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「私ねー最初は自分の気持ちに戸惑ってたんだ」
私たちは手を繋ぎながら川辺を歩いている。優芽ちゃんは楽しそうに私に話しかけてくる。私は今とても幸せだった。
「由香ちゃんのこと始めてみたときなんかいいなーって思ってて。でもそれが友達になりたいとかそういう気持ちとも違う気がして」
「うん」
「でね、その由香ちゃんが私のことを見てたから、その、勇気を出して話しかけてみたんだ」
優芽ちゃんはそっと微笑む。初めて話しかけられたときがなんだかとても懐かしかった。
「ファミレスのときはごめんね。あんなこと言って」
「うぅん、大丈夫」
「それに用事って帰ったけど、実は恥ずかしかっただけなんだよね」
優芽ちゃんは恥ずかしそうに私の目を見つめてきた。
「でも、ほんとに嘘みたい。こうして手を繋いでるなんて」
「私もなんだか夢みてるみたい」
「優芽だけに?」
「優芽ちゃんってそういう冗談言うんだね」
「私だって普通の女の子だよー? 私のことどんな風に見てたの?」
「んー……うん」
「その間はなんだー! こらー由香ちゃん」
なんだかただ話しているだけなのに、とてもとても楽しかった。
「おはよう」
「おはよう」
学校で挨拶する。それだけでなんだかとても幸せだった。今日も優芽ちゃんは可愛い。
もうすぐ授業が始まるため、皆席に着く。私の好きな人もいつもの席につく。
私が好きな優芽ちゃんは、今日も右斜め前にいる。
どうもー、天月悠です。
これにて完結です。書きたいことは、すべて書くことができました。
最後までお読みくださいまして、本当にどうもありがとうございました。