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008-水浴び


3人の限界まで青きドラゴン 青龍 と戦わせ最後の〆にタロウが動いた。


「青きドラゴン。青龍!おまえを倒す!」


タロウは、一瞬でドラゴンとの間合いを詰ると同時にドラゴンのブレスが放たれたが右に大きくステップを踏み回避する。

初めて見せるブレスの威力は、絶大で二射目・三射目とタロウの動きを追って放たれた。

パズーカーをマシンガンのごとく撃たれている状態だ。


ドラゴンは、自ら放つ無数のブレスにより地面がえぐれ身体を半分近く地に沈めた。

身動きがとりずらくなったドラゴンに止めを刺すべくタロウが攻撃を開始した。

尾のなぎ払う攻撃が封じらたことでドラゴンの死角に素早く旋回すると、

瞬時に頭部に飛び移り両の目に短剣を突き刺し魔眼の能力を奪い取った。


『グギャ~~!ガァァ~!』


ドラゴンが最後の雄叫びとばかりに吼えブレスを放つが魔眼を無くした為か

大量の水が放水されただけとなりドラゴンのブレスで出来たクレーターが池と化してしまった。


ドラゴンの両の目があった場所から青く輝く小石が飛び出しタロウの左手に握られた。


その石は、強い光を放つと同時にタロウの中に消えた。

タロウは、魔眼の異能が自分の物になったことを確信した。


身体中の体液が高揚し沸き立ち細胞が活性化される。

タロウは、右手に短剣を握り左手に消えた魔眼の力を噛み締めるように強く握り締めドラゴンを威圧した。


ドラゴンは、負けを認め自ら体内の魔石を生み落とした。

そんなドラゴンを見てタロウは、思う。

水中産卵か・・・・なんどみても慣れないな。


産み落とされた卵の殻が水に溶け消えると青く輝くこぶし大の魔石が水面を浮遊してタロウの足元に流れ着いた。

タロウは、それを拾い上げ言った。


「これは、もらって行くがいいかな?」


ドラゴンは、何も言わずに霧が散る様に姿が消滅しその場には、背負い袋が残されていた。


タロウは、青きドラゴンが残した背負い袋をみて思った。

あれは、浮遊してるが取りにいかないとだめか?

池の中央で浮かんでるし・・・・


「ハル!」


タロウは、自分で取りに行くのはめんどくさいと思いハルに頼もうと呼んだのだ。

ハクがほふく前進状態でハルの尻を腰に乗せフーがハクの腋の下を跨ぐ形で足を入れハクに乗せたハルの上体を尻でささえながらこちらに移動している。


下僕3人の織り成す異様な光景がタロウに迫り来ていた。


フーの状態は、ハクを足首に挟み尻でハルの背中をささえ垂れ下がった両腕がぶらぶらと揺れている。


「タロウ・・・腕が動かない・・・」


ハクの状態は、うつぶせになりハルの尻を腰に乗せ腕だけでほふく前進を行っている。足はずるずると上半身にひきずられている状態である。


「タロウさん・・・・・足が・・・・下半身が・・・・それとハルさん動かないで!」


ハルの状態は、ハクの腰に尻を乗せ脚を伸ばし身悶えながら頭をフーの尻に支えられていた。


「タロウ様・・・・・ダメです・・・・これ以上逝けません。 はぁぁ~~ん!」


なんとも悲惨な状況だとタロウは思い言葉をかけた。


「装備を解除したら少しは楽になるかな?」


タロウが言い終わるとハクとハルは、ブレースを操作して装備を解除した。

フーは、足を使って手首のブレースを操作しようと頑張ってたが解除できずにハクに解除してもらう事になった。


「腕の筋肉が破壊されつくした感じだ。地獄の訓練以上に過酷な状況だな。」


「私は、下半身の感覚はあるのですが、脚を動かせません。」


「下腹部の奥が痙攣しつづけてます・・・息をするだけで  ハァ~ン・・・」


ずたぼろ状態の三人に非常の命令をタロウが下した。


「3人で泳いであの袋を取ってきてくれ!」


3人は、大きく目を開きギョっとした顔でタロウを見ている。


タロウと3人のやりを見ていたアユミが走って来る。


「ミヤビ!三人の状態を見て泳げってなによ!死ねって命令してるの!」


タロウは、思う。

あいかわらず暑苦しい奴だ。


「お姉さんには、関係ないんじゃ?それと僕は、ここでは、家名は無い!ただのタロウだ!」


「家名を言われるのが嫌ならタロウと呼んであげる。でもこの3人にこれ以上ひどいことをするのわ私が許さない!」


タロウは、思う。

まじ、うざい!

ここは、異世界・・・・魔物が住み死がいたる場所で訪れる地・・・

歪んだ微笑を浮かべタロウは、アユミを見つめた。

タロウの不気味な笑みにアユミは、タロウを見つめたまま固まっている。


「タロウ様!取ってきます。」 『ジャボン』

「私も行くよ!」 『ザブン!』

「タロウさん 動かずにまっててください。ハクも行ってきます。」『チャッポン』


ハルが疼く身体を引きずり池に入り、フーが倒れる感じで飛び込み、ハクは、腕で地を掻き池に頭からすべりこんで行った。


「ハルコさん!フーガさん!コハクさん!」


アユミは、三人の行動を見て三人の名を叫び、しばし池をみつめている。


「3人共上がってこないよ!死んじゃうよ!この人殺し!」


アユミは、叫びながらタロウの胸倉を両手で掴み威圧するがタロウが動かない事で自ら池に飛び込み3人を池の岸に引上げた。


「ハルコさん!フーガさん!コハクさん!死なないで!息をして!3人を助けて!」


アユミは、3人を揺すりながら泣き叫んだ。


『ゲッホッゲホ・・・・』 「アユミさん?」


『ゴッホ!・・・ゲッボ!・・・』 「あれ?」


『グッフ・・・グッフ・・』 「まだ回復してない。」


「よかったよ~!3人共生き返った。わぁ~~ん!わぁ~ん・・うぇ~~ん」


「ハク、動いていいか?」


「殺しちゃだめですよ。タロウさん・・・」


ハクの同意を取り付けたので泣き叫ぶアユミに手刀を軽く入れて気絶させ、3人には、再び池に入ってもらい袋の回収作業に戻ってもらった。


青龍のブレスで出来た池の正体は、培養液であり赤ちゃんを包む羊水と似たもので溺れて死ぬことも無く壊れた細胞を活性化させる万能液なのだ。


ただ、粘度が高くぬるぬるするのでタロウは、入りたく無いのだ。

3人もこの溶液がだだの水では無く万能液だと最初から分かっていたが、

タロウと同じで入る事をためらっていただけなのだ。


なにも分からないアユミは、1人でピエロを演じる破目になった。

そんなアユミとケンジを尻目に、タロウは、3人が回復したら飯でもくうかな?と考え池を見つめていた。



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