ウェルの魔法
翌朝、ウェルは朝早く寮を出て、アラド学院に向かった。アラド学院は寮を出て徒歩2分だからとても楽だ。少し歩くとサーチル学院長が正門で待っているのが見えた。
「おはよう、ウェルくん。昨日はよく眠れたかい?」
「はい、おかげさまで。布団は明日にでも洗って返します」
「布団は君にあげるよ。それじゃあ、用事を済ませようか。付いてきてくれ」
「わかりました」
正門を通るとまだ一部壊れているアラド学院が見えた。まだあの事件の傷痕が残っているようだ。あの事件というのは、アラド学院ボイコット事件という事件で、ボイコット参加者のアラド学院一年生のほとんどが退学になった。その影響で、ウェルはアラド学院に転校することになったのだ。
しばらく付いていくと少し大きめの水晶玉のある部屋に着いた。
「ウェルくん、今から君の基本的な情報と魔力の属性、今使える魔法が何か調べる。水晶玉に手を触れてくれ」
ウェルは水晶玉に手を触れた。その状態で1分ぐらい経っただろうか、水晶玉の上に検査結果が出た。
名前 ウェル・クラウス
年齢 17歳
魔力属性 闇
使用可能な魔法 マテリアル・チェンジ(古代魔法)
「やはり、古代魔法か……」
ウェルは驚いていた。自分が古代魔法を使えるということにではなく。自分の魔力属性が闇であることに……
「思いっきり魔王側の魔力属性じゃん!?」
「落ち着いて、ウェルくん。確かに魔王側に魔力属性が闇の者は多い。だが、魔力属性が闇の者全員が魔王側ではない。だから、お願いだから落ち着いて!」
サーチル学院長の必死の励ましによって落ち着いたウェルだった。
「3日後から学校が始まるので、明日、明後日で準備をしておくこと。ああ、そういえば君のクラスは1年C組だ。家具については壊してしまったこちら側のお詫びとしてお金を出すからそれを使うといい」
「はい、わかりました。そして、お金ありがとうございます。大切に使わせていただきます」
こうしてウェルはサーチル学院長と別れて寮に帰るのであった……
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