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商業ギルド2

「え~と、見て欲しいものとは?」


オータルは、興味津々で伺ってくる。


「これです。」


そう言って、小さい袋を魔法の袋から出して、オータルに渡した。


「おお~。これはエリクサーではありませんか。しかも3つ。

エルフの村と聞いていたから、まさかと思いましたが実際に拝見したのは、これが3回目です。」


「そんなにすごい物なんですか?」


「これの本当の名前は、エルフの実と言いまして、怪我はもちろんのこと、病気や呪いまで治すという。とてつもなくすごい物です。」


「なにそれ、信じられない。」


ミラもビックリしている。


「ちなみに値段は?」


俺は聞いてみた。


「わかりません。たぶん、白金貨は下らないでしょう。

なんせ万能薬ですから。

欲しい人はいくらでもお金を出しても欲し

がりますよ。」


やっべ~。ついに白金貨の世界かよ。簡単にもらって来ちゃつたよ。


だからサラがもらう時に、


「それは!」


って言っていたのか。こんなに貴重な物だとは。


「すみません。これは売れません。」


「ええ、その方がいいですね。これ一粒で、殺し合いにも発展しますから。

他に何かありますか?」


「ちようどいい機会ですので、いろいろと聞いていいですか?」


「いいですよ。ユート様とはこれから長いお付き合いになると思いますので。」


「それじゃ、これを。」


そう言って緑の魔石を渡した。


「おお~。またまたビックリする物が出てきましたね。

これは、魔石ですか。ダンジョン討伐の?」


「そうです。まだ出来たばっかりのダンジョンですが。」


「これもかなり貴重ですよ。

魔石はいろいろな用途があり、欲しい方はたくさんいらっしゃいます。

しかもダンジョンの討伐で出た魔石はその中でもとても貴重な部類に入ります。

なんせ、ダンジョンなんてそう滅多に出現しませんし、

ライオネル領で把握しているダンジョンはどれも規模が大きく、ダンジョンの討伐は、ほぼ不可能に近いですから。

だから、それだけ貴重という意味です。」


「ちなみに値段は?」


どうしても気になる。


「これも値段が付けられません。うちで買い取るとしたら、白金貨10枚で、どうでしょうか。」


「いや、すみません。考えさせてください。」


「はい。その方がいいですね。他に何かありますか。」


「じゃあ、次はこれで。」


そう言って、魔鉄を取り出して渡した。


「あ、これは、よく見ます。一般的に流通しています。魔鉄が出て来て安心しました。でも、これは純度が高そうですね。」


「これはいくらぐらいですか?」


「純度を計ってみないとわかりませんが、そんなに高くありません。一昔前は、魔法を使える人が多かったので需要がありましたが、今は魔法が使える人が少なくなっていますので、そこまで需要が無いです。」


「あ、聞いたことがあるわ。昔、戦争をしていた時は、魔法によって戦況が目まぐるしく変わるから、国に勝利をもたらすために、貴族たちが一般兵に魔法を教えていたの。

でも、平和になって、貴族の権力を保つために、魔法を使うこと、教えることを禁じたらしいわ。」


ミラが説明してくれた。


「よく御存じですね。ですから、魔女伝説なるものも貴族たちが作ったといっても過言ではありません。魔法を秘密にする為に。このお話は内緒ですけどね。」


「そうなのか。だから魔法を使える人は少ないし、ステータスも儀式はあるが、何も説明が無いのか。」


「そういうことです。いろいろ説明すると、感のいい人には解ってしまいますから。」


「とってもよく解りました。オータルさん。ありがとうございます。」


「いえいえ、ユート様は王様の知り合いでもありますし、今度、いい品物が入ったら、当店をご利用いただければそれでいいです。」


「わかりました。それともう一つ。さっき、国が管理しているダンジョンと言っていましたが、いくつもあるのですか。」


「私も、ダンジョンのことは良くわかりません。ダンジョンから出る宝箱は貴重な収入原になりますから、極秘なものです。

ですが、公表されているものもございます。ライオネル城の地下にはダンジョンがあります。

これは誰でも知っていることです。」


「そうよ。ユート。世界にはいくつものお城があって、その下には、ダンジョンがあるの。だから戦争はダンジョンの取り合いって言っても過言ではないのよ。」


ミラが説明を加えた。


「へ~そうだったんだ。王様にお願いしたら、ダンジョンに潜らせてもらえるかな。」


「たぶん。無理よ。一般人は立ち入り禁止よ。」


ミラに指摘された。


「ユート様だったら、王様にお願いすれば、大丈夫かもしれませんが、王様に大きな借りを作ることになりますよ。」


「それも嫌だな。ああ~、

エルフの村のダンジョンは討伐しなければ良かった。」


「それは無理よ。討伐しなかったらエルフの森が無くなっていたわ。エルフのダンジョンは仕方がなかったのよ。」


「そりゃ~。そうだが。あ、だから、王様は、特に何も言わなかったのか。

本当なら、新しいダンジョンが出来たら国益の為に領土外でも取り合いになるのに、エルフのダンジョンは討伐するしかなかったということか。

しかも、エルフの村にはエリクサーがある。だから良好な関係を保っているのか。」


「ほほ~。よく解りましたね。そういうことです。

そろそろ私も出かけなくてはいけないので、この辺でよろしいですか。」


「ありがとうございます。それでここで話したことは、王様には?」


「勿論、話しませんよ。王様にすべてを話すとは限りません。この話はここで納めた方が、のちのちユート様からの利益の方がおいしそうなので。」


「ちゃっかりしているな。」


「商売人ですから。あ、そうそう。隣のソロス城では、ダンジョンを解放しているみたいですよ。

でも、ダンジョンに入るには入場料がかかるとの話です。興味があったら行ってみてください。」


「わかったよ。ありがとう。」


そう言って俺たち店長のオータルと別れ、商業ギルドを後にした。


少しずつ、世界観が見えて来たと思います。あくまでも、適当なユート視点なので、少しずつ色々とわかってくると思います。

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