準備、そしてダンジョンの中へ2
この階では、スライム一匹しか遭遇しなかった。
俺たちは、階段を下りた。
適当に歩いていると、すぐに下に下りる階段を見つけてしまった。
「ユーちゃん。魔物が少ないわね。」
「そうだな。でも、エルフの洞窟で、俺たちは地下5階まで行っているから、5階までの魔物だったら問題ないか。」
「ユート。魔物の強さが解らないわね。」
「ああ。でもしょうがないだろ。魔物がいないんだから。ま、地下5階までなら何とかなるだろ。」
「ユート君。他のPTも見ないわね。」
「そう言えば、兵士に聞くの忘れた。ダンジョンで探索しているPTの数を。」
「そういえばそうだわ。」
ミラが返答した。
「今更、戻って聞くのも面倒くさいし、ま、いいか。」
「ユーちゃんってそんなに適当だったっけ。」
サラが俺を心配している。
「慎重になり過ぎても良くないと思ってさ。しかも、今の段階
だと、魔物の強さも解らないから何とも言えないし。」
「そうね、ユート君。魔物が出てこないんじゃ話にならないわね。」
そんな話をしながら地下に下りる階段を探して、どんどん下りて行った。
「次が、地下5階ね。」
ミラが確認した。
「全然、魔物がいないね。どうするユーちゃん。」
「とりあえず、降りて、地下5階では魔物を探そう。さすがに、エルフのダンジョンみたいに、リッチが出てきたらまずいからな。」
「そうね。リッチ程度なら問題ないけど。慎重になった方がいいわね。」
ネロが当たり前のことを言った。
「ちょっとユート君。何よ。その顔は?」
「だって、ネロが常識的な事を言うから。」
「私も普通のことを言います。なによ、もう。」
「あははは~冗談だよ。行こう。地下5階に。」
そう言って俺たちは、階段を下りた。
「なんか、居そうにないわね。」
サラが呟いた。
しばらく歩いた。
約2時間ぐらい探したかな。
ちょうど通路の行き止まりの先に居た。
蟻だけど。
「ちょっと、ユート。あれってエルフのダンジョンに居た蟻だよね。黒い方の。」
「姿形は、同じだな。ここは、サラの出番だな。」
「は~い。」
そう言ってサラは弓を構えた。
「えい」
簡単に矢を発射した。
その矢は、蟻の一番固いと思われるおでこに刺さり、黒い蟻は動かなくなった。
「ユーちゃん。私、そんなに、魔力を込めていないわよ。」
「そっか。ということは、エルフのダンジョンと魔物の強さは同じなのかな。」
「ちょっとユート。宝箱があるわよ。」
「あ、本当だ。」
ミラの言葉にネロが反応した。
「確か、魔法の弓は、黒の蟻から出たよな。」
「ええ、ハクが倒した黒い蟻から出たのよね。」
サラが説明した。
「ということは、もしかしたら、魔法の弓と同等の物が出るかも。開けてみるか。」
「罠とかは大丈夫なの?」
ミラが心配している。
「そう言えばさ、罠があった時、解除する方法とかあるの
かな。今までは、宝箱に触っただけで、反応していたど。」
「解らないわ。空けたことないし。」
サラの返答に他の2人も頷いている。
宝箱の罠については、謎だ。
「とりあえず、開けるから、みんな下がって。」
「気を付けて、ユート。」
三人は心配しながら下がった。
俺は、宝箱に近づき、宝箱を確認した。
別に普通の木でできた箱だ。
エルフのダンジョンをクリアーした時の宝箱と比べようと思いだそうとしたがそもそも、銅の宝箱だったので比べられない。
もういいや。触っちゃえ。
俺は宝箱に触れた。
すると、普通に開いた。
特に罠はない。
ひょとしたら、魔物からのドロップには罠がないのかもしれな
い。
まぁ、これからも検証が必要だろう。
「ちょっと、ユート。何が入っていたの?」
「これ」
そう言って、みんなに石を見せた。
「なに?この石?」
「さぁ」
「ちょっと。ユーちゃん。その石を魔法の袋にしまうと解るんじゃないの?」
「そうか。あったまいいな。サラは。」
そう言われて、魔法の袋にしまい、ステータスの画面からその石の名前を確認した。
帰還の石と出た。
「何か解った。ユート。」
「帰還の石だって。」
「へ~どうやって使うの?」
ネロが聞いて来た。
「わかりません。宝箱から出た物は、ダンジョンを出てから聞かないと使い方も解らないし、価値も解らん。」
「そうね。その方がいいわね。呪われていても困るしね。」
サラがなにか怖いことを説明した。
「なに?呪いって?」
俺はたまらず聞いた。
「聞いた話によると、呪われている道具もあるらしいのよ。どんな呪いかはいろいろあるらしいけど、ひどいのになると、運がすごく悪くなって、ほんと悲惨な人生を送ることになるわ。」
「運が悪くなるって、それは悲惨過ぎるな。気をつけよう。それでさ、話は変わるけど、魔物って弱くね。」
「ええ、私も感じたわ。」
ネロが賛同しているし、みんな頷いている。
「地下5階で、エルフの黒い蟻か。しかも単体。ということは、ひょっとしらた、ここのダンジョンは、エルフのダンジョンより魔物のレベルが低いかも。」
「そうかもね。ほら、ギルドのお姉さんが行っていたでしょ。地下20階まで魔法を使ってこないって。」
サラが思い出したように言った。
「そう言えば行っていたわね。ユート。」
「そっか。なら、20階までは特に問題ないか どんどん進んじゃおう。」
「お~。」
ちょっと俺が慎重になっていたので、みんながそれぞれ気を使ってたが、あまり気負うことをやめた。
「じゃあ、ユート。私が先頭を歩いて、どんどん進んでいいの?」
「いいよ。20階までは任せるよ。ネロは普段通り、経路を覚えて」
「わかったわ。ユート君。頑張る。」
俺たちは、とりあえず、戻る時間も考慮しながら出来るだけ下の階を目指した。
「ユーちゃん、もうそろそろ戻らないと、期限に間に合わなくなるわよ。」
サラが、残りの時間が無くなり心配している。
「そうだな。下に行く階段を見つけたら、戻るか。」
さすがに、下に降りる階段を見つけるのに時間が掛かった。
俺たちは今、地下14階にいる。
ここに来るまで、数匹の魔物に遭遇したが、全然俺たちの相手にならなかった。
エルフのダンジョンの時にもいた、蜘蛛の魔物や色違いの蟻や
スライムなんかもいた。初めて見る魔物としては、大きめのイノシシみたいな魔物ボアだっけ。
まっすぐ突っ込んでくるだけで、攻撃が単調で全然俺たちには問題なかった。
その他に茶色いウサギみたいで、頭に角がある魔物がいた。
ミラがかわいいと言って近づいたが、急に跳び跳ねてミラの顔に角で攻撃をしてきたが、普通に顔の前で角を捕まえて、観察したあと、手なずけるのは難しいと思ったのか、周りを確認して、氷漬けにしているし。
俺たちは楽しくダンジョンを探検していた。




