表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

003-出会い


白きドラゴンを倒し無音の静けさの中で、白く輝く魔石を袋に入れると、リストバンド形AIを使い、この広間を分析しはじめた。


ここに来る道以外ここより出る道は、無いようだ。

ただ入り口から一番離れた岩壁に小さな水貯まりあるようだが

ただの水では無いようだ。

かなりの粘度のある液体で細胞を活性化させる効果があるようだ。

これも研究材料になると思ったので取得することにした。

ほかに気になる物も無いのでタロウは来た道を戻りつぎのターゲットへ心を弾ませていた。


『グギャギャギャー  グギャ! ギョッギョ グギャー!』


「はやく!・・・・きゃー・・・・」


タロウが、奇声を上げる者たちを確認すると、テラスでいじめを受けてた3人と獣の皮を纏った2人が追われ、子鬼のような姿の生き物が追いかけていた。


タロウは、彼らとの遭遇を避ける為に素早く広場へと踵を返した。

広場に入り早々壁を駆け上がり張り出した岩に腰を掛けて待機していると

いじめられっ子3人と2人の亜人種が小鬼に追われて広間へと入って来た。


「えっぇ・・・」

「行き止まり・・・」

「おわり・・・・だ」


いじめられっ子3人は、早々にあきらめた様に言葉をはいたが


「あなた達も戦って!」

「ハク!そいつらにかまうな!」


タロウは、思う、あの亜人は、この世界の住人なのか?

見た感じ獣と人間のハーフに見えるからだ。

2人とも身体能力は、かなり高いようだがあの数の敵を相手には分が悪いだろうとも思った。

いじめられっ子3人も逃げ場が無くなった事で少しやるきになったようなのでタロウは、しばし彼らの様子を観察することにした。


小柄な女、アユミが、2人の援護に走ったはいいが素手での格闘が苦手と見え二人の戦いを援護する形で牽制し始めた。

グラマーなお姉さん、ハルコは、気を飛ばし2人の前に防御膜を展開してるようだが微力すぎてほとんど役にたってない。

もやし男、ケンジが、気を大地に流し敵の足元の地面を揺れ動かし妨害しようとしているがこちらもたいして役にたってない。


敵は、36匹居る。

5人ともがんばってはいるがやられるのは時間の問題だとタロウは、感じた。


子鬼が5人を囲み勝利を確信した雄叫びをあげると同時にタロウは、彼らの足場に気を送り液状化させ子鬼を膝上まで一気に沈め液状化を解くとその場の全ての者が地面に固定された。

固定された全ての者が驚きで声も出せずに固まっている。


そんな状況でタロウは、子鬼に囲まれた5人の足元のみ液状化させ彼らに声をかけた。


「おまえら、ぼ~っとしてないでそこから出ろよ!」


彼らが、タロウを確認すると慌ててその場から抜け出した。


「きみは?」


亜人の女性の質問に、タロウが返答した。


「質問してる余裕あるの?敵が目の前で、まだ生きているよ。」


子鬼達も、我に帰ったとみえ脚を地面から引き抜こうと、もがきはじめた。

それを見て亜人の女が学院の3人に話しかけ、何か確認をしている。


「この鬼は、身動きがとれないから殺す必要が無いと3人が言っているので・・・」


俺は、腰掛けてた岩場から彼らの前に飛び降り一匹の子鬼の首を手刀できり飛ばし殺した。

頭と切り離された首から、心臓の鼓動に合わせ真っ赤な血が吹き上がた。


「なぜ殺す!」


小柄でやせぎみのスレンダー少女、アユミが俺を睨み怒鳴りだした。


「動けない者を殺す必要は、無いでしょ!この鬼畜!」


「お姉さん!自分の考えを他人に押し付けるのは、やめてくれないですか。」


タロウは、そう言うとまた一匹の首を手刃で切り飛ばす、切り飛ばされた頭が、宙に舞い、残された首から盛大に血が舞い上がり頭の無い上半身を痙攣させ絶命した。

宙に舞った子鬼の頭をタロウが、左手で掴み取り、彼らに子鬼の生首をみせる。

胴体と切り離された顔が、口をパクパクさせ、まぶたが痙攣し、白目を返すと動かなくなった。


タロウは、生首をアユミに向かって見せたのだが、アユミの後ろには、学院の2人と亜人の2人もいた。

学院の3人は、顔面蒼白状態で大きく目を見開き、口を半開きにして小刻みに震えていた。

そんな3人と違い2人の亜人は、平然とした態度でタロウを見ていた。

そんな状況で、タロウは、問う。


「このお姉さんが言うのが正しいと思いますか?」


「・・・・・・・・・・・・」


返事がないので再びタロウが話した。


「もし僕が助けに入らなかったらこの生首は、あなた達だったのでは?」


タロウが話し終え、しばしの沈黙をやぶるように、タロウの突き出した手から生首が地面に落ちると、亜人の2人が動いた。

動けない、子鬼の首を刃物で切り裂き命を奪いはじめたのだ。


「あなた達まで!やめなさい!」


子鬼も残り2匹となった時、タロウが再び話し始めた。


「あと二匹だ。2人は、どうするの?殺す?それとも見逃す?」


タロウの問いに、やせぎみの超グラマー少女、ハルコが動いた。

亜人の娘に近づき刃物を借り受け一匹の子鬼の前に立ち、首を切り飛ばそうと必死に刃物を振るうが殺される子鬼も必死に抵抗している。

子鬼に、無数の切り傷を負わせ殺すことはできたが彼女も子鬼の必死の抵抗で多数の切傷を負ってへたり込んでしまった。


もやし男、ケンジは、ハルコの姿をみて怖気きった顔で首を横にふった。

やせぎみのスレンダー少女、アユミは、当然とばかりに首を横に振る。


最後の一匹を獣人の娘が殺しこの場に静けさが戻ってきた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