再会する暗黒聖女
ローラ・ランドリラ！
森とともに生きる種族「森の賢者」！
そんな１部族がランドリラ！
部族の名前になってるとおり！
ローラちゃんは族長の娘！
整った顔と！
輝く金の髪と！
桁違いの小顔と！
長身の体躯を持つ！
ファンタジー世界を愛好するなら！
エルフという種族を！
真っ先に連想するだろう！
森の賢者は総じて温厚！
争いを好まない性格！
だけど！
戦いが必要なら避けはしない！
その戦闘力を余すことなく発揮する！
そんな彼女が！
完全武装の姿で！
わたしと対峙してる！
………完全武装でも軽装だけど！
ローラちゃんは過剰な装飾や厚着を嫌う！
凪いだ海みたいに冷静な青い瞳！
記憶にあるままの姿で！
わたしを見下ろしてる！
ローラちゃんは上背がある！
わたしと並べば！
大人と子ども！
わたしが暗黒クレイジー勇者を虚仮にできるのは！
フィジカルの差がないから！
わたしロリータあいつショタ！
ならわたしの人間性能で圧倒できた！
だけどローラちゃんは同じようにできない！
そのリーチ差・ウェイト差は圧倒的！
逃げながら魔法スキルも無理だと思う！
歩幅１つとっても違うし！
フィジカル差の影響は！
あらゆるとこに出る！
しかも戦う場合ローラちゃんは！
決着を急ぐ必要もない！
暗黒クレイジー勇者との初戦で！
邪魔が入ったみたいに！
増援を待てばいい！
決定打なしに？
ローラちゃんを速攻で倒す？
そもそも？
「………」
変わらず佇むローラちゃんを見る！
ローラちゃんは友達だ！
記憶を取り戻す前！
親から引き離されて！
寂しくて泣いてたわたしに！
おいしい果物をくれて！
黙ってそばに居てくれた！
ローラちゃんはやさしかった！
「そんなの………そんなのできないよ」
親兄弟はいない！
捨てられたし！
育ての親は暗黒クレイジー狂信者！
あんなのいらない！
でも！
だから！
無償の愛！
それがどんなにすごいことか！
わたしにはわかる！
ローラちゃんがどんなにすごいか！
わたしほどわかる人はいない！
「わたしはローラちゃんの親友だーっ！」
ローラちゃんには目もくれず！
現存する脅威目標！
暗黒クレイジー勇者を！
この手で葬り去ってやる！
アイツさえ倒せば！
この場に乱入してきたローラちゃんとも！
戦う必要はない！
あとは離脱すればいい！
「うなれ！暗黒暗器！イビルウィル！」
暗黒ホーリーシンボル！
邪悪な十字架に！
溢れんばかりの友情をこめるんだ！
わたしが！
ローラちゃんを！
大切に思ってるなら！
今！
この瞬間！
限界をオーバーリミッツするんだ！
十字架を全力テイクバック！
究極フルスイング！
１００％純粋物理攻撃！
鉄の棒で殴打されて！
死なない人間がいてたまるかー！
だけど！
だけど！！
奇跡なんか！
起こらなかった！
ローラちゃんは！
まっすぐ走ってきた！
暗黒クレイジー勇者を挟んで！
わたしの打撃が伸びる先！
わたしと対峙する位置に！
わたしより！
暗黒クレイジー勇者を葬り去るより！
ローラちゃんが！
速い！
ローラちゃんの！
その手の凶器が！
助走を付けて！
振るわれる！
間に合わない！
助走を！
ウェイトを！
すべてを載せた！
全力ローラちゃんパンチが炸裂！
「ほげーっ！？」
………暗黒クレイジー勇者の後頭部に！
くるくる回りながら宙を舞う暗黒クレイジー勇者！
まるでダンプカーにはね飛ばされたみたいに！
そのわずかな時間に
ローラちゃんとアイコンタクト！
（恋の呪文は？）
（スキメキトキメキス）
（男は誰も？）
（ロンリーソルジャボーイ）
（千年眠る街は？）
（ウィンディプレイン）
通じあった！
それなら！
ローラちゃんの攻撃がファーストヒット！
暗黒クレイジー勇者の体は！
フルスイング準備バッチシの！
暗黒聖女の元へ！
「神聖ジェノサイドブレイバー！！」
ぶるああああああああああっ！
烈迫の気合いとともに！
全力フルスイングエネルギーを解放！
「弾けて混ざれ！」
バチコーン！
………キラッ☆
暗黒クレイジー勇者を！
お星様へコンバート！
手にした十字架！
暗黒暗器イビルウィルを！
西部劇のガンマンみたいにガンスピン！
バトンみたいにくるくる回す！
「愛と！」
