震える暗黒聖女
ブブブブ!
「ぬ。地揺るぎかと思いきや」
「なんかフェミちゃんがマナーモードになってる」
大地を揺るがす暗黒聖女ロボ!
正義の聖女だソーフェミニV!
ちなみに!
この聖女型地震による!
津波の心配はございます!
今!
海岸沿いは!
ザッパンザッパン白波が打ち付けてる!
局地的に地割れも起きてる!
暗黒聖女の感情は!
ただちに世界に影響する!
空に稲光走る!
地に亀裂走る!
海になんか走る!
話は聞かせてもらった!
人類は滅亡する!
な、なんだってー!
「フェミちゃんどーしたの?」
「うむ。この前からおかしいぞ」
ナナちゃんもローラちゃんも心配してくれる!
でも!
「この前………!」
カッ!
目を焼く閃光とともに!
世界が崩れる!
世界を構成してたパーツが!
呪いを浴びて死に絶えて消え失せた!
暴走した神聖シスタードレインの力で!
現在!
無差別無尽蔵無限大エナジードレインで!
世界各地がアトランダムに呪い抉られてる!
「うぅー!」
ポロポロポロポロ!
わたしの美しく澄んだ瞳から!
真珠のよーな涙が落ちてく!
ビカッ!
ザァー!
「うわ、土砂降り」
「洗濯指数0だな」
「外干ししてた洗濯物は全滅だね」
「まぁ居まい。心配するような奴も」
「この天変地異の前じゃ、洗濯物より先に自分の心配するだろーね」
「フェミが嘆けば大嵐」
「フェミちゃんが怒ったらカラッカラの大干ばつ」
「大変だな。地図を作る奴は」
「同じ場所が沼になったり、砂漠になったり、消滅したり」
「生きていればだがな。地図を作るやつが」
「まさか闘技場で戦うだけでこんなになるなんて」
「なんでこうなったのやらな」
「聞いてみる?」
「本人にか」
「もちろん。メイビー」
「オフコースじゃないのか。メイビーはもしかしてだろ」
「そーだっけ?」
「まぁいい。やめておけ」
「なんでさ?」
「フェミが不安定過ぎる」
「その上原因を聞いて思い出させたら」
「真っ二つになってもおかしくはないな。この星が」
「聖女は人間のために神様がこの世界に遣わせたんじゃなかったの?」
「聖女は人間のために神様がこの世界に遣わせたんじゃないか」
「………」
「………」
「はぁ………つまり?」
「わたしたちが導くしかないということだ」
「この世界を守るってことか」
「フェミを立ち直らせて」
「その役目通りがんばってもらって」
「予定通り魔王を封印する」
「うまくいくかな?」
「私達にかかってるぞ。人類の命運は」
「マジかー。責任重大だねー」
「ホントだ。マジなんだ」
「「オレンジジュース頼む」」
おばけとゴリラが!
拳を付き合わせてから!
互い違いに拳を上下から打ち合わせた!
一子乱れぬ連係!
10年来のマブダチみたいに!
………なんで?
あの2人が?
わたしの気がそれたからか!
ちょっとだけ雨足が弱まった!
「フェミちゃんお話ししましょ」
ナナちゃんがわたしの隣に座って!
肩に手を回してきた!
だから!
「ほっ!」
おばけの肘とわたしの肩で支点!
伸びた手を引っ張って力点!
おばけをぶん投げて作用点!
「ちょわー!?」
「神聖マシラ流し!」
「だれがサルじゃー!」
投げ飛ばされながらつっこむおばけ!
ずべちょ!
大雨でできたどろのなかに!
上半身から突き刺さって!
由緒正しい犬神家ポーズ!
足ないけど!
「何故投げ飛ばした」
「ケツとかさわらせる気分じゃなかったし?」
「日頃の行いのせいか。南無」
「あと憂さ晴らしと八つ当たりが10割10分?」
「110%八つ当たりじゃないか」
「急にバカが来たので?」
「QBKか。なら仕方ない」
「でしょー?」
プロでも失敗するんだから許されるべき!
「なにかあるか。してほしいこと」
「んー?」
どうしよっかなー?
