サブストーリー 『グレイ水泳特訓記』2
「よし、まずはクロールの練習からだな、まずは僕がやってみるから見てくれ」
「おう、わかった」
グレイが頷くとウェルは海に入りクロールを泳ぎ始めた
「足の動きはバタ足のまま、手で水を掻く、掻かない方の腕は伸ばす」
ウェルはクロールをしながらクロールのコツを説明していくグレイは説明された通りにやろうとして泳ごうとしたがすぐ出来るようになるわけもなく、案の定、溺れていた。ウェルも再びグレイを海から引きずり出す
「ゲホッ、ゲホッ!はぁ…はぁ……悪りぃ、助かった」
グレイが死にかけている間ウェルは今のグレイの問題点を考える。ウェルはまずグレイが上手く水に浮けていなかったため、『マテリアル・チェンジ』を発動して近くにあった木の枝から浮き輪を作り、グレイに渡す
「この浮き輪を腹の下に入れて入れてやってみてくれないか」
「わかった、やってみる」
グレイは浮き輪を腹の下に入れて泳いだ。ぱっと見泳げているように見えたが、全く体が前に進んでいない。
「よっしゃー!出来てる、俺は遂にクロールが補助ありだけどできるようになったぞー!」
グレイは自身が前に進みたいないのに気づいていないのかとても嬉しそうに叫んでいた。だが、泳げていないのでウェルは心を鬼にしてグレイに
「いや、グレイ、今、自分がいる場所を見て、全く変わってないよ」
と、言う。その時、
「ウェル君達は何をしているのですか?」
エマとラミアがウェル達に聞いて来た
「グレイの水泳の練習だよ。グレイ、泳ぎが苦手らしくて……」
と、ウェルがそう答えると、グレイが
「ウェル、言わないでよ。恥ずかしいじゃん」
と慌てた様子で言う
「何が恥ずかしいのよ?世界中には泳ぎが苦手な人は星の数ほどいるんだから、別に泳ぎが苦手な事はそう珍しくないわよ」
「そうですよ、グレイ君、元気出してください」
二人がグレイを慰めようとする。ウェルはグレイがこのまま泳げないのもいけないのでエマとラミアにもグレイの水泳の練習へ協力を頼む
「いい考えがあるわ、確かエマ、あなた水の魔法使えたわよね?」
「うん……」
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