきまで戦ってたのはなんだ!」
「もしかして分身でしたか!」
「じゃあこれが本体かい!」
「ちがう!ちがう!ちがうぅううう!」
腕ぐみしながら宙に浮かんで!!
「せっかくだから教えたげる!自慢ついでに!だからてめーらが納得してもしなくても関係ない!」
使い魔たちを見下ろす!
「イメージを共有するため神様は!立体映像で最初の魔法少女を作り出した!」
「わたしはそれを目標にして!それになれるようにがんばった!」
「だから!わたしはそのものになった!」
「虚像で作られた魔法少女」
「あらゆる物理的攻撃を無効化できる」
「無敵の肉体を持つようになった原因か」
「ちがう!ちがう!ちがうぅううう!」
「物理攻撃が効かない?そんなのはただの能力の1つ!」
「わたしの存在は!光そのものになった!」
「肉体として存在する不滅の光!それがわたしだ!」
「不滅、だと?」
「でも、無敵鉱石なら干渉できるんじゃ?」
「だけどこうして、ふっとばしたはずなのに無傷で姿を見せた、か」
「あいつは!あいつは!あいつはぁあああ!」
「神様はいいました!」
「魔法少女は必ず勝つ!」
「魔法少女は可能性がある限り無敵!」
「どういうことだ?」
「魔法少女は光で?」
「魔法少女は可能性?」
「あぁ!あぁ!あぁあああ!!」
「そしてわたしは死神!死と再生を指し示す暗示!」
「死は終わりじゃない!別の始まりで!」
「大きなサイクルでは無限を意味してる!」
「無限、だと?」
「死が終わりじゃない?」
「無限の再生だから不死身ってことかい?」
「ちがう!ちがう!ちがうぅううう!」
「それは能力の1つでしかない!」
「わたしは!光で!可能性で!無限で!」
「必ず最後に勝つ!無敵の存在になった!」
「…………待て」
「光そのものになったって」
「本当に性質そのものが、かい」
「ずるい!ずるい!ずるいぃいいい!」
「つまりわたしは!光が進むよーに!」
「ぜんぶの経路を網羅して!行きたい未来へ到達する!」
「失敗した経路は捨てて!無限の可能性を使って!」
わたしの敗北!死!
そんなのなんの問題もない!
わたしが未来にたどり着きさえすれば!
その時点で行き止まりになったわたしは!
ぜーんぶまるっぽなかったことになるし!
「因果操作能力、か?」
「何億回失敗しても」
「1回でも成功するなら、それを引き寄せられるってことかい?」
「そんなの!そんなの!そんなのぉおおお!」
「だからわたしは神様の最高傑作!」
「無敵の魔法少女!」
「世界の宝物!」
「…………まずい、な」
「まさか光で作った虚像が、ここまでの結果を出すなんて」
「魔法少女を説明したそれっぽい言葉が、こんな形で結び付くなんてね」
「わたしが!わたしが!わたしがぁあああ!」
わたしは!
思ったとおりにしたらいい!
わたしの思い付きが!
かならずどこかで未来につながるから!
「まだだ!我々は1度勝てた!」
「私達がこのまま勝ち続ければ」
「お前さんが望んだ未来なんて来ないのさ!」
「ダメ!ダメ!ダメェエエエ!」
「てめーらにはできんのか!このわたしをただの1回も勝たせず!」
「完全に完封してコールドゲームになんて!そんなの無理に決まってんじゃん?」
「なにより答えはわかってる!わたしはここにいるんだから!」
もう!
ここは!
未来にたどりついたあと!
見せてやる!
「御国に捧げるこの命!」
「まずい!」
「詠唱です!」
「それも陛下に捧げる祝詞だ!」
「あぁ!あぁ!あぁあああ!」
「超!護国挺身!」
「魔法少女の能力を!」
「全力で使う気です!」
「なんか来たよ!」
「あれは!あれは!あれはぁあああ!」
曇天!
分厚い雲を切り裂き!
天空よりの使者が舞い降りる!
「な!?あれは!?」
「アーノトーフェ!?」
「魔導戦艦だって!?」
「イヤ!イヤ!イヤァアアア!」
全長4km!
排水量不明!
白銀の巨体が!
その姿を現す!
「アーノトーフェ級魔導戦艦2番艦!オーワタツミの御披露目だ!」
「神話時代の戦艦だと!」
「あのアーノトーフェ以外にそんなものが!」
「これはまずいねぇ!」
「うぅ!うぅ!うぅううう!」
「驚くのはまだ早い!たぁっ!」
わたしが跳んで!
艦橋から光が降り注いで!
体を!
未来を!
照らし出す!
「魔法少女が消えた?」
「魔導戦艦に乗艦したんじゃ?」
「おい!なんだあれ!」
「知らない!知らない!知らないぃいいい!」
勇壮と空を突き進む!
魔導戦艦の巨体に変化あり!
ラムを備えた艦首が稼動!
航空力学を無視する水平主翼が垂直に!
胴体部が割れてバラバラになる!
もちろん壊れたワケじゃない!
「バカな!」
「あれはもしかして!」
「変形してんのかい!」
「あんなの!あんなの!あんなのぉおおお!」
割れた胴体部は!
力みなぎる四肢になって!
稼動した主翼は背中に!
艦首は精悍な頭部になる!
「人型ロボットだと!」
「アーノトーフェがあんな姿に!」
「わたしらにアレと戦えってのかい!」
「死にたくない!死にたくない!死にたくないぃいいい!」
超巨大魔導戦艦!
オーワタタツミに!
奇蹟の魔法少女が!
超護国挺身することで完成する!
空前絶後のスーパーロボット!
力を充填するみたいに!
体をちぢこめて!
力を解き放つように!
腕を勢いよく振り上げる!
「ダイ!シス!ター!」
紫電を!
閃光を!
撒き散らし!
悠然と!
登場バンクを御披露目!
今までドレインした?
エネルギーはどこに行ったか?
エネルギーと質量が等価なら!
自由にエネルギーを操れるわたしは!
自由に物体を生み出せるってこと!
今まで蓄えてきたエネルギーを!
すべて質量に変換して!
次元震わす無敵の超巨大ロボット!
ダイシスターの投入だ!