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また、女の子を助ける2

俺たちはアイスを食べ終わった後、宿屋を探している。


やはり城下町だけあって宿屋の数も多いし、高級そうな宿屋もいくつもある。


「どこに泊まろうか?」


「ユート君に任せる。」


相変わらずネロは適当だ。


「サラ、なんかいい宿屋を知っているかい?」


「私は解らないわ。」


「そうか。じゃあ、ここは手ごろそうだから

入って見ますか。」


そう言って俺たちは目の前にある宿屋に入った。


ロビーには結構、多くの人が居て、繁盛しているようだった。


受付にも数人いて、何やら会話をしている。


やっと俺たちに順番が回って来た。


「3名ですけど、泊まれますか?」


と聞いたら受付の人に


「申し訳ございません。もう一杯でして。」


って断られた。


「もしかしてどこもいっぱいですか?」


「たぶん。どこも一杯でしょう。明後日は、半年に一回のお祭りですから。」


「あ~。だからこんなに人が一杯いるんだ。しようがない。他を探します。」


そう言って外に出ようとした時に、


「サラ様ではございませんか?」


って黒い制服を着た男性が話かけてきた。


「ええ、そうですけど。」


サラはそっけない返事をした。


「私どもの宿屋においでいただきありがとうございます。

まさかサラ様がおいで下さるとは思ってもみませんでした。

今晩の泊まる場所をお探しですか。」


「ええ。そうですが。」


「しばらくお待ちください。確認してまいりますので。」


そう言って男はフロントの奥に消えて行った。


ネロが何か言いたそうだったが、俺がネロの口を手で押さえた。


「お待たせしました。ちょうど4名様用のお部屋が一つ空いておりました。

こちらをお使いください。」


「私たちあまりお金ないわよ。」


サラは釘を刺してくれた。


「いえいえ、普通の値段で結構です。どうぞお泊りください。」


サラは俺の方を見て、決めていいかどうか確認をした。俺は頷いて、okを出した。


「ありがとう。それでは泊まらせていただくわ。」


「さあさあさ、ではこちらで受付します。」


受け付けに案内され、俺たちはカギを受け取り、部屋に入った。


ま、普通の部屋だった。小さめのベッドが4つと真ん中にテーブルと4つの椅子がある。


「よかった~。ライオネル城まで来て野宿かと思ったよ。助かったよ。サラ。」


「私は何にもしていないわよ。」


としらばっくれている。


「ねえ~。今日の夕飯はどうするの?」


ネロがお腹をさすってアピールしている。


「食事のことは聞かなかったな。

そういえば、宿泊費のことも聞いていない。

どうしよう。法外な値段を請求されたら。」


「それは無いと思うよ。」


「そうだよな。でもいま一番の掻き入れ時だから高いんじゃないの?」


「それはそうかもね。仕方ないでしょ。」


「ま、いいか。蓄えは少しあるから問題ないか。

ご飯は外にでも食べに行くか。」


「ユート君。いくいく~」


「じゃあ、食べに行こう。」


そう言って外に出た。ほんとに人が多い。にぎやかだ。


「あっちの方からいい匂いがする。」


そう言ってネロは指を差した。


「じゃあそっちに行ってみよう。」


知らない町を歩くって楽しいな。いろいろと目新しいものが見ることが出来るし。

ほんと新鮮だ。


「いい加減にして!!」


怒ったような女の人の声が聞こえてきた。


「いいじゃん。いいじゃん。一緒に飲もうや。」


そんな3人の男の声が聞こえて来た。


俺が気になってそっちの方に行こうとしたら、


「酔っ払いなんだからほっとけばいいのよ。」


ってネロが言ってきた。


それもそうだか、なんだか聞いたことある声なんだよな。


やはり気になって、人だかりを嗅ぎ分けて、見てみるとやっぱりミラだった。


「おい、ミラ。何しているんだ。こんなところで。」


「あ、ユート。助けて。」


「まったくしょうがないなぁ。いつも絡まれて。」


俺は、ミラの前に出て3人の酔っ払いの男どもと対峙した。


「お前は何だ。こいつの連れか?」


「そうだが。」


「この綺麗なおねーちゃんはこれから俺らと飲むんだから邪魔するな。」


もうだめだ。普通は連れが来たら手を引くのだが、かなり酔っぱらっている。


どうすっかな。


「俺たちは冒険者だ。しかもランクBだぞ。痛い思いをしたくなかったらその女をよこせ。」


あ~言ったなこいつら。


「冒険者ランクBって、大丈夫なの? ユート。」


ミラが心配そうに言った。


「まあ見てて。」


「しゃらくせ~。やっちまえ。」


3人のうち一人が殴り掛かって来た。


俺は、そいつのパンチを俺の顔の前で手で受け止め、そのまま強く握った。


「うががが~」


殴り掛かってきた男は、痛みに耐えられないのか、ひざを着いた。


俺は少しかわいそうになり、力を緩めた。


ほんとにこいつらはBランクか。こんなに弱いものなのか。


そんなことを考えていると、もう一人のおとこが、俺の腹を目がけて前蹴りを放った。


俺は、掴んでいる手を離し、半身になって躱したあと、

蹴りをかわして、バランスを崩している男の背中に向けて蹴りを入れたら、

いつの間にかに集まっている群衆の群れに突っ込んでいった。


最後の一人が、剣を抜こうとしたその時、


「こんなところで何をやっている。この町から追い出されたいのか。」


っと大声が聞こえ、兵隊が数名やって来た。


「兵隊さん。何にもしてないですよ。ただ遊んでいただけですよ。なあ。」


最後の一人が、俺の肩に手を回して、賛同を求めて来た。


「そうです。」


「本当か、何でもないんだな。もう一回騒ぎを起こしたら、この町から追い出すからな。わかったか!」


「解りましたよ。行くぞ。ほら。」


そう言って男は、手を痛がっている男と蹴られた男を連れて人ごみの中に消えて行った。


「お前たちも騒ぎを起こしたら追い出すからな。わかったか!」


「わかりました。すみません。」


「ん、貴方は?」


そう言って兵士たちはサラを見た。サラは変なゼスチャーをしている。

そのゼスチャーが解ったのか、


「騒ぎを起こさないでくださいね。」


といって兵士たちは持ち場に戻って行った。


「ちょっとユート君。この女だれなの?」


ネロが聞いて来た。


「この前少し話さなかったっけ。こいつがミラだよ。」


後ろではミラが大声で


「あ、貴方は!」


って言ってサラを指差しているが無視した。


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