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ゴブリンに襲われた。

6才になった。


このころよくミラと遊んでいる。


ミラは何をしてもダメな子でいつも泣いてばかりいたが、

笑顔が可愛いかった。


ある時ミラが、


「馬のいる方に行って遊びましょう。」


と言って、俺の手を引っ張って連れられて来た。


村の西側は、ある程度広い牧草地になっていて、

その奥には深い森が続いてる。


この村では、馬の生産は貴重な収入源となっている。


地球の時とは違って、道は舗装されていないし、

村から出ている一本道は土がむき出しになっており、

道の回りには草が生えている。


多分、村からどこかに出掛けるときは、

徒歩か馬、馬車を使って出掛けるのだろう。


「このお馬さん大きいね。乗ってみたいね。」


やけに話し掛けてくるミラは馬が好きみたいだ。


その時、村の住民の一人が


「誰かダンを読んで来てくれ!」


と大声で叫んでいる声が聞こえて来た。


しばらくすると馬も危険を察知したのか、


「ブヒヒヒーン」


と荒々しく狭い檻の中を駆け出している。


俺とミラは状況が解らない。


村の方でも騒がしくなってきた。


村の方からおばちゃんが


「ユート、ミラ、早くこっちに来なさい。早く早く。」


と叫んでいる。


ふと、森の方を振り返るとそこには、

ゴブリンが3匹、こちらに向かってゆっくりと歩いてきた。


「ミラ、逃げるぞ。」


俺は、手を掴んで引っ張ったが、

ゴブリンにビックリしたのか、

尻もちをついて泣いて動けなくなっている。


あ~ヤバい。どうしよう。


さすがに6才の俺ではゴブリン3匹を相手にするのは無理だ。


そもそも冒険って最初の敵はスライムって決まっているだろ。


などと考えていると、

村の奥の方からダンがこちらに走って来ているのが見えた。


何とかなりそうだなと考えながらミラをおんぶして、

ミラの足を引きずりながら村へ向かって逃げた。



ゴブリンは家畜を狙って、

村に近づき様子を伺っていた。


そこに子供が2人、遊んでいるのが目に入った。


当初の目的は、夜に馬を拐うことだったが、

旨そうな子供がいたので、

姿を現してしまったのだ。


気付かれないようにゆっくり迫ったが、

既に森にいる時点で村人に気付かれ、

ダンを呼ばれていた。


ゴブリンは、自分たちの存在が、

村人たちに気付かれていると解り、

2人の子供に向かって走り出した。



ダンはいつものようになまった体を鍛え直すために家の前で剣を振っていた。


その時、村人が喧騒な顔をして走ってきた。


「ダン、村の西側の森からゴブリンが出た。馬の檻の近くに子供が2人いる。」


と叫んだ。


ダンは、近くを見渡したが、

いつもはその辺で遊んでいるユートとミラがいない。


「ヤバい。間に合ってくれよ。」


ダンは全力で走り出した。



ゴブリンたちはユートとミラの近くまで迫っていた。


どうしよう追い付かれる。

このままじゃ殺されてしまう。

ダンは、近づいて来ている。

もう少し逃げ切ればきっとダンが助けてくれる。


この状況を乗り切るには、魔法を使い、

飛ぶしか方法はない。


でも、1人なら問題ないが、

ミラをおんぶしたまま、

はたしてうまく出来るだろうか。


えーい。考えている余裕がない。使っちゃえ。


それは、ゴブリンが飛び上がり、

俺たちに向かって、棍棒を振り上げて、下ろす瞬間だった。


ユートの回りに少し、

円形状に風が起こったと思うとぴゅーっと、

ユートたちに向かって走っているダンの横を飛んで通り過ぎた。


ダンはユートたちが、

自分の横を通り過ぎたことに一瞬ビックリしていたが、

そのまま棍棒が空振りしたゴブリンを

鋭い剣捌きで首を落としていた。


残された2匹のゴブリンは敵わないと思ったのか、

森に逃げる途中、馬の柵を壊して行った。


すると馬は、恐怖を感じたのかパニックを起こし、

壊されたところから、村に向かって、

全力で駆け出した。


それを見ていたダンは


「ユート、ミラ逃げろ!」


と叫んだ。ミラは、


「キャー」


と悲鳴を上げてばかりで動かない。


先ほどの魔法で着地した時、

ミラは俺の背中から地面に落ちていたのだ。


あー今度は馬かー。

さすがに俺一人で逃げる訳にも行かないし。


ミランダは大声で、


「誰かミラを助けてー」


って叫んでいるし、アリスの顔は青いし。


と思いながら体は勝手にミラの前に立っていた。


馬は、俺たちに向かって、土を飛ばしながら走ってくる。


迫ってくる。もう怖い。でも、


「止まれ、止まれー」


と両手を前に突きだし大声で叫びながら馬を睨み付けた。


すると馬は、寸前のところで、


「ヒヒーン」


と前足を上げて、急ブレーキをして止まったのだ。


は~あ~、助かった。


ミランダが駆けつけ、

ミラを抱いてとても心配だったのか泣いていた。


ダンは俺の頭の上に手を置き


「よくやった。」


と言ってくれた。


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