帝都アラドへ
「大丈夫なのか?帝都アラドは今、魔族に対する反発が凄いぞ」
ウェルはラーダに心配そうに聞く。
「大丈夫だよ。うちの魔王様は人族に敵対心がないって知っている人族もいるから。今のアラド学院の学院長は誰?」
ラーダはそのウェルの問いかけに大丈夫と答え、何故かアラド学院の学院長の名前を聞いてきた。
「サーチル・バルトって言う名前の人だ」
ウェルは学院長の名前をラーダに教えると、納得したように頷く。
「なら大丈夫。その人にうちの魔王様の名前と用件を言えばきっと協力してくれる」
「わかった」
正直、ラーダが本当の事を言っているのかは分からないが、今疑っても何にもならないだろう。
「おーい、ウェルー!何があったんだ?」
ウェルが出発しようとした時カイト達がウェル達に追いついて『アランディーク』前に到着した。
「実はな、今日の会談を狙って他の魔王が『アランディーク』に攻めてきたんだ。で、俺は今から『帝都アラド』に協力を求めに行く」
「そうか、なら俺も行く。良いですかラーダさん?」
ウェルが一通りカイトに何があったのかを説明すると、カイトはウェルについて言っても良いかと、ラーダに聞く。
「うん、良いよ。出来るだけ1人で行動するのは避けて欲しいからね。どこに、敵が潜んでるかわからないから」
「それじゃあ行くか」
ラーダからカイト同行の許可を得て、『帝都アラド』に向かおうとする。
「待ってウェル君達、魔方陣のところまで『瞬間移動』で送るから」
ラーダは、出発しかけたウェル達を引き止め、『瞬間移動』でウェル達を転移魔法陣の元へ送る。
「ウェル君はここから『アランディーク』までの道のりは分かるよね?」
『瞬間移動』で着いた所はウェルが一回、通ったことのある、2週間前、『アランディーク』に向かっていた時に使用した魔方陣だった。
「ああ」
ウェル達は、魔方陣の上に乗り転移魔法を発動させる。
「それなら大丈夫だ……それじゃあ頑張って連れてきてね」
そして、転移魔法が発動し、転移する瞬間ウェル達に祈るようにそう言った。
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