潰える暗黒聖女
基本的に毎週土曜日に1話ずつ投稿される暗黒聖女本編ですが、今回の章の間は水曜日にも本編を投稿します。
暗黒聖女フリークという奇特な方は、お気を付けてお楽しみください。
「まさか浸透剄が使えるとはな」
残ったゴリラが呟いた!
そんなことより!
「なんのつもり?」
「何がだ」
「なんでツープラトン決めなかったのってーの!」
どうせ見捨てるなら?
おばけもまとめて巻き込んで?
わたしごとふっとばしたらよかったのに?
「正々堂々というやつだ」
「ふーん?人のからだ勝手に作り替えてねー?」
なんか隠してる?
そういえばこいつら?
「お仲間はどーしたの?3人目は?」
「さぁな。後でいいだろう。その心配をするのは」
「よくねーよ!」
「お前はどうせここで終わるんだ。先の心配等、意味があるまい」
「たっくるさりんど!」
「やらいでか!」
ダブルハンドマチェットを!
片手で無造作に振ってくる!
けどそれより!
1番の脅威は!
左手が空いてること!
つまり!
捕まれる可能性がある!
右手のないわたしには!
左手しかないんだし!
組み合いになったら!
ぜったいに負ける!
隠し技はもう見せた!
おばけは浸透剄を隠したまま!
戦える相手じゃなかった!
神聖魔法ならどうか?
わたしと相対するって?
規定路線だった神様が対策してない?
そんなん片手落ちでしょ?
実際!
おばけには効かなかったし!
正体はべつにおばけじゃないのに!
それに!
じゃれあいしてたとき!
なんどかゴリラにも使ったけど!
ぜんぜん効かなかったし!
奥の手はバレてる?
魔法は使えない?
なら諦める?
「ジョーダンなしだろオイ!」
わたしには!
鍛えに鍛えぬいた!
ぷにぷにロリータボデーがある!
この魂!
血!
肉!
骨が!
燃えてる!
「シスターなめんなあああああ!」
「自棄になったか」
全力突貫!
ゴリラが身構える!
「魔力!神聖スレッジシスター!」
目覚めろ!
全体重を乗せた振り下ろし!
「ふん」
ゴリラが剣で受けようとして!
「ぐっ!?」
背中から腹を貫いた!
貫手にうめきを漏らす!
「み、右手か!」
「その通り!」
わたしの肉体ぜんぶ!
戦うために鍛えぬいた!
必殺の武器!
もしもそれが!
ちぎれとんだ右手でも!
それは必殺の武器のまま!
本体の攻撃の前に!
サイコキネシス!
魔法で右手を動かして!
不意打ちで背後から攻撃させた!
そして!
「くたばれ!神聖シスターホールド!」
「っ!」
怯んだ隙に組み付く!
なんのためになんども!
プロレスごっこしてたと思ってる!
うしろから!
せなかに覆い被さって!
左手を首に回して!
締め上げる!
「魔力!」
目覚めろ!
それと同時に!
ちぎれた両足を戻す!
足払い!
全力フルスイングで!
ゴリラのバランスを崩す!
「これで踏ん張れないでしょ!抵抗できないでしょ!」
人の手はせなかに回らない!
完全に決まった裸絞めは!
脱出不能の必殺攻撃!
一応!
武器があれば!
自分のからだごと背中の相手を!
刺し貫くなんて反撃方法もあるけど!
うつぶせに寝かせたから!
胸に剣を突き立てるなんて!
さすがにできないでしょ!
それに!
大型のダブルハンドマチェットじゃ!
取り回しは不便でしょ!
せーぜーわたしのわき腹突っつくぐらい!
「いくらてめーでも!首絞められて生きてらんねーだろ!」
地面に引き倒した!
ゴリラに全力チョーク!
このまま!
「っしゃあー!」
我!
ゴリラを仕留めたり!
戻れ!
おててとあんよ!
「神聖シスターヒール!」
復活!
ぷにぷにおててとあんよ!
なにもなかったみたいに!
手足を回復!
