サーチル学院長からの頼み
「そして、今呼ばれなかった者は後で私のところへ来なさい」
呼ばれた人はグレイ、ダリウスの二人と綺麗な金色と透き通った赤色の目をした女の子だった。
「君たちはウェル君とチームなんだが……実は理由があって今寮に引き篭もってしまっていてね。君達にウェル君を連れ出して欲しいんだ」
「理由?」
女の子はウェルが誰かわからなそうであった。そして、グレイやダリウスはサーチル学院長に理由を聞いていた。
「それは……あまり言いふらしたくないんだけど……実はね、ウェル君、外道魔法の『ネクロマンス』に目覚めてしまったんだ。仲の良いグレイ君や幼馴染のダリウス君は何故それで引き篭もってしまったのかわかるだろう」
「はい、わかりました……」
「すみません、ちょっといいですか」
理由を聞いて悲しくなっているグレイとダリウスの返事の後、女の子がサーチル学院長にそう言った。
「ああ、なんだ」
「サーチル学院長は五人一組でチームを組んでいました。ですがそのウェルという人とここにいる三人合わせて四人しかいません。あと一人はいないのですか?」
「いるが、今日は外せない用事があるらしくてな。明日から来れるとは言っていた」
「そうですか……ありがとうございます」
女の子は納得したらしく、これ以上は何も言わなかった
「質問がなければ今すぐウェル君のところに言って欲しいんだか……質問はないようだな。それでは今からウェル君のところへ行ってきてウェル君を連れ出して来てくれ。寮へ行く途中は自己紹介でもするといい。ああ、あとその時にウェル君についてこの女の子に教えてあげてくれ」
「はい!」
そして、この後ウェルが負った精神的なダメージがとてつもなく大きいことをグレイ達は知ることになるのであった……
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