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暗黒聖女ソーフェミニ物語  作者: 忠柚木烈
熱く熱く暗黒聖女
50/74

センドウシャ

 主観的な感覚を除けば。

 恐らく。

 普通は。

 常に一定だと答える。

 それが一般的な時空というものの捉え方だろう。


 誰が何をしていようと。

 どれだけ念じようと。

 祈ろうと。

 願おうと。


 時間は変わらず過ぎていくし。

 移動してない物体間の距離が変わったりしない。

 誰もが時空を。

 絶対のものと信じてた。


 この信仰は。

 ある天才の登場により。

 宗旨変えの必要に迫られる。


 相対性理論。

 ご存じアインシュタインが。

 切り開いた光の世界。

 この世界では。

 一般的な感覚は通用しない。


 そもそも。

 相対性理論は。

 何と相対しているのか。


 それは光だ。

 光を基準に比較したとき。

 世界の常識は破壊される。


 例えば。

 移動する電車の中で。

 ボールを真上に放り投げたとき。

 ボールは再び手元に落ちてくる。


 移動している電車に乗っているのに。

 真上に投げたはずのボールは。

 移動した先に向かって落ちてくる。


 これは慣性の法則によるものだ。

 移動する物体から放たれたものは。

 その慣性が乗った運動をする。


 なら。

 投げたボールの頂点を鏡に。

 投げるボールを光に。

 置き換えればどうなるか。

 ここで少し不思議なことが起こる。


 電車の中の鏡を。

 電車の中から見た人と。

 それを電車の外から見た人と。

 並べて考えれば。

 そこから常識は崩壊する。


 それぞれで光の軌道を。

 主観的に辿ってみよう。

 光でイメージできないなら。

 適時ボールでイメージして欲しい。


 光かボールの軌道を。

 主観的に線で再現するなら。

 以下のとおりになる。


 人=鏡


 中に乗った人からすれば。

 光はまっすぐ鏡に当たって。

 まっすぐ返ってくる。

 ここまではいい。


 移動前

    >鏡

 移動後


 移動する電車の外から。

 それを見たなら。

 電車の移動速度が早ければ早いほど。

 ボールや光の移動距離が増えることになる。


 ここまでもいい。

 ただ当然の話だ。

 ボールなら違和感はないだろう。


 だが。

 光なら少し問題がある。

 光速不変の性質だ。


 光速は常に一定である。

 秒速30万km。

 つまり。

 光に慣性は乗らない。


 何がおかしいのか。

 電車の中の人も外の人も。

 同じ光を見ている。


 中の人からだろうと。

 外の人からだろうと。

 鏡に反射した光そのものは同じ。


 同じ光は。

 同じ速さで。

 違う距離を観測者ごとに。

 同じ時間で移動して。

 同じ場所に到着する。


 違う距離を同じ速さで移動したなら。

 到着時間にも差が出るはずなのに。

 これでは矛盾している。

 それを解決するのは。

 ひとつの結論。


 速くなればなるほど。

 光速に近づけば近づくほど。

 時間の流れは遅くなり。

 空間は広がっていく。


 移動する電車の中では。

 時間の流れが遅いから。

 移動する距離が広がるから。


 中からでも外からでも。

 光は同じ速さと時間で。

 別々の距離を移動する。


 時間も。

 空間も。

 常に一定ではない。


 SFが好きなら。

 聞いたことがあるかもしれない。

 ウラシマ効果という名前を。


 もしも双子が生まれて。

 光速で移動するロケットに。

 片方が乗って宇宙を旅して。

 地球に戻って双子が再開した場合。

 2人の年齢には差が出る事になる。


 光の世界は。

 人の常識を。

 容易く凌駕する。


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