再会
「ああ……くっそ暇だ……」
家具を買いに行った翌日、ウェルは特に何もすることがなく、これからどうしようか悩んでいた
「学院の準備って言っても昨日全部終わらせちゃったからな……」
「まぁ、このままずっとここで悩んでいても時間の無駄だし、一回外出てみるか」
……ということで、大通りでやっていた市場に来た。やはり、帝都なだけあってひとはいっぱいいるみたいだ。
「あ、そのぶどうジュース下さい」
「はいよ、3アラド銀貨ねー」
「はい」
「まいどありー」
ぶどうジュース片手に市場をうろついていた。すると、焼き鳥の店が出店していた
あれ、うまそうだなーとウェルが思いながら歩いていると、ドスッ!!と、身体に衝撃が走った
どうやら、人に当たってしまったようだ
「大丈夫ですか?」
当たった相手は転んでしまっていたので、手を差し出した
「ああ、大丈夫です。ってウェル!?」
「ん?ってダリウス!?」
ダリウスとは、ウェルの幼なじみでかなり長い付き合いだ
「ダリウス、お前こんな所で何してんだ?」
「ウェル、お前こそ何してんだ?」
「俺は、帝都の探索をしているだけだぞ。学院は明日から始まるからな」
「それじゃあダリウス、お前もアラド学院へ転校なのか?」
「ああ、っていうことはウェル、お前もか?」
「ああ」
ダリウスもこっちに転校なのか……それじゃあダリウス以外にも同じ学校出身の転校生がいるかもな
「ダリウス以外にも、同じ学校出身の転校生いるのか?」
「わからんな……俺以外にも同じ学校出身の転校生がいることなんて今さっき知ったしな……」
ダリウスも知らないらしい。まぁ、明日になればわかることだし、今知らなくてもいっか。歩き疲れたウェルとダリウスは近くにあったベンチに腰掛けた。ぶどうジュースもあと少しで無くなりそうだ。また、あとで買ってくるか……
時計を見ると、もう夕方の5時を少し過ぎていた。
「やっべ、家具が家に届くまであと10分もないじゃん!?悪いダリウス、また明日な!」
ウェルは今日の夕方5時15分に家具が届くのを忘れていた。今いる所から寮まで走って8分ぐらいの距離だ。ウェルは全速力で走った。そのおかげでウェルは時間に間に合った。が……
「あ、ぶどうジュース買うの忘れてた」
と、少し落ち込むことになってしまった……
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