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暗黒聖女ソーフェミニ物語  作者: 忠柚木烈
熱く熱く暗黒聖女
58/74

燃え盛る暗黒聖女

「ヒャッハー!」


 5mを一瞬で詰める!

 超高速神聖ステップ!

 こんな距離わたしならひとっ跳びだ!


 往生せいや!

 クソゴリラ!


 わたしという暴走特急が!

 全力で振り下ろす!

 暗黒暗器イビルウィルは!


「ふん」


 いつの間にか抜かれた剣で防がれて!

 パキィイイイイイン!

 甲高い音を響かせて!

 その生涯をいきなり終えた!


 それはいいけど!

 ローラちゃんが!

 武器を持ってる!

 全長80cmに及ぶ!

 ダブルハンドマチェット!


「そっちも本気モードってことか!」

「事ここに至ってはな」


 いきなり抜いてきたか!

 アレと切り結んだら!

 1合で耐えられない!


 見掛けこそ筋肉ゴリラだけど!

 あんなのウソっぱち!

 ホントは!

 剣から生まれた剣の申し子!


 少なくともこの世界基準なら!

 バリバリ最強ナンバーワン!

 お待たせしましたすごいやつ!


 さっきのラスボスぐらいなら!

 よゆーでぶっ殺せる強さ!


「こっちは無手勝流だっつーの!」

「知ったことか」


 鋭い横薙ぎをスウェーバック!


 問題は!

 向こうが持ってる剣が!

 規格外の業物ってこと!


 勇者が隠しダンジョンで手に入れる!

 原作最強の剣でも1合斬り結べねーレベル!

 この世界にあのレベルの武器はない!


「このチーター!」

「わたしはゴリラだ」


 テキトーに投げた暗黒クレイジー十字架は!

 ズンバラリされた!

 あんなゴリラを名乗るやつに!


「牽制にもなんねー!」

「もう終わりか」

「終わりなんて来るワケねーじゃん!各駅停車苦役列車!レッツゴー!」

「ハッタリか」


「うるへー!異世界由来のモンはその剣だけじゃねー!」

「ぬ」


 どんなバカでも丸腰では戦わねー!

 わたしは持ってるぜ!

 拳というガンをなー!


 この世界に封じ込められた!

 わたしの肉体は最終兵器!

 この鍛え抜いたぷにぷにの鉄拳に!

 砕けぬものなし!


「おんどりゃー!神聖爆裂ハリケーンシスターカカト!」


 目にも止まらぬ正拳乱れ打ち!

 ハリケーンを巻き起こす強烈アッパー!

 気迫燃えたぎるジャンピングニー!

 嵐引き裂くゴールデンカカト落とし!


「くっ!ここまでやるとは!」


 よく防いでるねー!

 さすが砕けず折れずの剣!

 でも!

 いつまで続くかなー!


「見切れるか!神聖シスターミラージュ!」

「ぐっ!」


 神聖エネルギーを足にまとわせて!

 鞭みたいに伸びるリーチの連続蹴り!

 もはやダブルハンドのマチェットを!

 盾みたいにしてガードするだけ!


「ほらほら!ゴリラじゃなくて!カメだったんじゃねーの!ほらほらほら!」

「言わせておけば!」

「威勢がいーじゃん!口だけは!」

「第ナナ主砲!てーっ!」


 バックフリップ!

 シスパー起動!

 時速500kmの初速度で脱出!


 ドンッ!

 大気震わす重火力の咆哮!

 バックアタックか!


「ちっ!なんで!」

「ズィーベンヘンダージュノー!」

「神聖アインシスターフラッシュ!」


 対抗して生み出したレールガンで応戦!

 けど!


 ダラララララララ!

 ピシューン!

 ダラララララララ!

 ピシューン!


「ゲーッ!打ち負けてるー!」


 威力はともかく!

 手数が違いすぎー!


「ってゆーかてめー敵かよ!」


 今まで参加してなかった!

 ナナちゃんがいきなし参戦!

 味方で計算してたのに!


 前の世界で!

 わたしが作り出した使い魔がいて!

 そいつの名前が!


「ざんねーん!わたしナーナじゃありませんー!ナナって名前も勝手につけられただけー!」


 完全に勘違いしてたー!?


「わたしにやたら絡んできたじゃん!」

「お前さんが覚醒してないか見張る為さ!わたしらがそばにいたのはね!」


「じゃれついてたんじゃないの!」

「わたしらは役目があっただけさ!可能ならお前さんを誘惑するってね!」


「誘惑!?なんで!?」

「人類が守られるからさ!お前さんが外の世界を諦めればね!」


「あの人の差し金なの?」

「いかにもその通りさ!」

「!」


 ズドン!


