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第六話 朝食・次の目的地

今回は執筆時間が充分に取れなかったので短いです!タイトル変えることにしました!よろしくお願いします!m(_ _)m

 次の日起きた俺は、手にひっついているシエルを起こさないように気をつけながら、身体を起こして伸びをする。グーっと伸びをしてそういえば昨日夕飯食うの忘れていたな、ということを思い出す。


 今からシエルを起こして下の階に食べに行くか、と思ったタイミングでシエルがゆっくりと目を開ける。窓から差し込む陽射しに眩しそうに目を細めながら、俺の身体に頭を乗せた。


 若干寝ぼけ眼なシエルの頭をポンポンと軽く叩き、お姫様抱っこしてやると下の階へ行った。


 下の階には既に何人かの冒険者が先に朝食を摂っていた。冒険者達は俺がシエルをお姫様抱っこしているのが目に入ると、恨めしそうに凝視する。睨みつけただけで相手を射殺すことさえ出来てしまいそうな視線を、俺はテキトーにあしらい席に着く。


 テキトーに朝食を注文し運ばれてきたオーソドックスなパンやベーコン、卵、スープを口に入れる。


 シエルが俺の膝の上で朝食を摂るので非常に食べにくい。


 シエルが俺に、おかずを取って食べさせてくれる、男なら誰もが羨むその行為を何の恥ずかし気もなく行っているので、冒険者たちは俺たちをに嫉妬のこもった視線を送ることに注力し、誰もまともに食事を摂れないでいた。


 俺たちはさっさと食事を済ませると、一度上の階に戻る。俺たちの姿が見えなくなると、冒険者たちは急いで食事を再開させた。


 部屋に戻って準備をしている時に俺はあることに気がついた。制服が段々とボロボロになってきているのだ。あれだけの激しい戦闘を繰り広げていれば、耐久性能が高くない服がボロボロになったしまうのは当然。そろそろ新しい服を買わなければ。


「そういえば、シエルって確か魔法で服を作れたよな」


 俺は以前シエルが魔法で自分の服を作っていたことを思い出した。


「出来ますけど、作ってほしいんですか?」


「ああ、出来ればそれなりに耐久度が高い服を作ってほしいんだけど、出来るか?」


「丁度手元にあの魔物の素材が少し残っているので出来ますよ。この素材の使い道も特に決まっていませんでしたし、丁度いいです」


 シエルは換金の際、幾つか素材を売らずに残しておいたのだ。後々、何かしらの役に立つかもしれないと思っていたらしい。それがまさかこんなすぐに役に立つとは……。


 俺はシエルから元の制服をモデルにして服を作ってもらい、それを着込んだ。服はとても軽く動きやすい、見た目も悪くない。


 俺達はその後宿屋から出て村の出店などを見て回った。小道具から装備、食料など様々な品物が並べられている。


「んで、シエル。特訓する場所ってのは、どこにあるんだ?」


「ここから、少し進んだ先にある森です。昨日、ギルドに寄った際、カウンターの近くにあった周辺の地図を持ってきたので、こちらを見て下さい」


 地図を見るとこのセルカ村から少し進んだ先にディサフィアンテと言う森がある。どうやらその森の中心部が特訓に丁度いいのだとか。更にこの森も、例にならってそれなりに実力のある冒険者でないと中央にすら辿り着けないらしいので、国から危険地区に指定されている。


 俺達はそこに行く前に必要なものを出来るだけ買い、大きめのリュックを買ってそこに全部詰め込んだ。そこで役に立つのが空間転移魔法。これが便利な代物でいちいちリュックを開けて中に物を入れなくても空間転移で瞬時にリュックの中へ転送できるのだ。


 空間転移魔法は俺がステータスカードを手に入れたときから記されていたのだが、いつ習得したのかは全く分からない。もしかしたらこの能力が、俺がこの世界に召喚された際に手に入れた能力だったのかもしれない。


 この魔法が上手く使えるようになれば、街と街の行き来など、移動手段に困ることが無くなる、と俺は使い道に考えを巡らせた。


 途中、シエルが物欲しそうな目をしながら魔力回復アイテムとして販売されていた棒キャンディーを眺めていたので、それを五、六本買ってやった。シエルはその飴をとても気に入り今も口で飴を咥えている。


 そうして歩いていると、目の前に身長二メートルはゆうに超える大男が行く手を塞いだ。大男は俺達を見下ろすとバカにしたように笑い、大声を上げる。


「おいおい、うちの可愛い手下がやられたと聞いたからどんな奴かと思って来てみれば……ただのガキどもじゃねーか。一応聞くが、お前ら昨日うちの手下をボコした奴で間違いねぇよな?」


「ボコした、ですか?向かってきたのはそっちの方ですし、それで返り討ちにされたのは自業自得だと思いますけど。そんなことより私たちの邪魔しないでもらえますか?殺しますよ?」