ローラちゃんに視線を送る！
「友情と！」
応えてくれるローラちゃん！
「酒と！」
「ツマミと！」
「わたしと！」
「おまえ！」
この世の別ちがたいものを並べて！
お互いの友情を確かめあう！
「ローラちゃーん！」
「フェミ！」
たまらず抱きついたら！
わたしの愛称を呼んでくれる！
見たか！
暗黒クレイジー教会！
暗黒クレイジー勇者！
暗黒クレイジー邪神！
オリハルコンより固い女同士の友情を！
するするする！
登り棒みたいに！
ローラちゃんの体を登る！
うん！
見晴らしがいいぞ！
ローラちゃんの肩の上！
推定身長180cm！
推定体重200kgはだてじゃない！
そう！
何を隠そう！
推定体重200kg！
推定パンチ力1t！
好きな食べ物はバナナ！
森の賢者ローラ・ランドリラちゃんは！
ローランドゴリラに匹敵する身体スペックと！
ローランドゴリラに匹敵する体躯と！
ローランドゴリラに匹敵する肉体を持つ！
要するに！
森の賢者という名前と！
金髪っていう情報で！
「可愛いエルフかと思った？残念！ゴリラちゃんでした！」をするために制作の作った種族！
それが森の賢者！
原作に登場する種族だけど！
このとおり１発ネタだから！
ストーリーでは１回しか出ない！
当然！
仲間キャラでもない！
「どうしてローラちゃんがここに？」
「ヒト来る。行こう」
親友との再会すら邪魔をする！
暗黒クレイジー教会許すまじ！
そもそもローラちゃんが！
なんで教会にいたのか！
それは虚飾を取り払っていえば！
人質としてだった！
暗黒クレイジー教会の！
暗黒クレイジー聖書曰く！
人以外の種族は！
すべて人に仕えるために存在する！
オォ！暗黒クレイジー傲慢！
そして！
純粋な人族以外の亜人は！
人に含まれない！
それが聖書原理主義者の主張！
その聖書原理主義は！
暗黒クレイジー教会の！
暗黒クレイジー多数派を占める！
ローラちゃんは恭順を示すため！
部族の安全保証のため！
単身その身を暗黒クレイジー教会に預け！
暗黒クレイジー軟禁状態になっていたらしい！
おのれ！
卑劣な暗黒クレイジー教会！
うら若き乙女になんたる仕打ち！
おかげでローラちゃんと会えたけど！
だからって親友の受けた無体は見逃せない！
「だが。同胞たち。攻撃。受けた」
森の賢者に備わる秘匿通信技術！
その名もピピピドラミング！
ヒトの可聴領域を越えた！
魔力的ドラミングが！
苦楽を共にした同胞の危機を伝える！
暗黒クレイジー二枚舌外交で！
暗黒クレイジー教会は森の賢者を裏切った！
それは誇り高き族長の娘！
パンチ力1tのローラちゃんを！
荒ぶる戦士に変えた！
同じく暗黒クレイジー教会を離反した！
暗黒聖女とともに戦う戦士へと！
今！
反抗が始まる！
たったふたりの戦いが！
「ローラちゃん」
「どうした」
教会から離れつつ！
わたしたちは今後の打ち合わせをする！
「ローラちゃんの仲間は大丈夫なの？」
「大丈夫だ。撃退した」
超頼もしいな！
急いで助けに行かなくちゃ的展開じゃないのか！
まぁパンチ力1t！
そんなスーパーフィジカル！
簡単にどうこうできないか！
けど！
「だが。長くはない」
「うん」
ローラちゃんは楽観視しない！
わたしもそれに同意する！
一度失敗した程度！
１００や２００のつまずきじゃ！
望み捨てないあきらめない！
それが国教で最大勢力な暗黒クレイジー教会！
一度でダメなら！
軍備を整え再出撃！
アイツらが勝手に認定した異端を！
この世から消すために紛争すら起こす！
オォ！暗黒クレイジー聖戦！
勝てない戦力を小出しに浪費する！
そんなバカばっかじゃないに決まってる！
今度戦いになったらそのときは！
森の賢者を根絶やしにする気に違いない！
時間の猶予は！
暗黒クレイジー教会の戦力再編まで！
再編の準備が終わったとき！
暗黒クレイジー教会との全面戦争の幕開けだ！
「勝つよ！ローラちゃん！」
「勝つぞ。フェミ」
ローラちゃんの肩の上に座って！
見上げてきた視線に頷く！
暗黒クレイジー教会！
わたしたちは負けない！
暗黒クレイジー悪逆非道！
わたしたちは許さない！
星から星に泣く人の！
涙背負って宇宙の始末！
暗黒聖女ソーフェミニ！
お呼びとあらば即参上！
