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休息

「あ、ミラさん。良かったわ。会えて。」


そう言ってくるのはカミルだ。


「聞きましたよ。お話し。ユート

さんがダンジョンに攫われたそうで。心中察します。」


「ええ、そうなの。また、お部屋をお借りしてもいいですか? 一日休んだら、また、ダンジョンに潜りますので。」


「もちろん。いいですよ。一緒に家に戻りましょう。それと戻りながらお話もさせていただきたいのですが。」


「ん、なに?、お話って?」


「別に大したことではないんですが、いろいろと噂が広まっていまして。」


「いいわ。戻りながら話しましょう。」


そう言って私たちは歩き出した。


「ミラさんたちは、今、注目の的になっているPTなんですか?」


「え、注目?」


「ええ、たぶんミラさんたちのことだと思うのですが、3人の女神って呼ばれていますよ。でも、ユートさんがPTのリーダーですよね。」


「もちろんよ。」


「でも、町のみんなは揶揄して、悲劇の女神って呼んでます。」


「別にいいわそんなこと。」


ネロが答えた。


「カミルさん。ユートは生きています。でも、ダンジョンに捕まって、動けないでいるかもしれません。だから私たちが助けないと。」


ミラが心境を話した。


「そうですよね。私の息子を直してくれたぐらいすごい人ですから絶対に生きてはすよね。」


「そうよ。ユーちゃんが死ぬわけないじゃない。私も救ってくれたんだから。」


サラがミラの意見に賛同した。


「ちょっと。それだったら私もユート君に救われたわよ。」


ネロも負けじと反応している。


「もう、そんなの解っているわ。私たちは、ユートに助けて貰ったの。だから今度は私たちがユートを助ける番。」


「そうね。」


3人は頷いた。


家に着いた。


女性陣は各々自分のベッドに戻り、そのまま深い眠りに就いた。


少し時間が経ったころ外がうるさい。


何かもめているようだ。


「なんか外が騒がしいわね。」


ネロが起きた。


「ええ、ちょっと様子を見て来るわ。」


そう言ってサラは表に出た。


「ごめんなさい。起こしちゃった。」


カイルがサラに言った。


「どうしたの? この人たち?」


そこには、5人の男がぼこぼこにされて倒れていた。


「すまね~。お姉ちゃん。起こしてしまって。」


そう言ってくるのは、この辺を仕切っているグループのリーダー、ナムルだ。


「ん、別に問題ないわよ。それよりどうしたの?」


「どうやら、あなたたちを付けていたみたい。それをナムルが見つけて問いただしたら、こうなったみたい。」


「ん。どういうこと?あれかな、逆恨みかな。」


「ああ、何も言わないがこいつらは、たぶんお前たちが捕まえた盗賊たちの仲間だろう。」


ナムルが言った。


「やっぱり。ごめんなさいね。私たちの揉め事に巻き込んでしまって。」


サラは申し訳なさそうに言った。


「いいのよ。気にしないで。こっちは片付いたから休んで。」


カイルはサラの背中を押して、家に入るように押した。


「ちょ、ちょっと。ナムルさん。ありがとうございます。」


そう言ってサラは家の中へと押し込まれた。


「サラ。大丈夫だった?」


ネロが家に入って来たサラに聞いた。


「ええ、なんか盗賊の仲間に付けられていたみたい。

でも、この辺を仕切っているグループが片づけてくれたわよ。」


サラが説明すると、ネロは眠いらしく「そう」と言って、目を閉じた。


「やっぱり、ネロちゃんも疲れているのね。私も、明日に備えて寝ま

しょう。」


そう言ってサラもベッドに入った。


朝方、


「ユート!」


ミラは大声を出して起きあがった。


「ん、どうしたのミラちゃん。」


サラが心配そうに聞いている。


「ううん。ごめん。なんかユートの夢を見たみたい。」


「どんな夢?」


「ユートが蝙蝠男に噛まれる夢。」


「なにそれ?」


「わかんない。夢だし。」


「もう、ミラちゃんもユーちゃんのことが心配なのね。私もユーちゃんの夢を見ちゃった。」


「どんな夢?」


「言えない。うふふ。」


「いいわ。聞かない。変んな妄想でしょ。どうせ。」


「なによ。変な妄想って。ミラちゃんみたいに私は発情してないもんね。」


「なによ。私がいつ発情したのよ。」


「うるさ~い。2人とも何、取っ組み合っているのよ。そんなのユート君に見られたら恥ずかしいわよ。」


ネロが当たり前に、ミラとサラに怒っている。


「サラ、休戦よ。ネロに言われたらおしまいよ。」


「そうね。まさかネロちゃんに咎められるとは。」


「ちょっと二人とも、楽観し過ぎよ。ユート君の命がかかっているんですからね。」


「は~い」


「じゃあ、もう体は休めたわね。す

ぐに出発するわよ。」


「は~い」


そうして女性陣は準備を始めた。


「おはようございます。」


そう言ってカミルが入って来た。


「あら、みなさんお目覚めで、もうダンジョンに行かれるのですか。」


「ええ」


「よかったら、その前に食べてください。」


そう言ってカミルが朝食を用意してくれた。


「ありがとう。いただくわ。」


ネロが答えた。


「あ、そうだ。カミルさん。よろしかったら、ここを使ってください。私たちはいつダンジョンから戻ってくるか解りませんので、これ以上カミルさんに迷惑はかけられません。ちょっと改造してしまったけど、暮らしやすいと思いますよ。」


とミラが言い、ネロとサラも頷いている。


「え、いいんですか。ありがとうございます。息子のサロンも喜びます。でも、ダンジョンから戻ってきたらまた来てくださいね。その時は今と同じように自由に使ってください。」


「ありがとう。その時はお願いします。」


そんなやり取りをしながら朝食を取って、家を出た。


途中、この辺を仕切っているナムルに偶然出会い、


「昨晩はありがとうございました。」


とサラが挨拶すると、


「ユートさんのことは気の毒だったな。まだ死んだわけでもないから見つかるといいな。

お前たちが盗賊を捕まえてくれたおかげか、ここの不審者も少なくなってな。こちらもお礼を言いたい。

ありがとう。俺たちはお前たちを歓迎する 気軽にまた、来てくれな。」


「ええ、ありがとう。ユートを見つけたら、また寄らせてもらうわ。」


そうミラは答えてナルムと別れた。


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