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ミラとの再会

さっきの騒動から、今は夕食を食べるために酒屋にいる。どこも混んでいてここしか空いていなかった。


で、今、4人がけのテーブルに俺の左にネロ、前にミラ、右にサラが座っている。


みんなの前には果実酒が置かれている。なんかネロの雰囲気が怖い。


「ミラ、どうしてここに?」


「ユートを追いかけてきたのよ。一緒に冒険するために。」


「大変だったんじゃないの。よくここまで来たね。」


「うん。馬小屋のおじちゃんが、私が可愛がっていた馬を譲ってくれて、それに乗ってここまで来たの。

ユートに遭えるかどうか心配だったわ。

それでこのお二人は?」


「ああ、こっちがネロで、こっちがサラだ。」


「初めまして。ユートの幼馴染のミラと申します。」


「ミラは、ユート君のなんなの?」


ネロがミラに敵対心を持って聞いている。


「って言うか、ネロさんは、ユートのなんなのよっ。」


たぶん売り言葉に買い言葉でミラが聞き返している。


「私は、私のお母さん公認の恋人よ。」


「はぁ?」


俺はビックリした。多少はネロに好意を持っているが、恋人呼ばわりされるとビックリするよな。


「ユート、本当なの?」


ミラがビックリした顔で聞いて来た。


「違う違う。一緒に冒険している仲間だよ。」


「え~。」


なんかネロがショックを受けているが、すかさず、


「つて言うか、あんた、ユート君のただの幼馴染でしょ。

そうだよね。ただの幼馴染だよね。ユート君?」


「うん。幼馴染。」


「ほら~。ただの幼馴染じゃん。」


ネロが少し優勢だ。


って言うか、実況している場合じやないだろ。まずい挟まれた。


これは最悪だ。


助けを求めるためにサラの方を向いたら、サラが右腕に抱き着いて来た。


「ちょっと、サラ。どさくさに紛れて何やっているのよ。」


すかさずネロが指摘した。


ミラのサラを見る目が怖い。


そんなネロとミラを見ながら普通にサラは、


「ユートさんは私のフィアンセよ。」


「えっ」


「はぁ~?」


「なに言ってんの?」


俺とネロとミラ、3人で反応した。


「あんた、エルフの姫様だからっていい気になっているんじゃないわよ。」


ミラは、たぶん内緒だった話をぶちまけた。


あ~やっぱり。


たぶん、なんか偉い人なんだなぁと思っていたけど、まさかエルフのお姫様だったなんて。


「だって、私のステータス、ユートさんから見せてって言われたし、

それは、エルフの世界では求婚と同じことなの。」


とサラは顔を赤くして言っている。


「なに言っているのよ。私も、ユート (君)にステータスを見せているわよ。そんなんで勝ち誇らないで。」


とネロとミラは2人揃って突っ込みを入れた。


さすが、敵が一緒だとハモルな。


なんて思っていたら。3人で話し出した。


しばらくして、3人そろってこっちに向いて机を叩いて


「どうなってんの?」


って怖い顔で言われた。


マジ、最初に出遭った青オーガより怖くて、俺は下を向いて


「ごめんなさい。」


と誤った。


なんか、さんざんやり合って今は落ち着いているっていうか3人とも仲が良いように見える。


それがまた怖い。


でも仲がよさそうなので、


「このお肉おいしいね。」


って言ったら


「はあ!!」


と息もぴったり3人に睨まれた。


もうだめ。怖すぎる。おれ、何も悪いことしていないのに。



宿屋に戻って来た。もちろんミラも一緒だ。ミラも宿が見つからなくて、酒場で寝ていたらしい。


だから変な3人組に絡まれたんだな、たぶん。


部屋のカギを受取るときに、受付から


「サラ様、王様が会いたがっているそうです。明日、お連れの方と共に城にお越しくださいとのことです。

兵上から承りました。よろしくお願いします。」


「わかったわ。明日、城の方に行ってみます。」


サラが返答し、俺たちは部屋に戻った。


ネロとサラとミラの3人は部屋で女子会を開いている。


俺はのけ者だ。ま、仕方ないか。とりあえず、ハクに様子を聞くためにステータスを開き会話をした。


まだ、小さくなることはできないらしい。

少しずつだが小さくなっているが、小さくなる時に、かなり体に負担がかかり、痛いらしい。


でも、がんばってと伝えた。


「あ、そうだ。ユートさんにお願を一つ聞いてもらえるんだった。」


突然サラが言い出した。


「あんたもしかして、私の旦那さんになってとか言うんじゃないでしょうね。」


ネロが目を細めて言った。


「それもいいわね。そうしようかしら。」


「あんたね~。さっきの約束ごとをもう破る気。」


とミラが指摘している。何だ、約束ごとって。


「冗談よ。私がこのライオネル城に来た本当の目的って、私の村を助けて貰うために、出てきたの。」


「エルフの村でなんかあったの?」


ネロが心配そうに聞いた。


「エルフの森の真ん中にハイエルフたちが木に包まれて眠っています。

そのハイエルフたちは、眠りながら森の気を操って、森の秩序と平和と豊穣をもたらしています。

ですが、その近くにダンジョンが発生して、数名のハイエルたちがダンジョンの悪い気にやられ、一人、また一人と目を覚ましています。

このまま、一定数のハイエルフが目覚めるとたぶん、森の気を操れなくなって、終いにはエルフの森とエルフたちは全滅するでしょう。

ですから、ダンジョンの討伐を昔から付き合いがあるライオネル王にお願いしようと思いました。」


「なら、早く、ライオネル王に合って、エルフの森に戻らなくちゃいけないんじゃないの?」


ミラも心配している。


「でも、優秀な人材を見つけましたから。」


サラは俺の方を見て言った。


「そうユートさんです。」


「はあ~?」


相変わらず息がぴったりなネロとサラ。


「俺なの?」


「そう。だってユートさん。たぶんライオネル城の騎士より強いと思いますから。」


「そうなの?」


「ええ。助けていただけますか?」


「一つ約束を叶えると言ってしまったし。いいよ。俺で良かったら。」


「やった~。別に、ネロとミラは用事があるんなら付いて来なくていいですからね。」


「別に用事なんかないわよ。」


「ついて行くに決まっているでしょ。」


とネロとミラはついて行く気満々である。


「じゃあ~。明日、お城に行って、その後、装備を整えて、明後日出発でいいか。」


「いいで~す。」


こういう時は女3人でハモルんだな。


と思いながら眠りに就いた。


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