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ファッションショー

俺の装備は、頭はなし。体は鎖帷子を中に着込んで、

カイロの村長からもらった皮の胸当てを付けている。


腕は、手の甲から肘まで防げるような鉄で出来たカッコイイ小手があって、

魔法を使うにも邪魔にならないからお借りした。


ズボンは厚手の茶色で、茶色のブーツを履いている。


もちろん腰には王様からもらった鋼の剣が携帯してある。


今回から盾は装着していない。小手があるから。


「どう、これ?」


俺は、みんなに聞いてみた。


「いいんじゃない。ちょっと小手が厳ついけど。」


ミラが感想を述べた。


「ちょっとダサい。」


ネロがぼそって言った。


「しょうがないだろ。あり合わせなんだから。」


「カッコイイよ。ユーちゃん。」


サラは社交辞令の様に褒めてくれる。


実は、今、部屋の真ん中を白い2枚のカーテンで仕切っていて、

女性陣は俺に見えないように隠れて着替えている。


だから俺が感想を求めた時、3人して、カーテンの真ん中から顔だけを出して俺を見ていた。


なんか悔しいから、ライオネル城に戻ったらオーダーで洋服を買って、ちゃんとした防具も揃えようと思った。


「じゃ~ん。」


ネロが一番に出てきた。


「ちょっとまだ着替えているのよ。早く閉めて~」


ミラの声は少し怒っている。


「あ~ごめん ごめん。」


ネロはすぐカーテンを閉めた。


ネロが勢いよく出て来たので、カーテンが少し開いて、ミラの着替えている姿が少し見えた。


「どう、ユート君?」


ネロが俺に感想を求めている。


「すごいかっこいいよ。ダーク系の色でまとめたんだね。すごくいいよ。」


「わ~本当、ありがとう。」


そう言ってネロはカーテンの中に戻って行った。


中では3人できゃっきゃ、きゃっきゃ言っているし。


ネロの服装は、首までの鎖帷子の上に胸の所まで開いた黒い服を着ており、

服の中の鎖帷子が網状になっていて、肌が見える。


シースルーだ。

とってもセクシーだった。


下半身は黒のタイトなパンツで靴は膝まであるロングブーツだ。


体のラインに自信が無いと絶対に着れない格好だった。


なんか防御性能を無視した格好だな。



「じゃあ、次私ね。」


カーテンの中からサラの声が聞こえてくる。


サラがカーテンの真ん中から顔を出して、俺を恥ずかしそうに見ている。


「なんだよ。出てこいよ。」


俺が呼ぶと


「どうですか。」


ってサラがカーテンから出てきた。


「お~緑じゃん。なんか森の妖精みたいで綺麗だよ。あれ、その背中の筒は?」


「あ、これ。実は私、弓が得意なの。でも弓って撃つとすぐなくなっちやうから基本は剣なの。」


「そうか。なんかエルフって感じでカッコいいよ。」


「そう。ありがとう。」


そう言ってカーテンの中に戻って行った。


また、中では3人で、きゃっきゃ、きゃっきゃ言っている。


サラの服装は、頭には緑のチロリアンハットで茶色い鳥の羽が1枚付いている。


洋服は緑で、肩が隠れていて、スカートが短いワンピーススタイルだ。


パンツはタイトで、靴は膝下のロングブーツだ。


もちろん、緑で統一されていて、胸にはかわいく、ネックレスが飾られていた。


ほんとに俺たちは明日、ダンジョンに行くのか。



「ユート、最後は私。」


ミラの声が聞こえてきた。


なんか俺、疲れた。でも頑張らないと。そう思っていると。


両脇からカーテンが引かれ、真ん中の開いたところにミラが立っていた。顔を赤くして。


何で最後は、自動でカーテンが開くんだよ。


って思ったけど ネロとサラの演出だ。


「どう、ユート?」


更に顔を赤くして、俺に意見を求めてくる。とりあえず褒めなくては。


「すっごい。かわいいよ。ミラは白で統一したんだね。その肩のひらひらとスカートのひらひらがアクセントになってて、とってもいいよ。」


「ありがとう。ユート。」


ミラはまんざらでもないみたいだ。


ミラの服装は、全身が白に統一され、清楚なお姉さんが着るような膝上のワンピースを纏っている。

一応、これからダンジョンの討伐を意識してか、生足では無く、白のパンツを履いて。

靴はくるぶしが隠れるぐらいのショートブーツを履き、動きやすい格好にしている。


また、3人できゃっきゃ、きゃっきゃ言っている。


「あのさ~。みんなすっごい似合って、かわいいし、綺麗なんだけど、それで、ダンジョンに潜るの?」


「当ったり前じゃない。ちゃんと戦いを意識しているわよ。」


ミラがどや顔で言ってくる。


はぁ~。なんか、昔のミラに戻った感じ。あの一度言い出したら人の言うことを聞かないミラに。


「わかったよ。でも、その格好だと、これから、強い敵にあった時には邪魔になるし、

どうしても防具の性能が足りないから、お金を稼いだら、

俺も含めて、ちゃんとした防具を買うからね。」


「は~い。」


そこは意外と簡単に納得してくれた女子3人だった。



夜、俺は新たな技を考えるため、カーラから教わった。

いや、実際には勝手に盗んだファイアーを唱え右手に炎を出した。


それにウィンドを唱え風で炎を包み、

火に多くの酸素が行くようにしてみた。


すると炎は赤から青色に変化した。


「熱い、何しているの!」


ネロが叫んだ、あとの2人も熱さに身を引いている。


俺はすぐに炎を飛散させた。


「ごめんごめん。」


俺は簡単に謝った。


「あんたね~。こんなところで火を起こしたら小屋が火事になるでしょ。! 」


とミラが相当怒っている。


「でもさ、ユーちゃんの炎。青くてきれいだったわよ。」


サラが褒めてくれた。


「確かに。」


ネロも不思議がっている。


「どういうこと。火は赤いものでしょ?」


ネロが疑問に思ったのか聞いて来た。


あとの2人も納得がいっていない様子だっ

たので説明した。


「炎って赤いのはみんな知っているよね。」


「ええ、赤いわよ。そんなの知っているわ


ミラが返答した。


「じゃあ、酸素は?」


「酸素ってこの空気の中にあって、人が吸っているものだね。」


「お~さすがミラ。頭がいいね。」


「その酸素がどうしたの?」


「炎を燃やすときに酸素をたくさんあげると、炎の色が青に変わって、炎の温度も高くなるんだ。」


「へ~そうなんだ~。よくそんなこと思いついたわね。」


「え、当たり前じゃないの?」


「ないない。」


三人で顔の前に右手を立てて左右に振っ

ている。


「出た。ユートの非常識が。」


ミラが呆れたように言った。


「誰が、非常識だ。よく考えれば誰でも思いつくよ。」


「むりむり。」


また、3人で顔の前に右手を立てて左右に振っている。


ネロは、話の内容が解らないからみんなの行動に合せたようだった。


それでさ、自分で出した炎って、自分では熱くないんだよね。やっぱり魔法って不思議。


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