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暗黒聖女ソーフェミニ物語  作者: 忠柚木烈
破軍背負う暗黒聖女
33/74

センドウシャ

 人は常に求めてきた。

 普遍にして不変の恒久的事象。

 すなわち真理を。


 古きにおいて真理は宗教的価値観に根差していた。

 おおむね荒唐無稽といっても過言ではない。

 いわくアホの神とやらは。

 大地を固定したと語ったらしい。

 いまどき天動説なんて。

 小学生ですら誤りだと知ってる。


 つまりかのうろんな神とやらは。

 小学生未満の叡智を誇るらしい。

 その浅はかさで完全無欠を名乗るとは。

 厚顔無恥の間違いじゃないのか。


 しかも原罪などといって。

 ありもしない罪を被せる。

 冤罪の間違いだろう。


 まぁそんな完全知欠で完全恥欠で完全無潔な。

 神とやらは人類の発展を妨げるだけだ。

 人類の発展を支えたのは常に学者たち。

 本物の叡智をもって道を切り開いたものたちである。


 おもに学者たちが勝ち取った叡智は。

 3段階に分類できるたろう。


 まず世界を切り開いたのは。

 たったひとつのリンゴ。

 万有引力の法則。

 ニュートン力学の登場である。


 ちなみに勘違いされては困る。

 ニュートンはただリンゴが落ちるのを見て。

 物は上から下へ落ちるんだ。

 とだけ思ったわけではない。


 リンゴに働いた力の。

 その正体を高度に解き明かし。

 もっと普遍的で不変的な。

 あらゆる事象を説明できる。

 新たな理論を体系化したことにその功績がある。


 実際にわれわれが普段。

 生きていて実感できる範囲では。

 このニュートン力学はすんなりと受け入れられるだろう。


 科学万能世紀が到来しても。

 数百年経ってもなお信頼できる。

 偉大な理論体系の構築。

 まさしく偉業と讃えられるべき所業。


 妄想を書き連ねただけの。

 うろんな聖書とやらなど比べるべくもない。

 そのときの政治と社会情勢と教会権力と。

 何より受け取り手の解釈に左右される。

 そんなものの何が不変の真理か。


 知恵あるものが聖書とすべきは。

 本物の不変の真理が記された書物。

 すなわち物理学書である。


 正しく解き明かされた物理法則は。

 世界のどこであろうと。

 宇宙の果てだろうと。

 必ず通用するものである。


 ちょっと遠い場所へ行ったところで。

 世界のルールは揺らがない。

 例えそれが。


 異世界であろうと。


 完全無欠の神とはすなわち。

 完全無欠の理論構築を行った。

 偉大な知恵者に送られる称号だろう。

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