センドウシャ
人類が踏み出した。
神話への1歩は。
万有引力の法則と呼ばれた。
この万有引力の法則の画期的なところは。
人間が感覚的に理解できる範囲で。
ほとんどの事象が説明できるところだろう。
そう。
ほとんどだ。
残念ながらすべてではない。
光の領域に人類科学が触れたとき。
ニュートン力学では説明できない現象が起こる。
それを説明するには1人の天才の登場を待たなければならない。
ご存知アインシュタインの。
相対性理論が光の世界への導き手となる。
もしもSFが好きなら。
少しだけ身近な理論かもしれない。
いわく、光速を超える乗り物はタイムマシンとなる。
いわく、時間の流れは一定ではない。
よく耳にするけど意味がわからないという方のために。
かんたんな説明でもしようか。
持てるものの義務、ノブレスオブリージュといったところだ。
考えをまとめるのにもちょうどいい。
まず。
光速を超える乗り物は、なぜタイムマシンとなるのか。
光の速度は秒速約30万kmという。
実はこれを覆す仮説もあるがまぁ本筋ではないのでおいておく。
この速度は地球を1秒で。
7週半できる速度となる。
それなら気付くだろう。
日本が昼の12時なら。
イギリスはロンドンの時刻も12時か。
そんなことはない。
それならロンドンは午前3時だ。
お昼の12時とは簡単に言えば。
その地域で太陽がもっとも高く登る時刻のことだ。
だから地域によって時刻は変わる。
地球をスイカでも分けるみたいに。
自転する軸にそって24等分すれば。
その線が1時間ごとの時差を現してる。
例えば。
日本と時差が4時間ある地域。
ちなみに国としてはインドが該当する。
ここに荷物を送ったとしよう。
あ。
間違えた。
必要な荷物と間違えて。
人に知られたら死にたくなるような。
黒歴史ノートを送ってしまった。
すわ一大事。
こんなとき。
光速に到達する乗り物があればどうなるか。
日本から送られた荷物が到達する前に。
自分が先回りして回収できる。
日本の4時間前のインドに到着することで。
………おかしいことに気付いただろうか。
この理屈でいえば。
日付変更線をさかのぼるように。
ずっと光速で進み続ければ。
いずれ日付を越えて。
やがて過去にたどり着く事になる。
逆に日付変更線の通りに進み続ければ。
それはやがて未来へ到達する。
これがかの有名な。
光速を超える乗り物はタイムマシンとなる。
の説明だ。
感覚的におかしいと思うだろうが。
理屈の上ではそうなる。
知識で未来を切り開く者は。
こういう狂気にたどり着く。
そして人類はめぐりあう。
時空は一定ではないという。
とても信じられない真実へ。