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ライオネル城

やっと、ライオネル城に続いている道に出てきた。


「さ~てと、ライオネル城に向かいますか。」


そう言って3人はライオネル城に向かって歩き出した。


そう言えば、ふと俺はサラのステータスを思い出して言ってしまった。


「サラって183才なの?」


と。だって、地球ではありえない年だから。


そしたら、それを聞いたネロがすかさずサラに向かって


「おばさん。」


と言っている。あ、やばい。


「ちょっと何、年齢ばらしているのよ。ネロもうるさいわよ。おばさんって。」


すっごい剣幕でサラは怒っている。


「ごめんなさい。」


俺はひたすら謝った。


「許さないわよ。どうしてくれるのよ。」


「ほんとに。ごめんなさい。何か言うこと一つ聞くから。」


「ほんとに聞くのね。聞かないと詐さないからね。ふふふ。」


なんかサラがニヤけている。怖い。


ネロは「ふふふ。おばさんだ。」とぶつぶつ言っているし。


女性って怖い。


そんなこんなで、他愛も無い話をしながら、

道中何事もなく2日間かけて歩き、ライオネル城が見えてきた。




ミラで~す。


ユートが旅に出て一月が経とうとしています。


ユートが旅に出てから私は、毎日、馬の世話とダンに定期的に剣術を教わっています。


ユートが旅に出た時、ミランダお母さんは、


「ユート君に付いてっていいのよ。私のことは気にしないで」


と言ってくれた。でもミランダお母さんはさびしがり屋だから、


「そのうち、後からユートを追いかけるわ。」


と言ってその時は、はぐらかした。


でもあれから一か月以上が経ち、私もいろいろと考えた。


いつも近くにいたユートは今はいない。

そんなことを考えるとユートへの思いが大きくなっていくばかり。


最近、ため息も多くなってきたと思う。

また今日も馬の世話が終わり、ミランダお母さんと夕食を食べている時に、


「はぁ~」


とため息をついてしまった。


「ミラ、あんたね。そんなにユート君のことが好きだったら、早く探しに行きなさい。」


「何言っているのユートなんか好きじゃないもん。」


「馬鹿ね。あんた。ユート君が旅に出てから、いつもこうよ。

毎日毎日あんたのため息を聞かされるこっちの身にもなってほしいわ。」


「そんなこと言ったって。」


「もしかして、私が一人でいるとさびしがると思っているんでしょ。」


「そんなこと思っていないわよ。」


「そうなの。じゃあなんで、あなたはここにいるの?」


「うぐ」私は回答に詰まってしまった。


「ミラに心配されるほど落ちぶれていないわよ。逆に私がミラのことが心配よ。

あなたはこれからどうするの。結婚もしないで、私と二人で年を取って行くの。

そんなの親として、認めないわ。

いい、女の幸せは好きな男性についていくことなの。

ユート君が相手だったら、私も安心できるのに。」


「でも~」


「はぁ~。ほんと、ミラってやさしいんだから。でも私のために後悔はさせたくない。

よく聞いてミラ。

もう既にユート君に女の子が出来たかもしれないわよ。

本当にそれでいいの?」


「それは・・・ユートに限って。」


「あらあら。ミラは解ってないわね。ユート君はモテルわよ。」


「まっさか~。」


「ようく、考えてみて。ミラはユート君に何回も助けられたわよね。」


「うん。」


「どう思った?」


「カッコ良かった。」


「そうだよね。ってことは?」


「・・・・」


私は答えられなかった。だって認めるしかないもん。


「やっとわかったようね。で、どうするのミラ?」


「ユートに会いに行く。」


「わかったわ。はい。これ。」


よく見ると見たこともない金貨だった。


「なにこれ、お母さん?」


「小金貨よ。アリス奥様からミラが旅立つときに渡してと頼まれたの。

こんな大金を頂くなんてできません。

と断ったんだけど ミラも私の子どもみたいなものだからっと言ってくれて、受け取ったの。

アリス奥様もミラを応援しているのよ。頑張って。」


「ありがとう。アリス奥様。おかあさん。私、ユートを探しにいくね。」


「もう今日は遅いから明日出発ね。旅立つ前に、アリス奥様とダン旦那様にお礼を伝えてね。」


「解ったわ。私のためにありがとう。頑張わ。」


そんな話をして夜が更けていった。



次の日の朝、アリス奥様の家に行った。


玄関先にアリス奥様とダンが出てくれてので、小金貨のお礼はちゃんとした。


そしたらアリス奥様が、


「ユートに遭えるといいね。」


と言ってくれた。ダンは


「厳しい旅になとると思うが希望を持って頑張れよ。」


と言ってくれた。とてもうれしかった。


その後、馬小屋に向かった。私が世話をしている馬に、お別れをするために。


そしたら馬の持ち主が、私がいつも可愛がっている馬を譲ってくれた。


「いつも、馬たちの世話をしてくれてありがとう。

ユート君を追いかけるんだろ。だったらこの馬に乗っていけ。」


と言って。本当にこの村の人たちは優しい。


この村に生まれて来てよかった。


「おじちゃん。ありがとう。」


そう言ってラサールの町を目指し、馬にまたがって駆け出した。


「ユート、待っててね。」




ユートサイド


ライオネル城は大きい。


見た感じで言うと、城の周りに町があるよう感じかな。


でも、町も城壁に囲まれていて、ここからでは中が解らない。


遠くからみて、城の上部が見えている。

城壁の手前には堀があり、綺麗な水が流れている。


近づいて行くと、堀には城壁から垂れ下がる大きな橋が架かっており、そこから入れるようだ。

その橋の手前で、甲冑を来た兵士が城に入るための手続をしていて、長蛇の列が出来ていた。


「とりあえず並ぶか。」


そんなことを言うとサラが、


「あなたたちお二人は冒険者?」


「そうだけど。」


ネロも頷いている。


「それだったら、たぶんすぐに入れるわ。ギルド証を用意して。」


そう言って長蛇の列から脇にそれ、橋の方に進みだした。


「なんかすごい見られているけど大丈夫かな?」


ネロは並んでいる人の目線にいたたまれなくなって心配そうに言った。


「あれ、サラも冒険者なの?」


「私は違うけど、たぶん大丈夫よ。」


と言っている。なんか怪しい。


そんな話をしていると、検問の場所に到着した。


サラは門番と何が話している。すると


「こっちに来て。ギルド証を持って。」


サラに呼ばれた。俺とネロはギルド証を門番に見せた。


「ようこそ。ライオネル城へ。」


と言って簡単に城下町に入ることが出来た。サラにどうしてと聞くと


「ギルド証は身分証になるから、見せれば大丈夫よ。」


とのことだった。たぶん、それだけじゃないと思うが特に聞かなかった。


城壁の中は、すごい賑やかだった。見たこともない果物や野菜、露店などいろいろなものが売っていた。


俺とネロは興味深々で周りをキョロキョロ見ていた。マジでおのぼりさん状態だった。


「ライオネル城は初めてなの。2人とも。」


「初めてだよ。」


「そうなんだ。ライオネル城のことなら私になんでも聞いて。結構来ているから。」


「それなら魔法の袋を売っているところは知ってる?」


「魔法の袋ね。商業ギルドが扱っていると思うけど、買うの?」


「買いたいけどお金がない。だけど、いくらくらいするか確認しておきたい。」


「そう、わかったわ。案内するね。こっちよ。」


そう言って俺たちは人ごみを分けて商業ギルドを目指した。


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