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暗黒聖女ソーフェミニ物語  作者: 忠柚木烈
暮れなずむ犠牲者
15/74

ドキドキする暗黒聖女

 はい!

 美少女ナックムアイ(タイ語でムエタイボクサーの意)!

 暗黒聖女ソーフェミニ!

 暗黒クレイジー教会の元へ!

 華麗に潜入中!


 手に汗にぎる!

 本格スパイアクション!

 今もにじみ出る緊張感とともに!

 足組んで優雅にお茶してるとこ!


 お客様待遇でくつろいでます!

 ずずーっ(茶しばく音)!

 ちなみにお茶セットは持ち込み!


 暗黒クレイジー教会が!

 出す物なんて怖くて飲めないし!

 えらい人のフケが浮いた水とか!

 そういうのを出されたらヤだし!


「ふぅ………」

「………」

 休みの日の朝ぐらいの緊張感で!

 敵地に舞い降りた暗黒聖女たち!


 さっそく役立ったな!

 暗黒シスター服!

 なんでこんな!

 暗黒クレイジー仲間って!

 アピール激しい服を着てるのか!


 シスター服を着てないわたしは!

 空力特性と素敵性能が高いだけの!

 ただのアスピナ系美少女ロリータちゃん!

 暗黒シスター単機でも敗率は殆どありません!

 そんなわたしは!


 無所属!

 無官位!

 無識別!

 無秩序!

 無分別!


 とにかく立場とか!

 権力とか権威とか!

 バックとかがない!

 抜き身のソーフェミニ!

 駅のホームですっぽんぽん!


 人と折衝する度に!

 いちいちいちいち!

 自分がどんな人間って説明しないと!

 交渉の場に立つことすらできない!


 そんな懸念を解消するにはどうするの!

 そんなときこそ暗黒シスター服でしょ!

 見ず知らずの相手の言うことは聞けなくても!

 特権階級の相手の言うことは聞けるでしょ!


 暗黒クレイジー教会は!

 この世界最強最悪の!

 暗黒クレイジー集団!

 どんぐらい怖いかって言ったら!

 共産主義国の秘密警察ぐらい怖い!


 西に異教徒あれば袋叩き!

 東にこどもあれば拉致洗脳!

 北に悪魔崇拝者あればジェノサイド!

 南に密告あれば即処刑!


 暗黒クレイジー教会は!

 全人類の進歩と発展を妨げるため!

 日夜精力的に活動中!

 血生臭いことはおまかせ下さい!

 経験豊富なプロがお望みの殺戮をお届け!


 この暗黒シスター服と!

 暗黒ホーリーシンボルは!

 そんな暗黒クレイジー暴力集団の!

 構成員であることを示す!


 警察官の警察手帳!

 弁護士の弁護士バッジ!

 議員の議員バッジ!

 少年探偵団の探偵バッジ!

 教会のシスター服!


 要はシスター服を着てたら!

 一目で「やべぇ奴」なのがまるわかり!

 パッと見ロリータでも!

 簡単に侮るやつはいない!


 そしてそんな暗黒クレイジー組織に!

 疑われることなく潜入できる!

 いろんなとこでお役立ちな服!


 なんど投げ捨ててやろうと思ったことか!

 この暗黒ロザリオ!

 武器として使うからいいけどさ!

 いざってときは!


 ボールペンは護身術の基本!

 にぎりこんでただ突き刺す!

 それだけでかなり痛い!

 暗黒ロザリオもそうやって使う!

 対人戦のかくし球ならまぁ悪くない!


 背中にくくりつけた暗黒暗器イビルウィルと!

 首から下げた暗黒ロザリオは!

 両方武器として使う!


 これと服とか靴とかに!

 一見わからないように!

 縫い付けてある鉄板!

 これが暗黒聖女の装備一式!


 そして!

 わたし自身の戦闘能力!

 ローキックの切れ味を!

 君らのからだで味わうがいい!




「何するんだろうね、ローラちゃん?」

「うむ」

 とりあえず部屋に通されて!

 やることもないから!

 もぐもぐとバナナを食べてます!


 手にしたバナナが!

 17房に届いたとき!

 わたしたちの間に!

 緊張感が走る!


「ローラちゃん!」

「あぁ」

 バナナに伸ばした手が!

 タイミング悪く重なる!


「ん」

「あんがと!」

 ローラちゃんがバナナを半分こにしてくれる!


「なかよし!」

「なかよし」

 友情とバナナを分かち合う!

 緊張は去った!


「お茶注ぐね!」

「あぁ」

 ずずーっ!


「「あぁー………」」

 ふたりで息を吐く!

 そろそろ食したバナナが37房になる頃!


「いつまで待たせるのかな?」

「うむ」

 部屋に通されてから!

 なんの連絡もない!


 美少女優遇って書いてあったけど?

 美少女ふたりでこれなら?

 ブサイク100人ならどうなってたんだろ?

 室温1兆度ぐらいの部屋で100叩きされるとか?


 プロフェッショナルな世界では!

 ブサイクというだけで膝蹴りされる!

 バカヤローとエルボーされる恐れもある!

