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暗黒聖女ソーフェミニ物語  作者: 忠柚木烈
輝き放つ暗黒聖女
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ジャッキー絶対死なす暗黒聖女

「全国20人の闘技場ファンのみなさまこんにちは!実況のナナちゃんです!」

「解説のローラだ」

「本日のメインイベントがいよいよ開催されようとしています!」

「うむ」

 なんかノリノリで実況席ごっこ始めた2人!


「これよりチャンピオン追悼式『香ばしい栄光の半生』が執り行われます」

「別に惜しくない人を亡くしたな」

 ローラちゃんが沈痛に見えなくもない表情でバナナ食ってる!


「あ、わたしもちょーだい!」

「ん」

「あんがとー!」

 いきなり実況を放棄してバナナを頬張るナナちゃん!


「なんだアイツら………お前の仲間か」

 ちなみに!

 ジャッキーまだ生きてるよ!


 まだ!

 なんとか!

 ギリギリ!

 かろうじて!

 それとなく!


 わたしがまだ殺してないって!

 そんなデッドラインで!

 生きてるよ!

 そしてイキってるよ!


「ふん、雑魚同士がつるむかぼはぁっ!?」

 語尾がいきなり怪しくなったのは!

 雑魚&おミソ扱いされた2人が!

 瓦礫を投げて直撃させたから!

 あのナックルボール投石はさすがローラちゃん!ゴリラそのもの!


「なんかアホがイキがってますね!どうですか解説のローラさん!」

「劣っているようだな。実力はおろか。観察力や勝負勘すらも」

「この勝負をどう見ますか?」


「挑戦者であるチャンピオンは攻撃、防御、体力、素早さ、判断力、瞬発力、魔法、顔、資金力、運命力でフェミに大きく劣ってる。それをどう補うかで」

「勝負の行方が変わりますか!」


「いや、フェミの勝ちは変わらん。だが死に方の酷さは少しぐらい変わるかもしれん」

「残酷無惨!挑戦者ジャッキー選手がこれからひでー目に遭わされます!ファンの方はご祝儀のご用意を!」


「放送席放送席!こちら現場のフェミちゃんです!」

「現地から中継が入っています!フェミちゃん?」

「はい!こちら特許許可する東京特許許可局局長!裏庭にハニワニワトリがいる!みんなが待ってた暗黒聖女ソーフェミニ・グノーシスでーす!今日はわたしのライブに来てくれてみんなありがとナッシング!」


「なんか勢いよく感謝してねぇって言いやがりましたよ!解説のローラさん!」

「実際ノーメルシーだろうな。フェミなら」

「あとハニワニワトリってなんでしょうか!」

「化け物だろう。おそらく」

 わたしの好きなタダのぎなた文だよーん!


「虐殺系アイドル!ジェノサイドル!今日も明日も響かせる†虐殺の交響曲シンフォニー†!」

「あ、ジェノサイドルっての気に入ってたんですね!」

「基本的に好きらしいな。語呂がいいものは」


「あとあの†はなんですか?」

「短剣符。ダガーだな。厨二病の嗜みだ」

「付けるだけで†厨二病†っぽくなりますね!」

「ルビを振るのも有効だな」


「†御御御付オミソシル†」

「むぅ。ツッコミにくい」

 ※御御御付………オミオツケ。お味噌汁のてーねーな呼び方


「†バナナ(エリクシル)†」

「錬金術師あこがれの賢者の石は自然界にあると今!実況席のクソゴリラより判明しました!」

「不老不死になりたいならバナナを食え。まずはそれからだ」


 ①エリクサーがもったいなくて使えない!

 ②回復をケチったやつは死ぬ!

 ③エリクサー=バナナだから、バナナ食わないやつは死ぬ!

 なるほど!

 ローラちゃんの言ってることは正しい(錯乱)!


 なんか実況席では大喜利してた!

 ぜんぜんうまいこと言えてないけど!


