表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/127

赤オーガの村で

赤オーガのNO2。

最初に出会った時に、剣を持っていた赤オーガを、

NO2みたいなのでサブと呼ぼう。


そのサブに促され、今、赤オーガの村に案内されている途中だ。


サラを襲ったであろう棍棒を持った2匹が、サラと話している。


たぶんあの感じだとお詫びをしているようだ。


今、サブが先頭を歩いていて、次が俺たち、その次が赤オーガ約50匹。


知らない人が見たらすごいことになっていると思う。


さて、赤オーガの村は、どんなところだろう。


後ろから付いて来ている赤オーガはすべて雄で、魔物だから、

さすがに全員、いかつい顔をしている。


じゃあ、もちろん、村には女がいるよな。


たぶん、なんか関西のおばちゃんって感じだよ、絶対。


なんか、考えるだけで行きたくなくなった。

きっと同じ顔で、体のつくりが違うだけだ。


「何、考えているの?」


とネロに聞かれた。


「ネロさ、メスのオーガって見たことある?」


「ないけど、それがどうかしたの?」


「いやあ~、どんな感じなのかなぁと思って。」


「また、スケベなこと考えているでしょ。」


「違うよ。なんかこう、恰幅の良いお母ちゃんって感じなのかなぁと思って。」


「まったくもう、変な事考えていないで、ほら見えて来たわよ。」


村の着いた。森の中にある村だが、そこだけ綺麗に木は伐採され、整えられていた。


村の周りには、土で作った1mぐらいの高さの塀に囲まれ、南側に入り口がある。


その入り口から村に入ったが、中はものけのからで誰も居ないようだった。


もしかすると男しかいないのか。


そんなことを考えていると、サプが、叫びだした。


すると、どこに隠れていたか解らないが、家の中から、ちらほらと姿を現した。


あ、やっぱりおばちゃんじゃん。なんかちょっと安心した。


おばちゃんのあと、子どもらしき赤オーガの小さい子が出てきた。


お、子どももいるのか。なんかここは平和だな。


なんて考えていると、子どもたちはこちらを不思議そうに見ている。


たぶん、人間を見たのは初めてなんだろう。するとふと目に入った。


女の子。


「え・・・」


ビックリした。


解りやすく言うと、少し赤くした、うるせ⚪やつらのラムちゃんみたいな感じだ。


髮は黒のストレートで、後ろで結わいており、頭には小さい2つの角があり、かわいい。


着ている服も、ラムちゃんみたいな水着風の服をまとっている。


なんか赤いから常に恥ずかしいといった印象を受ける。


まずい、まずい。ここは平然に。


と思っていたが、ネロは俺の視線の先を確認して、


「女好き。」


と呟いている。


で、もう一つビックリしたのが、ホロホロ鳥が放し飼いになっている。


ネロがおいしいって言っていた鳥。


ネロを見ると涎を垂らしそうな勢いでホロホロ鳥を見ている。


俺はすかさず


「ネロの食いしん坊。」


って言ってやった。


「何をユート君だって女好きの癖に。」


と返されてしまった。


そのままサブに村の真ん中にある大きい家に案内され、その中には少し豪華な大きな椅子があった。


その両サイドには、先ほどのラムちゃんが2人立っている。


サブは俺に何か話しかけている。


「あそこに座れだって。」


サラが通訳した。


「え、俺が?」


「そうだよ。この村のリーダーなんだから。」


ちょっと女の子は気になるが、なんか祭り上げられているように感じる。でも、仕方ないか。


俺が座ったことを確認したサブは村人たちに向かって叫んだ。


「これより、この方が我々の道しるべになってくれるお方じゃ。わかったかー! 」


「オオー」


と叫んでいるとサラが通訳した。


その後、大きい葉っぱに乗って料理が運ばれてきた。


その中にはホロホロ鳥の丸焼きもあった。



俺はどうしたらいいか解らなかった。


俺たちを歓迎してくれているとは思ったが、

ここで一緒に暮らして行くわけにもいかないし。


どうしよう。


両サイドの女の子は飲み物を注いでくれている。


あ~この子たちとは一緒に居たいが、

そんなこともできる訳がないし。


そんな考え事をしているのに、ネロはホロホロ鳥にガブリついている。


サラは襲われたことが無かったかのように、

飲み物を飲んで、食事を食べて喜んでいる。


