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盗賊の一味

1 5階に降りると、別のPTが居た。


しかも20名ぐらいの大所帯。


みな適当に地面に座っている。


私たちは、それを無視して歩き出した。


「おいおい、お嬢ちゃんたち、この先は危険だぞ。魔物が集まっている。行かない方が身のためだぞ。」


「そう、ありがとう。」


サラが軽く返答した。


ミラはどんどん進み、その後をサラとネロがついて行った。


「おいおい。俺たちの忠告を無視して行きやがったぞ。どうする。俺たちが本気で戦えば、魔物は何とかなると思うが、その後の予定は何も出来なくなるな。」


「ああ、でもさ、俺たちもこの先の魔物をどうにかしないと予定どころではないけどな。」


「そんなの解っているよ。だから、あいつらの合流をここで待っているんだろ。それにしても遅いな。」


「おい、女どもは行っちまうぜ。

しかし、飛び切りの美人だったな。しかも3人。うまそうだな。」


「やっぱりお前もそう思うか。うししし。攫うか。」


「賛成。」


「よし。みんな追いかけるぞ。」


男たちは、3人の美女を追いかけた。


すると早い段階で、魔物と戦った痕

跡が現れた。


なぜなら、魔物の死体が現れ出したからだ。


「おい、なんじゃこれ。」


「あの3人がやったのか?」


「ああ、それしか考えられないだろ。おい、お前たち、魔物の死体を回収しろ。俺たちは先に行く。回収しながらついてこい。」


そう言って、リーダー格の3人は走って、追いかけた。


「おい、こんなこと、あり得るのか。」


3人の女が進んでいったであろう経路を辿ると、魔物の死体が転がり、その数の多さを見て驚愕している。


「なんだ、この数は。いくらなんでも。ありえねぇ。」


しばらくすると、何とか3人に追い着いた。


男たちは息を飲んだ。


その美しくも華麗な舞いを。


しかも3人の美女から発する殺気に恐怖に慄いた。


「信じられね~。夢を見ているようだ。美しすぎる。」


「なんちゅう戦いだ。あれだけ魔物が居るのに、返り血一つ浴びていない。すごすぎる。」


「ぼー」


最後の一人は放心状態だ。


「よし、魔物が途切れたわね。一気に抜けるわよ。」


そんな声が聞こえてきた。


「あ・・・」


男たちは、何か言おうとしたが、何も言えなかった。


ただただ、女たちの背中を見送るしかなかった。


教秒経って、


「おい、俺は感動しちまった。あの3人は戦いの女神だ。」


「ああ、そうだな。あれは綺麗すぎる。」


「あいつらはいったいなんなんだ。名のある冒険者か。」


「おい、死体を回収してもう戻ろう。今日の稼ぎはもう十分だ。」


「ああ。あんなもん見せられたら、早く地上に戻って、酒でも飲みたいな。」


「おお、それはいい考えだ。久しぶりに飲むか。なんてったって今回は誰も怪我を負っていないしな。ラッキーだ。」


「よし、あいつらに回収させて戻ろう。」


そう言って3人の男は、他のメンバーと合流した。


男たちは地下一階に戻って来た。


「えへへ~ 今回はちょろかったな。いつもこうだとありたいよな。」


男たち全員が笑顔だ。


いつもは,一人や二人が死んだり、怪我を負ったりしているからだ。


「ようし、今回は褒美を増やそう。予定より魔物の数が多い。あの女神様のお陰じゃ。」


「オォー」


かなり盛り上がっている。


男たちはダンジョンを出た。


すると、大勢の冒険者ギルドの職員が俺たちを出迎えた。


「どうしたんですか。何かあったのですか?」


「強盗の罪でお前たち全員を拘束する。大人しくしろ。」


「おい、ちょっと待て 俺たちが何をしたって言うんだ。ことと次第によってはギルドだろうが許さないぞ。」


「ああ、解った。解った。いいから大人しくしろ。」


「何だ。証拠は有るのか!」


「おい、あいつを連れてこい。」


そう言ってユモトが現れた。


「おい、ユモト、裏切ったのか。てめぇ、ただじゃすまさないぞ。ぶっ殺す。」


ユモトは凄まれたのが下を向いた。


「はいはい。お前たちの悪行はすべて聞いている。大人しく捕まれ。」


「うおー!」


男たちの一人が職員を切り付けた。


バッ。


男は手刀で首を叩かれ前に倒れ気絶した。


「はいはい。冒険者ギルドを舐めるなよ。」


そいつはギルド長だった。


「ちくちょう。離せ。離しやがれ。」


男たちはギルド職員に拘束され、連れて行かれた。


「まさか、こいつらが関わっていたとは。ギルド職員に対しては特に変な対応はしていなかったから誰も気がつかなかった。

これでダンジョンの中も平和になり、普通の冒険者も中に入りやすくなったぞ。

国からはダンジョンからの収入が落ち込んでいると言われ、早く正常に戻せと言われていた。

これも、ユート殿のお陰か。

なんか、悪いことをしてしまったな。」


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