「バカだねぇ」


 右腕が。

 肩から。

 ふっとばされた。

 わたしの。

 足が。


「ぎゃああああっ!わたしのっ!わたしの腕!足っ!」


「わたしらはお前さんってはた迷惑の」

「人身御供の犠牲者で」

「この姿での振る舞いは」

「「見せかけだけの擬勢」」


 黒い髪。

 白い服。

 ハチマキ。

 そして剣。


「これが世界を滅ぼす魔王か。なんとも呆気ない」

「かの赤い女王も形無しだねぇ」


 ゴリラとおばけが嗤ってやがる!

 2人とも前までの面影はないけどさ!

 ひさしぶりに見た!

 2人のホントの姿!


「大人しくしていろ」

「丁重に扱う用意はあるよ。抵抗しないってーんならさ」

「我々の要求はただひとつ」

「出ないことさ」

「「この世界から」」


 ユニゾンでしゃべんな!


 2人はガワが違うだけで!

 中身は同じだから!

 こういうマネができる!


 分身!

 使い魔!

 それがコイツらの正体!


 てっきり!

 おばけの方は!

 わたしが作ったやつって思ってたのに!

 でも違った!


 ズィーベンって!

 ドイツ語の7って意味の名前も!

 やたらとわたしに絡んできたのも!


 ぜんぶ!

 わたしをミスリードさせるため!

 コイツらは神様の使い魔だ!


 そもそも!

 この暗黒クレイジー箱庭世界が!

 わたしという可憐な小鳥を!

 とらえておくためのトリカゴ!


 つまり!

 最大公約数的な!

 だれでも楽しめる世界!

 その辺にあるよーな!

 ありきたりなゲームを元にして!


 原作最強キャラの聖女に転生したのも!

 わたしが好き勝手できるよーに!

 わたしがつまらないと思わないよーに!

 わたしが自発的に残るよーに!


 おばけがセクハラしてたのも!

 今なら理由がわかる!


 わたしの使い魔だからかと思ってたけど!

 そーじゃないなら!

 わたしの性癖を変えようとしたんだ!

 手っ取り早く手込めにして!

 同性愛に目覚めさせよーとした!


 わたしが神様のところへ!

 行こうって思わないよーに!

 奪おうとした!


「ふざけんなっ!ふざけんなあああああっ!」

「交渉は決裂か」

「まぁ話しても仕方ないさ」


 からだを変えられても!

 わたしはわたしだ!

 好き勝手されてたまるか!

 わたしの恋を!


「奪わせるかあああああっ!」


 シスパーモード!

 最大出力!

 短期決戦!


 トップアタックで仕留める!

 ゴリラの背後を取るよーに!

 回り込みながら空へ!


「遅いねぇ」

「神聖ヘルバウッ………なっ!!」


 旋回戦で負けた!?

 うしろから!?

 袈裟懸けに斬られる!?


「ちぃいいいいっ!」

「ははっ!上手上手!」


 盾にした左手の!

 ガトリングガンが!

 なんの抵抗もなく!

 真っ二つにされた!


「わたしの武器が!?」

「そらっ!」


 廃材利用の暗黒暗器とはワケがちがう!

 あれは魔力で作り出したもの!

 なのに斬られた!


「まさかその剣!」

「言うまでもないだろ!」

「無敵鉱石!」

「ご明察!」


 突き!

 ぜったい折れない曲がらない砕けない!

 神様が作った無敵鉱石製武器で!


 まったくブレない!

 受ける側からしたら!

 小さな点にしか見えない!

 そんな最小最適最高の突き!


「なめんな!」


 いくら鋭くても!

 予備動作!

 動きの起こりがあったら!


 わたしなら反応できる!

 入り身になって!

 突きを避ける!


 そしたら当然!

 剣を横に避けたわたしに!

 払いで追撃してくる!

 それは予測してたし!


「フッ!」


 ダッキング!

 深く頭を下げて!

 剣をかいくぐりながら!


「ちぃっ!」


 もう!

 剣の距離じゃねーでしょ!


「必殺!」


 ダッキング移動で!

 全体重を乗せた!

 全力ワンインチパンチ!

 剣を横に払って!

 がら空きのボディに!


「ぐぶぅえぼっ!」


 瞬間!

 肺の空気をぜんぶ出して!

 同時に!

 口から血を吐くおばけ!


 ボディ攻撃で!

 血を吐いたなら!

 内臓を傷つけたってこと!


「掟破りの浸透勁だっ!」


 衝撃を伝播させて!

 内臓を破壊し尽くす!

 超短距離用必殺攻撃!


「痛いでしょ?食らったことあるけど?わたしじゃなかったら死んでたよ?ハハハ!」


 急激に力をなくして!

 空から地面に落ちてく!

 おばけのやつを見下ろす!


「さぁ!ゴリラも仕留めなきゃ!」

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