説得するために
なんか今回は字数がいつもより遥かに短くなってしまいました。
すいません!
「『アランディーク』が襲われたんです。それで『アランディーク』を取り返すためにはもっと戦える人が必要なので来てくれる人を探しに来ました」
「なら、他の学院の学院長とも話し合わないといけないな」
ウェルがサーチル学院長に『アランディーク』であった出来事を説明すると、サーチル学院長は少し考えるとそう言った。
「でも、魔王フィンは人間に敵対心を持っていないって事を他の学院の学院長は知ってるんですか?」
「いいや、おそらく知らないだろう」
魔王フィンが人間に敵対心を持っていない事を知らなければ当然反対されるだろう。下手をすると、裏切り者というレッテルを貼られるかもしれない。
「なら……」
「その時のために、ある人を呼んでおいた。来てくれ」
ウェルが話そうとすると、サーチル学院長はその言葉を遮るようにそう言った。すると、木の陰から一人の男が現れた。ウェルはその男を見ると動きを止めて唖然とするしかなかった。
「兄貴!?」
そう、その男はウェルの兄だった。
「よっ、ウェル、元気にしてたか?」
「うん、元気にしてたよ……じゃなくて、なんで兄貴がここに居るの?」
ウェルは動揺している心を落ち着かせる。
兄は『帝都アラド』の近衛騎士をウェルの父親としているはずで、ここにいるはずがないのだ。
「そりゃあ、他の学院長を説得するためさ。忘れたか?俺の使える魔法」
「いや覚えてるよ。『瞬間移動』『時間遡行』『気配隠蔽』の3つだよね……まさか」
ウェルは兄が使える魔法を言うと何か察したように目を見開かせる。
「そのまさかだよ」
すると、ウェルの兄は笑顔でそう言った。
説得するために を最後まで読んでいただきありがとうございます。もし何か思うことがありましたら、感想やアドバイス、評価、ブックマークなどお願いします!