「ち!遊んでんのか!」

「あれ?いたの?」

「居ただろ!最初から!目の前に!」

「見えなかった!この暗黒聖女の目をもってしても!」


 予定通りに発動した罠のせいで!

 護衛対象が危機に陥るぐらい節穴!

 それが海のアンコクのフシアナアイ


「闘技場に乱入して………なんのつもりだ!」

「なにって?なんかお遊戯みたいのやってたし!わたしもまーぜーて!」

「お遊戯だとガキが!これだからレベルの低い連中は」


 ひゅん!

 まるで!

 わたしを!

 試すみたいに!


 小手調べ!

 様子見!

 牽制!


 そんな!

 無造作な!

 攻撃!


 その攻撃は!

 わたしの!

 芯を!

 捉えた!


「なぁ!?」

「ふん?」

 驚愕する!

 こんな奴が!

 このわたしを!


 試………す?

 下………に………見………る………?


 からだの!

 奥底から!

 涌き出る!

 溢れんばかりの!


 怒り!

 怒り!

 そして怒り!


 アイツの!

 かすりもしない!

 止まって見える!

 ゴミカスみたいな!

 その攻撃は!


 わたしの!

 致命的な!

 部分に!

 触れた!




「これならどうだ」

 目の前のクズが!

 1段階上の攻撃で!

 わたしを試してくる!


 ………?


 なにそれ?

 毎日の通勤電車に乗り合わせた?

 オッサンのネクタイの色が違ったからって?

 なんなの?


 ただ職場が同じってだけの?

 ババアの履いてた靴が?

 変わったからって?

 お前ら興味持てんの?


 そんなの知らないし!

 どうでもいいし!

 関係ない!


 なのに!

 わたしに見せる!

 わたしに見せ付けようとする!


 たかが経験値!

 たかが目的達成のためのピース!

 ただの代替え可能な消耗品!

 そんな大した意味もないものが!

 わたしに接触してくる!


 この攻撃には?

 どう対処する?

 この攻撃には?

 どう向き合う?


 バトルモノでよく!

 真剣勝負は!

 愛と似てるとかどうとか!

 言い出すキャラがいる!


 よくある味付け!

 定番コースだけど!

 言ってることは正しい!


 将棋は!

 ひたすら手を研究する!

 相手の手を想定して!

 それに対応する手を探し続ける!


 将棋でなくっても!

 対戦ゲームには!

 必ず相手がいる!

 それに本気で勝とうとしたら!


 ただひたすらに!

 相手と向き合って!

 相手への理解を深める!


 それはもう恋じゃない!

 一方的に感情を向ける!

 ただの恋なんかじゃない!


 相互理解!

 相手を認めて!

 もっと知りたいって思う感情!

 それは愛っていう!


 切り結ぶこと!

 それは向かい合うことで!

 理解を深めること!


 愛は相互理解!

 向き合って!

 お互いに!

 共有する!


 斬りかかって?

 その対応を?

 知ろうとした?


 つまり?

 向き合えって?

 もっと知りたいって?

 同じ想いを共有しようって?


 それはつまり?

 このわたしに?

 愛されようとした?


 ………?

 ………?

 ………?


 ………キモチワルイ!

 キモチワルイ!!!

 キモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイ!


 なんでわたしは?

 長柄武器を使ってる?


 べつにわたしなら?

 ナイフはもちろん?

 徒手空拳でも勝てるのに?


 なんでわたしは?

 圧倒する?


 べつにわたしなら?

 舐めプでもよゆー?

 わざと苦戦だってできるのに?


 そんなの!

 コイツらゴミクズどもと!

 向き合うつもりがないからに決まってる!

 不埒な感情を向けられないようにに決まってる!

 このからだが穢れないようにに決まってる!


 シスターのからだは!

 ぜんぶ神様のため!

 わたしは貞淑だから!

 浮気なんてぜったいしない!

 すべてを神様に捧げてる!


 だから!


「穢すなぁぁぁ!わたしの!愛をぉ!穢すなぁぁぁあああ!」


 わたしは!


 世界の地図を書き換えた!


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