 プロの世界はかくも厳しい!


「暇!」

「うむ」

「なんかしようローラちゃん!」

「うむ」


 わたしはわくわくの申し子!

 楽しいことをするために生まれてきた!

 退屈なんて大嫌い!

 今すぐ大好きなあの人の元へ駆け出そう!

 ドキドキワクワクは年中無休!


「しりとりしよう!」

「わかった」

「じゃあ最初はソーフェミニのモ!」

「ん?モ?」


 初手から混乱させて!

 ペースをかきみだす!

 これぞソーフェミニ流しりとり術!

 今考えた!


 ソーフェミニ流しりとり術は!

 流派が興って300暗黒聖女年の!

 格式高い実践派!

 (※暗黒聖女年…時間を表す独自の単位。共通時間への換算方法は不明)


 その創設以来無敗を誇る!

 無敵の流派でもある!

 (※ただし通算勝利数もまた0)


「テーマは嬉しい言葉ね」

「うむ」

 ただ無制限に!

 しりとりなんてしても仕方ない!

 特定テーマに沿ってレッツプレイ!


「もうあなたのことしか考えられない」

 まずはジャブ!

「いっそあなたを殺して私も死ぬ」

「スターップ!スタップよ!ローラちゃん!」

 法定速度を軽く100キロはオーバーしたよ!今の!


「どうした。フェミ」

「どうしたじゃないよ!言われて嬉しいの!?そんな暗黒クレイジーサイコパスセリフ!」

「愛が深そうだろ」

「闇が深そうだよ!」


「うまいな」

「うまくないよ!っていうか!『彼女のこと、幸せにしなかったら許さないからな』とか!部外者なのに謎の上から目線だったり!そういう相手を無視した言葉は嫌いだよ!」


「そうか。ダメか」

「だめ!レッツリトライ!」

「いくらでも使っていいぞ」

「む!何を使っていいのかわかんないけど!わたしのハートオブ乙女がビートしてる!合格!」


 ふたりの戦いの審査員は!

 胸の奥にしまった乙女器官!

 正確無比な乙女センサーが!

 反応したらそれが正解!


「じゃあ、いいぞのゾ!………ゾ?人類有史以来!ゾで始まったロマンチックなんてあるの!?」

「負けか。フェミ」

「わたしは負けない!」

 ココアはバンホーテンのものを使用しているな!


「ゾ………」

「ゾ?」

「ゾンビ」

「あるのか。ロマンチック。ゾンビに」


「ない!」

「アウト」

「ぬがー!」

「がんばれ」


「ゾ………」

「ゾ?」

「ゾッコンラブラブ今すぐホテル行こうや」

「………」


 思わずローラちゃんが黙る!

 やっぱダメか!

 なんかセリフからにじみ出てたし!

 脂ぎった中年オヤジみたいな必死さが!


「ヤ、だな」

「………」

 セーフ!

 ガバガバ判定で助かった!


「やらないか」

「うほっ!いいローラちゃん!」

「カ、だぞ」

「4096ハートビート!嬉しい言葉と認めるしかない!」


 ついつい反応しちゃった!

 瞬間最大風速で追い風が吹くんだ!

 知ってるセリフで返せるってチャンスに!

 今の俺は人間火力発電所だ!とか言ってみたい!


「金ならいくらでもある」

「うむ。ルだな」

「ルだよ」

 特に議論も起こらない!


 嬉しいでしょ?

 そのセリフを聞く立場って?

 恩恵を受ける側はもちろん?

 第3者でも?

 そんな成金セリフ聞けたら?


「ル」

「ル!」

「ル」

 ル攻めはしりとりの基本だよね!

 ローラちゃんも困ってるみたい!


「ルー」

「ランラン?」

「ルー」

 うん!満足!


 ローラちゃんは置いておいて!

 しばらくルールー言ってるみたいだし!

 わたしはひとつ思い出してた!


 この街の名前は知らないけど!

 何が起こるかは知ってんだよね!

 まぁ大したことは起こらない!

 たかが2番目に来る街だし!


 じゃあ何が起こるのか!

 廃教会跡地で!

 幽霊騒動が起こる!

 まぁ使われなくなった建物に住む!

 野性動物とか盗賊もいたけど!


 ここは暗黒クレイジーファンタジー世界!

 ホントに騒動の原因は幽霊!

 ボスの幽霊を倒してイベントは終了する!

 リアルオカルト体験!


 どう考えても!

 ココなんだよね!

 その幽霊騒動があった教会って!


 暗黒聖女活動を!

 わたしが始めたのは!

 原作より先駆けること数年!


 そして!

 この教会が使われなくなって!

 新しい教会が建てられたのって!

 原作から数年前のこと!

 だったはず(うろおぼえ)!


「ルール無用」

「嬉しいの?そのセリフ?」

「嬉しくないか」


 君のことを想うと………ルール無用だよ!


「ときめかないし!血はたぎるかも知れないけど!」

「む。そうか」


 さては血のたぎりを!

 超乙女的心拍と勘違いしたな!

 ハートは超精密高感度センサー!

 ただし若干ポンコツ!

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