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剣の威力

「さーて、次は湖地帯だ。」


俺は、低空飛行で、湖地帯を目指した。もちろんジェネラスソードも一緒だ。


何で名前があるかっていうと、魔法の袋にしまったら、名前が表示されたからだ。


しかも不思議なことに、魔法の袋にしまったら、勝手に魔法の袋から出てきちゃぅんだよね。


魔法の袋が嫌がっているのか。


はたまたジェネラルソードが嫌がっているのか。全然わかりません。


だから、普通に剣を腰に携帯してい

る。


砂漠地帯に入ってしばらくすると、サタンに出会った。


「おい、その剣は何だ?」


サタンに凄まれた。


「この剣は、宝箱からドロップしまして」


「まさか、ユニークか?」


「ええ、金の」


「えええ~」


サタンにも驚かれた。


「しかし、すさまじいな、その剣は。」


「え、解るのですか?」


「当たり前だろ。俺ぐらいになると解るんだよ。うまく鞘が力を押さえているみたいだが、だから余計に脅威に感じる。」


「そうなんです。威圧か半端無いっす。地上で出したら、それこそ近くの人は気絶しすまよ。」


「ああ、それは使うところを気を付けた方がいいな。でも、いざって時に使えないと困るから、ここの場所で慣れて行った方がいいぞ。」


「わかりました。今から湖地帯に行くところですので、そこで試し切りをしたいと考えていたところです。」


「そうか。頑張れよ。」


そう言ってサタンは飛んで行った。


あの人は何気に忙しそうだな。なんか自分でいろいろ考えて、やっているからここに居ても飽きないんだろうな。


そう考えながら、湖地帯に着いた。


俺は、ゆっくりと湖の表面を移動している。


すると、水面から大きな影が現れた。


その影から、勢いよく水が噴き出してきた。


「うわっ」


俺は、頑張って避けたが、全部避けられるわけでもなく、びしょびしょに濡れてしまった。


すると、水面に映っていた巨大な影は、スーッと消えて行った。


あれ、どっか行っちゃつた。


ワームの時にみたいに獲物の俺が小さすぎて諦めたのかな。


なんて思っていると遠く前方に鰭が現れ、高速でこっちに向かっている。


お、勢いを付けて飛んでそのまま俺を飲み込む気だな。


ようし。


俺は、左腰に付いている剣を握って構えた。


ザザザザーー、ドーン。サメか。


いや違う、クジラでもない。


何ともいいようがないがワームよりデカくて、頭が2つ付いていて、一つの頭の方がでかい口を開けて俺を飲み込もうとした。


俺は、その魚に合せて、剣を抜いた。


「うぉーー」


と叫びながら双頭の真ん中に剣を入れた。


あ、やばい。


なんだこの切れ味は!


