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ユート、オーク討伐の依頼を受ける1

「お疲れ様。」


受付のおね~ちゃんがカウンターで出迎えてくれた。


俺たちは大きな袋をカウンターに持ち上げて、薬草を出した。


「まあ、すごいじゃない2人とも。

こんなに綺麗に取ってくるなんて。

冒険者になり立てのほとんどの人は、

こんなに綺麗に取れないわよ。

というか、ほとんどは、葉っぱが途中で切れていたり、

根が付いていないから、

しわしわになって使い物にならなかったりと、

ほとんどお金にならない場合が多いの。」


「へ~、そうなんですか。」


ま、普通に考えればギルドのおね~さんは何にも教えてくれないし、そうなるわ。


「どっかで働いていたの?」


「いえいえ特にはしていないけど。

よく考えれば解るんじゃないんですか。」


そう言っている俺をネロは尊敬の眼差し見ている。


「そんなことないですよ。ほとんどの人ができません。

それを冒険者ギルドが教えて行くのです。

一般常識として。

だからその人を見抜くために教えたりせず、

しかも、経験をさせて勉強させるのです。」


「へ~、ギルドがそういう役目も負っているのか。」


「そうです。出ないと貧富の差は広がるばかりで、

どうしても頭のいい人が悪い人を使うという縮図になってしまいます。

それだと国としても良くありません。」


「なるほどね。それで報酬はいくらになりますか。」


「これでしたら一束1銅貨の約束ですが、

本来は2銅貨なのでちょうど2 0 0束あるので、

小銀貨2枚です。」


「どうして2銅貨なんですか?」


「本来は2銅貨なのですが、

ほとんどの初心者冒険者は先ほどもお話ししたようにちゃんと採取することはできません。

ですので、モチベーションを落とさないために、

仕方なく1銅貨を与えているのです。」


「なるほど、冒険者ギルドもいろいると考えているんだな。

あの~それで、どれくらい初心者クエストを達成すればランクが上がりますか。」


「あ~ユートさんたちは、ある程度きちっとした考え方もお持ちですので問題がありませんので、Eランクに昇格できます。」


「え、・・・」


「初めて冒険者になった人は、

ある程度の一般常識を覚えるまでは昇格できません。

私がユートさんとネロさんを見ていて感じたことは、

Eランクに上げても問題ないと感じています。

私の主観ですが、

今まで初心者冒険者を見て来たのでその辺は、

上司から信頼を受けています。」


「ありがとうございます。それで少しお伺いしたいのですが、

お金をすぐに稼ぐ方法はありませんか?」


「どうしたんですか急に。お金が必要になったのですか?」


「そうなんです。

今朝、雑貨屋に行きまして、

そしたら、カウンター奥の陳列棚に魔法の袋というものが置いてありまして、

店員に聞いてみると、

私がお金を入れている袋と同じ大きさなのに結構な量が収納でき、

それでいて、物が腐りにくいと。

さすがに欲しくなりましたね。」


「あ~魔法の袋ですね。あれは便利ですよね~。

で、いくらって言ってました。」


「大金貨1枚、」


「う~ん。あそこは冒険者ギルドの提携店でもないし、

仕方がないか。」


「ん、どういうことですか。」


「魔法の袋は、貴重は貴重ですが、

魔法の袋もピンからキリまでありまして、

一番高いのは、容量が山一個分入るぐらいで、

しかもその中は、時間が止まっている物もあります。

それには値段は付けられません。

質が良いものは、商売人がこぞって買い求めています。

だから値段が吊り上ります。」


「へ~そうなんですか。さすがはギルド職員だけあっていろいろと物知りですね。」


「そんなことないです。

ユートさんも1年ぐらい冒険者をしていれば、

そのくらいの知識が身に着くと思います。

魔法の袋を購入したいのならば、

ライオネル城に行った方が良いかもしれませんね。

あそこはこの町より城下町だけあって品物が豊富です。

魔法の袋もいくつかあると思いますし、

比較してから買われた方がいいですよ。」


「ありがとうございます。そうします。

で、何か良いクエストはありませんか。」


「Eランクですと、報酬がいいのはこれくらいですかね。」


出された依頼書を見るとそこには、オーク討伐とあった。


内容は、最近この村の付近でオークが大量発生している。

その原因は、討伐をしたがる人がいないからです。

だから報酬は一体につき、小銀貨10枚。50体まで用意しています。

これは村人の切なる思いです。

冒険者の方どうぞ御受けください。

なお、確認方法として、オークの鼻を持ってくること。


「はっきり言って誰も受けたがりません。とても臭いので。」


俺は、ネロを見た。


ネロも見られて理解したのか、頷いている。


「すみません。これ受けます。」


「ほんとにいいの?とてもくさいわよ。しかもなかなか落ちないし。」


「大丈夫です。念入りに準備していきますので。」


「そうですか。やり方は問いません。

ただ、村に迷惑がかかることは、村長さんに一言いって了解を得てからお願いします。

ほんとに助かります。

これをしてもらえると冒険者ギルドとしてもありがたいです。」


そう言われ、冒険者ギルドを後にした。


「ユート君、わたしの魔法を充てにしているでしょ。」


「当たり前じゃん。ネロがいないとこのクエストは受けられないよ。」


「ふふ、ユート君に必要とされている。頑張わ。」


「よろしくね、ネロ。」


そうして宿屋に戻って行った。



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