「パンを尻にはさんで………」
「右手の指は鼻の穴には入れないからな。だいたい呪いの儀式じゃないか。それは」
まぁとーぜん知ってたか!
「じゃあ蓬莱の玉の枝ぷりーず?」
「割とわかりやすいお宝だな。欲しいのか、そんなのが」
無理難題の代名詞で言ってみたけど!
たしかアレってただの金銀パールプレゼントじゃん!
べつにいらねー!
「とめどなく溢れる?」
「999番か。6番の方が楽だな。私なら」
6番は野生の熊と指相撲だったかな?
たしかにローラちゃんならJKにセクハラするより簡単かな?
「ナナちゃんのケツの上に乗っけたリンゴを弓矢で撃ち抜く」
「食べ物を粗末にするな」
「うー?たしかにナナちゃんのケツになんか乗せたらリンゴがかわいそう?」
「リンゴに謝るんだ」
「ナナちゃんのケツになんか乗せようとしてごめんなさい?」
「てめーら!わたしのケツの心配しろよ!」
「嫌に決まってるだろ」
「なんでナナちゃんのきたねーケツなんか心配しなくちゃいけないのさ?略してNNKKSS?」
「汚くねーし!もぎたてのぷるぷるだし!ピーチ!」
「イロモノアイドルみたいなこと言い出したぞ」
「胸キュン?」
「「「ですもの」」」
いーあるさんすーうーろーちーぱーきゅ!
ファイヤ!
ファーイヤー!
「まずい。火の手が上がったぞ」
「なんでと思ったら歌のせいか!」
「光とか放つことになるぞ。このままでは」
サンダー!
サンダー!
「おぉ」
「なんか超デカイ怒りの獣神が召喚されたんだけど」
「信じられない動きのキレと力強さだな」
「ありがとう山田さん」
山田は死んでなかった!
リバプールの風が吹いた!
超巨大な獣神!
略して大獣神は!
まるで恐竜か!
タンカーみたいな存在感!
圧倒的強さで山を砕いて!
圧倒的スケールで川を作った!
これは伝説の戦士だわー!
終わらないファンタジー!
「さすが世界の獣神だね」
「伊達じゃないな。リビングレジェンド」
「骨法の足技!骨法の飛び技!骨法の関節技!骨法の力!骨法のパワー!骨法のじーさんの奥義が!そして獣神の怒りが!すべてをぶっ潰す!」
「スーパー浴びせ蹴りタイムだな」
怒りに火をともせ!
あつい心が呼びさます!
「ちょ、なにアレ!?」
「ゲェー!!アレはーーー!!」
わたしが歌えば世界は狂う!
おっきなあたまと!
ずんぐりどっしりしたボデー!
ハサミみたいってゆーか!
やっとこみたいなおてて!
「もしかして!」
「火星大王だーーー!」
「そこでなんで火星大王!?」
「ブリキで大王だからだろう」
ドシン!
ドシン!
「歩いたよ!?」
「歩いた………まずいぞ。歩いたってことは」
バッ!
火星大王の胸のドアが開く!
「両開きの冷蔵庫みたいになったんだけど!」
「火星大王の内装火器、機関銃だ」
ドドドドド!
「へ!?なにアレ!?」
「火星大王の射撃は全方位攻撃。逃れる術はないぞ」
「あれ機関銃撃つアクションじゃないでしょ!?」
「仕様だ」
火星大王は上半身を360゜旋回させて!
固定された銃の回頭範囲をおぎなう!
超ダイナミックな解決方法!
呼び出した巨大兵器を!
しばらく暴れさせたら!
世界はたくさん呪われた!
スッキリ!
「フェミが情緒不安定だったからか」
「その才能を再現なく暴走させた結果があれってこと?」
「落ち着いたようだが。ひとまずは」
「わたしたちで止められるの、あんなの?」
2人はなんか話してた!
そして!
デモンストレーションは済んだ!
ここから先!
わたしが人類を導く!
わたしこそ先導者!
わたしこそアジテーター!
着いてこれないなら?
置いてくよ?
なにもかもが?
過去になるんだから?