 昨日の出来事に続き、今日も面倒臭いやつに絡まれ、挙句の果てに子ども扱いされたからだろう、シエルがキレて物騒な言葉を発しながら睨みつける。


 周りの温度が何度か低下したように感じる。尋常ではないほどの殺気を相手にぶつけ、大男の身体がビクッと震えた。そこでようやく相手は、自分が手を出してはいけない存在だと本能が気付いたようだ。


 だが、本能が気付いても本人が気付いていない。どうしてこんな小さな相手にビビらされてしまったのか、と怒りを露わにして俺達を睨みつけた。


「クソガキが!殺れるもんなら殺ってみろ!俺に逆らってただで済まされると思うんじゃねーぞ!」


 男が攻撃態勢に入ったときにはもう遅い。一瞬で相手の眼前に肉薄した俺はブルートを木刀の形に変化させ、脳天に打ち込む。


 鈍い音がして大男は前方にグラッと倒れる。倒れ込む男の腹を下から蹴り上げ、男は宙に浮いた。宙に浮いた男の顔面を殴りつけ、前方へ吹っ飛ばした。


 大男は殴られた衝撃で鼻っ柱が折れ曲がり、歯が何本か抜け、血でべっとりと顔を染めながら地面に背中から落ちて動かなくなった。


 シエルの方を振り返るとシエルの両隣りに股間を抑えて蹲る二人の男がいた。恐らく、俺が大男を相手にしている隙に、シエルに襲い掛かったが全く歯が立たず、更には機嫌の悪いシエルに、男のシンボルを容赦なく攻撃されたのだろう。


男達が顔を青白く染めてダラダラと汗を流しながら股間を抑えているその様子から、死ぬほど痛いというのがよく伝わってくる。


 周りには少し人だかりができ、俺達が大男達を倒してしまったのが以外だったようで目を丸くしている。


 近くに大男のものと思われるステータスカードが落ちていたので拾ってみると、冒険者ランク五と表記されている。


 冒険者にはランクというものがあり、ステータスカードを発行したばかりの駆け出し冒険者にはランク表示はなく、ある程度のクエスト達成とギルドから評価されるようになるとランク一と評価されるようになり、それから段々と上がっていく仕組みになっている。


 そのランクが五ということは、それなりに実力のある冒険者ということだ。そんな奴らが俺達に簡単に倒されてしまったという事実が、村人達には予想外だったのだろう。


 俺たちはカードを側に捨てると、面倒なことになる前にその場から立ち去った。


 俺たちは目的地であるディサフィアンテまで歩いてゆっくりと向かう。向かう途中に空間転移魔法の使い方を色々と試してみる。


 右手から左手にものを移したり、手に持っているものをリュックに入れたり、リュックに入っているものでテキトーなものを出してみたり、近くにあった大岩を別の場所にワープさせてみたり。試してみたいことは全部試してみた。


 それから二、三時間は歩き続けた。喉が乾けば転移魔法でリュックから飲み物を取り出し、小腹がすけば転移魔法でリュックから食料を取り出し飲み食いする。転移魔法が使えてラッキーだと思う。空はこの能力の応用方法に考えを巡らせた。


一つ、この能力に難点があるとすれば、転移させるものをはっきりと想像しなければいけないところだ。


「もう少しで木々が鬱蒼と茂っている森が見えてくる筈なので、そこがディサフィアンテです。ディサフィアンテは別名、帰らずの森と呼ばれていて、一度入った者が二度と戻ってこないことからそう呼ばれているらしいです」


 シエルが地図を見ながら答える。地図にそんな細かく説明が書いてあるのか。随分丁寧だな。


 歩いていると、目の前に見えてきたのは巨木。一つ一つの木々の大きさが、俺達が並ぶと豆粒のように見えてしまうほど大きい。そこから溢れだしている魔力量ははクィレル地区と同等のように感じられた。


 ―――――


 セルカ村のギルドで眼鏡を掛けた男性、トルクは嬉しそうに空たちから買い取った素材を調べている。


「やっぱりそうだ。こいつのこの反応は、今までのどの魔物の反応とも違う」


 魔法で素材を調べていたトルクはウキウキした声音で一人呟く。こいつは新種の魔物、それもこの素材の質や素材に宿っていた魔力痕から、普通なら人二人で勝てるような相手ではなかったということが判明した。


「実に興味深い二人だね。これは上に報告しなくちゃ」


 ゴチャゴチャと色んな道具が散乱する机の上で、トルクは便箋に筆を走らせた。

読んで下さりありがとうございます!今回は、かなりグダグダしてしまいましたが、次からストーリーが進みますのでよろしくお願いします!m(_ _)mご意見ご感想お待ちしています!

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