「さぁ!オジャマムシは!叩きつぶしたし!」
ガシッ!
「あァ?」
ぶっ殺したばっかの?
ゴリラのうでが?
わたしの足をつかんでる?
「甘いねぇ?」
「ごぶっ!?」
わたしのむねから!
銀色の刃がとびだしてた!
「おっ!ば!け!」
口から血を吐きながら!
なんとかいえた!
「さっきのは痛かったからねぇ?お返しってとこさ」
耳元に!
熱っぽくささやく!
「わたしはどうしましょうか?一応後詰めだったんですが」
「我等だけで充分だったな」
正面に!
わたし並みにロリータサイズな身長で!
だれよりおっぱいデケー女が立ってた!
なんだよ!
さいしょから!
使い魔3人娘!
揃い踏みだったじゃねーか!
「ぐっ!ごべっ!っ!」
胸を貫いた!
銀色の切っ先!
「ほらほら?」
刺さった剣を支えに!
そのまま持ち上げられて!
揺らされるたびに!
口から血が溢れる!
「ごっ!っは!っ!」
息を吐くと!
中にたまった血が!
カタマリになって出てくる!
「形無しだな」
「わたしたち3人全員を投入した作戦です。失敗はありえません」
「もう少しあるかと思ったんだけどねぇ?どんでん返しがさ?」
突き刺さった剣を抜くより先に!
そのまま縦に真っ二つにされた!
心臓を一突きにされて!
そのまま縦に切り裂かれて!
生きてられる人間はいない!
回復魔法?
目の前で詠唱はじめて?
見逃すほどこいつらはマヌケか?
このからだでも?
勝てるかと思ったけど?
さすがにムリだったか?
無敵鉱石製?
よーするに?
ヒヒイロカネでしょ?
日緋色金?
失伝した幻の金属?
無敵鉱石でできたゴーレムと戦ったことあるけど!
全力で戦ってもキズ1つ付けらんねー!
永久不変はマジで永久不変だった!
「……………っ、……………………っ、……………っ、…………………っ、…………………っ!」
しゃべろうとしたけど!
ほとんど声にならない!
きっと餌を欲しがる池のコイみたく!
マヌケなんだろーな!
「なんだ」
「なにかおっしゃってるみたいですね」
「殊勝だねぇ?辞世の句ってやつかい?」
3人は笑って!
「「「………」」」
そして顔を見合わせて黙った!
わたしが何をするかわかったから!
暗黒聖女ソーフェミニは!
今ここで終わる!
その為の辞世の句!
そして!
終わりは!
行き止まりじゃない!
死んだ動物が!
別の動物の食料になるみたいに!
個体として死んでも!
その子孫が増えて!
血が受け継がれるみたいに!
別のなにかの始まり!
大きなサイクルの一部!
それはつまり!
無限!
無尽!
無期!
「七度人として生まれ変わり、朝敵を誅して国に報いん!」
対角線で4色に分けられた布が!
せなかから飛び出して!
からだをくるんで!
外界との接触を絶つ!
必勝祈願の旗が!
闇を引き裂く!
閃光を放つ!
破損した!
暗黒聖女の!
肉体は分解され!
殻を突き破るみたいに!
光輝く完全無欠の四肢が!
丸まった旗から飛び出す!
輝き放つ肉体を彩るのは!
汚れを知らない純白のドレスと!
全身7つの宝石型魔力増幅器!
刮目せよ!
わたしこそ!
世界の至宝!至高!至上!
既成の価値を!常識を!戦力を!
すべて凌駕し!
塗り潰す!
「封印が解けたか」
「というよりも意味がなかったみたいですね」
「自前で体を変えられるんなら意味はないねぇ。いくら肉体を作り替えてやってもさ」
変身プロセスを経て!
わたしの肉体は!
無敵の魔法少女に戻った!
手足をもがれても!
心臓を貫かれても!
わたしが慌てない理由!
慌てる必要なんてないからに決まってんじゃん!
暗黒聖女ボデーがいくら壊れても!
わたしの本気に関係ないし!




