魔王からの手紙
夜が明けてウェルが朝食を食べていると
「ほら、あんたに届けものだよ」
と、アイダがウェルに封筒を渡してきた
「ありがとうございます」
受けるは受け取って見ると差出人は魔王からだった
中身を確認しようとした時にふと、魔王がウェルが泊まっている所を知っているのに疑問を持った
「なんで、俺の泊まっているところを魔王様が知ってるんだ?」
「なんでって、私が教えたからに決まってるからじゃないか、魔王城からきた手紙にはあんたの泊まっている場所を手紙に書いて魔王城に送り返すようにとも書かれていたからね」
その疑問をアイダに聞くとアイダはさも当たり前かのように答えた、その答えを聞くとウェルは泊まっている所を教えないと手紙が出せず、ウェルが入軍試験について何もわからないままになることを理解してアイダに感謝を覚える
「へぇ、今年も入軍試験は闘技場で行われるようね」
ウェルが封筒を開けて中身を確認すると入軍試験についてだった、アイダがその手紙を覗き見て少し笑みを浮かべる。
「闘技場ってどこにあるんだ?」
ウェルは闘技場がどこかわからないためアイダに聞くと
「この都市の北の郊外にあるよ、大きくて目立つからとりあえず北の郊外に行けば詳しい場所はわかるはずだよ」
と答えた、ここが城下町の南の郊外寄りの場所にあるため少し遠そうだ
ーーそして帝都アラドでは、アラド学院後でサーチル学院長か片目を閉じて何かに集中していた
「そうか、ウェルは入軍試験を受けるのか……魔王側の戦力にどんな奴が加わるのか知っておくためにも、見ておく必要があるな」
ふと、サーチル学院長がそんなことを呟くと、グレイが興味ありげに近付いてきた
「サーチル学院長、何をしてるんですか?」
「ウェル君の魔族領での様子を見ているんだよ」
グレイが何をしているのかサーチル学院長に聞くと予想だにしていなかった答えが返ってきた
「はい?」
「ウェル君の魔族領での様子を見ているだと言ったんだ、私の使い魔に隠蔽の魔法をかけてウェル君について行かせたんだ」
グレイはその答えが聞き間違えでないことに驚きを隠せずに目を見開く
「隠蔽の魔法なんていったい誰が使えるんですか」
少し経ってグレイがサーチル学院長にそう聞く、隠蔽の魔法は決して珍しいものではないがグレイのか知る人の中に隠蔽の魔法を使えるものがいないからだ
「ちょっと知り合いにね、1人使える人がいるんだよ」
「……サーチル学院長の人脈どんだけ広いんだよ……」
サーチル学院長が少し訳ありげに笑みを浮かべてそう答えた。
グレイは人脈は多い方のグレイでも知らない人と知り合いのサーチル学院長の人脈の広さを想像していた
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