まったくもう、なんなのこの連れは。


と考えている時に、サブがこちらに歩み寄って来て、話しかけられた。


「この度はスマン。」


「あれ、人間の言葉、話せるのか?」


「少しだけ。」


「サラ、ちょっといいか。」


サラを呼び出した。


「俺、リーダー無理。ここにずうといる訳にはいかない。」


なんか俺しゃべりが、かたとこになっている。


「大丈夫。好きなようにしてくれればいい。」


「でも、リーダーは村を守ったりしなくてはいけないのだろ。」


「それも問題ない村が滅びることはよくある。」


「え、それは嫌だな。」


「でも仕方がない。自然の摂理。弱いものは滅びる定め。」


「じゃあ、サブがリーダーになれば。」


「おでは、向いていないし、リーダーについて行くのが定め。」


「じゃあこの村、強い魔物に襲われたら終わりじゃん。」


「それも仕方がない。」


とサラに通訳してもらい会話をした。


じゃあどうするか。こんな平和な村が滅びるなんて嫌だし、

一時的でも俺がリーダーになったんだから責任取りたいし、

かわいい子はいるし。


どうすっかな~。


「なあ、この辺で魔物が多く出現する場所はある?

あと、村人の中で将来性が高い奴はいるか?」


「魔物が多く出現する場所は、ここから西に行ったところに、

渓谷があり、その周辺は比較的多く魔物が出現する。

奥に入れば強い魔物もいる。」


「よし、じゃあ明日、そこに出発しよう。

明日の朝までに、優秀なやつを一人を連れて来てね。」


俺は、やることが決まったので、食事を楽しんだ。


「ユート君。LV上げするの? その人って言うか、赤オーガかな、かわいそう。」


とネロが話しかけてきた。たぶんオーク討伐を思い出したんだろう。



つぎの日、家で待っていると、サブが若者を一人連れてきた。


「あれ、お前は、この前の腕を直したやつだよな。」


「こいつ最近、調子に乗っていまして、前のリーダーに可愛がられ、対応に困っていたそうで。

そこのネロさんにやられて、良い薬になったよ。だってさ。」


サラが教えてくれた。


「それじゃ、とりあえず、ステータス教えて」


腕を切られた赤オーガは手を出した。


呼び名は、腕を切られた赤オーガでは面倒臭いのでホープと呼ぶことにした。


この村の赤オーガたちには名前がない。


だから俺が解りやすいように勝手に付けている。


LV10、種族、赤オーガ。なるほど。


剣のオーガも見させてもらった。


LV12、種族、赤オーガ。うん解ったわ。


「ついでにサラもステータス見せて」


「え・・・」


「だめ?」


「だめじゃないけど」


「じゃあ、よろしく」


と言って手を掴んだ。


サラは顔をスッゴイ真っ赤にしている。


「ん、嫌だった?」


「大丈夫。ステータスオープン」


LV6、種族、エルフ。ネロとあった時ぐらいの強さかな。


ん、幸運値が2だぞ。1と2じゃどれくらい違うのかな。解らないな。


そう言いつつ手を離した。


「サラ、なにまだ、顔を真っ赤にしているのよ。」


ネロの突っ込みに下を向いたサラだった。


「じやあ、行きますか。」


そう言って俺たちは渓谷に向かった。



「この辺だそうです。」


とサラが教えてくれた。


「この辺に少し開けた場所は無いか?」


とサラに伝えると、


「また、この前みたいなことをするの?」


とネロが聞いて来た。


「ああ、俺とネロは釣り要因だからな。あんまりいっぺんに連れてくるなよ。」


「大丈夫よ。ユート君より私、鬼じゃありませんから。」


と返された。


「ここはどうですか。だって。」


そこは、渓谷が眺められる絶景で、

下の方には細い川が流れており、

全面には赤い岩が連なっている。


ところどころ、緑のサボテンみたいのが生えており、

赤と緑のコントラストが見事だ。


霧とかもやが一切かかってなく、遠くの方には山が見える。


赤オーガ以外の俺たちは、「お~」と呟いてしまった。


「すごい、いい景色だね。こんな所があるなんて。」


とネロが感動している。


「私のエルフの谷も負けていないわよ。」


とサラが故郷を自慢した。


「へ~じゃあ、今度、サラの故郷の風景も見てみたいな。」


「ぜひ、いらしてください。歓迎しますわ。」


なんかサラが嬉しそうだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