魚の飛んだ勢いと重さで剣を境に綺麗に真っ二つに胴体が切れてしまった。


バシャーーン。


巨大な魚は、湖に落ちて、そのまま、沈んで行った。


しばらくすると、大量の大小の魚が集まり、食べだした。


ここは、アマゾンか。ピラニアみたいだ。


水面が弾けて、すごいことになっている。


しかし、すっげーな、この剣は。魚を切ったのに、全然汚れていない。


自動掃除機能でも付いているのかって思うほど綺麗だ。


なんかこの剣を持っていると、頼ってしまって、もう強くならなくてもいいかなって感じになっちゃう。


まずい。まずい。


それではだめだもう、湖地帯で、修業するのはやめよう。


たぶんさっきのが、湖地帯で一番強い奴なんじゃないかな。


だから、湖地带はもういいや 最後の火山地帯の様子を見に行こう。


そう言って火山地帯を目指した。


お、なんか湯気が山ているぞ。


遠くの方で湖からもくもくと白い蒸気が出ている。きっとマグマが湖に落ちているからだろう。


「ふう。意外と遠かったな。」


俺は、地上に降りて火山のふもと、周辺も歩いた。


ここは熱いな~。


さすが火山帯だけのことはある。


そう思いながら歩いていると、洞窟を見つけた。


何で歩いているの? 飛んで行けば早いんじゃない。


と思うかもしれない。


俺も、最初は、飛んで頂上に行ければと思ったんだけど、俺が近づくと、噴出するんだよね。


溶岩が。しかもピンポイントで。


飛んでは行かせないぞって感じで。


だから仕方がない。だって、俺の魔法ではこの溶岩はどうにもできないから。


魔法同士なら魔力が強い方が、有利だが、溶岩はたぶん自然物だから、いくら俺が魔力を高めた所で、意味が無い。


熱いものは熱い。


しかも溶岩って1, 000度ぐらいあって、近づけない。


氷の魔法や水の魔法が得意だったら、自分の周りの温度を下げることが出来るかもしれないけど。


俺には無理だ。


でも、ここを通らないと地上に戻れない。


だから俺は、熱いのを我慢して洞窟の中に入った。


お、意外と中は涼しいぞ。これなら進めるか。


と思い進んでいくと、やはり甘くは無かった。


道に沿って一部、溶岩の川が流れていて、熱風が辺りを包む。


はぁ~。だめだよ。ここは通れないよ。


熱すぎて。出来るだけ溶岩の川から離れて壁沿いに歩いたけど、


時折、ボハッっとガスが噴出する時に周辺の温度が2 0 0度くらい上がって俺の肌を焼く。


しかも、なぜかコモドドラゴンみたいなトカゲも道を塞いでる。


よく観察すると、溶岩を食べているみたいだ。


無理だー。


何か対策をしないとここをクリアするのは無理だ。


あ、トカゲが一匹こちらにのそのそと歩いて来た。気づかれた。


ま、一匹だから問題ないだろう。


と思っていたら、口から、溶岩が発射された。


「うわっ!」


俺は、なんとか避けたが、俺の脇を通る時、お土産に、俺の肌を高温で焼いて行った。


マジか~魔法じゃなくて、物理的

な攻撃か。


自己修復が出来るから問題ないけど、さすがに今の装備ではあの数を相手に出来るはずがない。


と思い、俺は急いでその場から逃げた。


なんだよ。ここは 最後の最後で相性が最悪じゃんか。


なんか対策をしないと、どうにもなんないな。


そう言えば、メーテルは氷の住人だからなにかいいアイデアがあるかも。


なかったらサタンに聞くしかないか。


それでも無理だったら。湖に潜って、宝さがしだな。


熱耐性の装備が出ればいいんだか。


取り合えず戻るか。


俺は帰った。



「どうしたのユートさん。服が焼けてボロボロよ。」


「湖地帯を抜けて火山地帯に行って様子を見て来たんだけど、この有樣。」


「え、もう火山地帯に行けたの?」


「ああ、この剣を試しに使ったら、湖地帯の魔物ではぜんぜん歯応えが無くて。」


「その剣を使ったらそうでしょうね。」


メーテルは青い顔を更に青くしている。


「でさ~。火山地帯は熱すぎて奥に入っていけないんだよ。なんかいい方法知らない。」


「実は、ユートさんが、このダンジョンを出ると聞いた時から、火山地帯を攻略すると思って、これを作っ

といたの。」


そう言って、メーテルは部屋に取りに行った戻ってくると、


「じゃ~ん」


と言ってフード付きの青いローブを広げた。


「おお~」


俺は、感心した。


「これはね、黒ヒョウの皮で作ったの。しかもね。私の魔力を込めて作ったのよ。」


このマントは、青い。表面は薄い産毛が付いている。


その産毛の間からミストというか冷気が少し出ていて、上手く毛に纏わり付いて、熱を遮断する仕組みみたいだ。


耐熱に効果がありそうだ。


「ちょっと、羽織ってみて。」


「うん。ありがとう。」


そう言って、俺は羽織った。


長さは足のくるぶしぐらいであり、全身を覆える大きだ。


「ありがとうメーテル。これで何とか火山地帯を攻略できそうだよ。」


と言って俺はすぐにローブを脱いだ。


だってすっげー冷たいんだもん。


「これ、すっごく冷たいね。」


「当たり前よ。私の愛が入っていますから。」


「え····」


「なにか?!」


「だって普通は、愛って温かいものじゃあ。」


「なによ。温かいわよ。このローブは物理的には冷たいけど。

私の温かい気持ちを入れたってことよ。文句ある?」


「ごめんなさい。文句ないです。とても暖かいです」


「そうよね。なんだったら。いつも着てていいからね。」


とメーテルは笑いながら答えた。


おれは、ちょっと涙目になった。


「でもさ、メーテル。これがあれば、メーテルも火山地帯を越えられるんじゃないの?」


「無理よ。これを作るのに一体どれくらいの魔力と時間がかかっていると思うの。

同じものをもう一つ作るのに、今からだとあと100年はかかるわね。」


「え、そんなに?」


「あれを見て 」


そう言ってメーテルは、ガラスの様な丸い透明な入れ物を差した。


それはガラスの上と下には、金色に輝いた装飾が施されている。


「今は中身は空でしょ。ちょっと見てて。」


そう言ってその入れ物にメーテルは

両手をかざした。


すると、本当に少しだが、薄く青みかかった。


「ふう。これに毎日魔力を貯蓄しているの。いざって時の為にね。」


「ごめん。悪かった。もっと簡単に出来ると思ってた。それに俺の為に

100年分の魔力を使ってくれたなんて。」


「いいのよ。いつもはこれを使って、魔物を狩って食料を確保してきたの。でも、ユートさんが来てから食料は十分。見て。」


そう言って近くの部屋の扉をメーテルが開けると、そこには綺麗に切られた肉の塊が氷漬けになって綺麗に並べられていた。


「すごいね。」


「ええ。これでほぼ腐らないわ。これだけあれば、100年は余裕ね」


「100年って、いくらなんでも足りないでしょ。」


「大丈夫。ここの魔物はかなり強いからその分、栄養満点よ。一日2口で十分よ。」


「そうなの。メーテルって大食いかと思っていたのに」


「失礼ね。ユートさんが魔物をいっぱい取って来てくれるから、今だけ贅沢をしているんじゃない。」


「あはは~。冗談ですよ。でも、早いうちに迎えに来ますからね。」


「ええ、お願いね。」


「おれ、たぶん。次は、火山地帯を越えると思う。だから次に戻ってくる時は、仲間と一緒の時だよ。」


「そう 良かったわね。地上に戻ってからもかんばってね。」


「ありがとう。メーテルさんには本当にお世話になりました。必ず、迎えに来ます。そして必ずメーテルさんを故郷にお返しします。」


「うん。ありがとう。本当に待ってていいのね。」


「はい。約束します。」


「ありがとう 」


ちょっとメーテルさんは寂しそうだった。


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