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はじめてのダンジョン

次の日、俺たち4人は、ダンジョンの様子を見に行った。


「ここよ。ダンジョンは。」


そう言ってサラがダンジョンを指さすと、そこには、

まさに、下から上がって来たであろうゴブリンが、地上に上がる瞬間だった。


俺は、無我夢中で、ゴブリンに向かって走った。


サラは顔が蒼くなっている。


「問に合えくそが~」


そう言って、ウインドの魔法も使ってスピードを上げた。


ゴブリンの赤い目が光った。


「頼む。間に合え~」


俺はそのままジャンプし、ドロップキックをゴブリンの顔に当て、

ゴブリンと一緒にダンジョンの地下一階に落ちて行った。


今、俺の下にはゴブリンがくたばっている。


「あぶね~、何とか間に合ったな。」


ダンジョンの中は、この前の洞窟の様に、緑色に光っていて周りが良く見える。


やばい。囲まれている。


俺を中心に20匹ぐらいのゴブリンが棍棒を持って、俺を襲う機会を狙っている。


まさか強くなっていないよな。


そんなことを考えながら剣を構えた。


ゴブリンどもは一斉に俺に向けて棍棒を振り落してきた。


俺は、左手についている小盾を頭の上にして、剣と両方でゴブリン数十匹の一斉攻撃を防いで止めた。


「あ~良かった。普通のゴブリンだ。さすがにビビったよ。」


と一人ごとを言っていると、


「大丈夫?」


と言ってネロが、ゴブリンの棍棒を防いでいる俺の腕の上に落ちてきた。


ドテ


俺は、ネロの体重攻撃に押しつぶされた。


「ユート君、ごめんね。まさか、私が落ちる場所に居るなんて。」


「いいから早く降りて、死ぬ~。」


「ごめん。ごめん」


「もういいから。ここはネロに任せた。」


「任せられた。」


そう言ってネロは近くのゴブリンから切り倒していった。


「ユーちゃん大丈夫?」


ネロが、ゴブリンを全滅させた後、サラとミラが心配そうに梯子を降りてきた。


「危なかったよ。殺されるところだったよ。ネロに。」


「え」


サラとミラは驚いている。


「さっき誤って、ユート君の上に落ちちゃった。てへ。」


ネロは舌を出して顔を横に倒して可愛くとぼけている。


「ネロのお尻でペッちゃんこなるところだった。」


「もう私をオークみたいに言わないで。さっき謝ったでしょ。」


「はははは~。しかし、ほんとに危なかったな。

もう少し遅れたら、ゴブリンがダンジョンから出ていたな。」


「そうね、危なかったわ。お父さんは咋日、他人事のように言っていたけど、

私たちがもう一日遅れていたら、エルフの村が全滅していたわ。」


「しかも、一匹じゃなくて10匹以上いたぞ。おう怖。少し、一階の様子を見て戻るか。」


「は~い。」


女子3人は頷いた。


ダンジョンの一階を探索してみたが、普通の強さのゴブリンが数匹襲ってくるだけで、

特に問題は無かっので、村に戻った。


出入り口付近で倒したゴブリンは綺麗さっ

ばり消えていた。


サラに話を聞くとダンジョンの魔物は死んだらダンジョンに吸収されるとのこと。


それは、人間も同じだそうで、人間が死んでしばらくすると、

ダンジョンに取り込まれるように死体が沈んでいくそうだ。



「ちょっと、お父さん。ダンジョンからゴブリンが出てくる寸前だったわよ。

ユートさんが機転を利かせて急いで飛び込んでくれたから良かったけど。

あのままだったら、私たちやエルフの森は全滅よ。解ってる?」


サラが大声で村長に話した。


それを聞いた周りのエルフたちはそわそわしだした。


「そうか、ユート殿。貴殿がゴブリンを止めてくれたか。ありがとう。

村は救われたよ。」


「それはいいけど。なんでサラを差別しているの?」


俺は少し怒ったような口調で言った。


「それは・・・」


村長が困っていると後ろから


「そんなのあたりまえじゃない。サラはエルフじゃないのよ。

ここで暮らせるだけででも有り難いと思いなさい。」


サラに似た女が叫んだ。


「やめなさい。客人の前で。」


村長はそのサラに似た女を言葉を遮った。


「だって・・・」


サラに似た女はまだ何か言いたそうだった。


「すまん。ユート殿。この話は、ダンジョンの件が終わったらお話しします。」


「解った。」


俺はしぶしぶ了承して、小屋に戻った。


「ネロ、よく我慢したな。」


「だって、あそこで口が出たら、剣も出そうだったから。」


「頼む、剣だけはやめてくれ。」


ネロは怖い。



それから俺たちは、サラとともに、

明日から本格的にダンジョンの探索に入るために、準備を行った。


「サラ、ライオネル城の時に、装備品を使っていいって言っていたけど、大丈夫なの?」


「もちろん大丈夫よ、こっちに来て。」


そう言って、村長の家の裏手にある小屋に連れて行かれた。


「ここにある物、何でも使っていいわよ。」


「うわ~すごい。」


ミラは初めて見る光景に感動している。


俺とネロはカイロの村でこれと似たようなものを見ているので、

どこの村でも、同じように準備してあるんだなぁと思った。


「私、剣は、この前、王様からもらったものがあるから、動きやすい鎧が欲しいわ。」


そう言ってネロは何やら探している。


俺もいろいろと物色して、

この際だからいただけるものはいただこうと思い、自分に合うものを探した。


ミラもいろいろ探している。

サラも探している。


さすがエルフの武器庫、年代物が置いてある。

でも、古いわけではなく、全ての剣は、手入れが行き届いていて、剣の部分はきらきら光いていてすぐ使える状態だ。


「サラ。ここ、すげーな。」


俺にとっては宝の山で、全部、持って帰りたい。


「すごいでしょう。エルフの歴史が詰まっているだから。」


と言いつつ、サラもいろいろな武器や防具を見て騒いでいる。


「本当にもらっていいのか。」


「たぶん。あとでお父さんに聞いてみるよ。

とりあえず気に入ったものを装備していいよ。」


「解った。ん、これは?」


武器が並んでいる一番奥の方に剣の部分が薄緑になっている。


いつの年代だかわからない剣が無造作に置かれている。


俺がその剣を持ち、体の前に持って来てその薄緑の剣を眺めていると少し光り出した。


「わ~きれい。」


ミラが俺のほうを見て呟いた。


「サラ~、この剣、光っているよ。」


「ほんとだ。なにその剣?」


「なんだよ。サラもわからないのかよ。

俺が持ったら光だしたんだよ。J


「へ~、こんなこともあるんだね~。」


「さすがにこれは、もらえないな。神秘的だし。」


「いいんじゃない、もらったって。奥の方に埋もれていたんだから。」


「いやいや、これは無理でしょ。」


そう言って俺はその光る剣を元に戻した。


そうすると、剣の光は次第に消え、元の剣に戻った。


なんか、MPを吸われたような感じがした。


一通り物色して各々、両手にいっぱい持っている。


「よし、とりあえず、魔法の袋に入れるか。」


そう言って、みんなから装備を受取った。


「部屋に戻ったら着てみよう。」


「お~」


そう言って俺たちは平屋の小屋に戻った。


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