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002-白きドラゴン


3人に対するいじめもそろそろ終る、そんな時

テラス一帯の空間が陽炎の様にゆがみ始めた。


空間が歪み次元の狭間へと身体が流れ大きな時の流れをタロウは、感じていた。


タロウは、左右の手首に着けたリストバンド形AIを起動し状況の記録と分析を同時進行でおこなった。


この未知の空間に引き込まれてすぐに大量の気が身体に流れ込むのを感じ気が暴走しないように制御を行ったが、流れ込む量と力のすさまじさに意識が飛ばぬよう必死でこらえた。


空間の歪みが消えると暗黒の闇一色がタロウを取り巻き支配していた。


ここは、空間の狭間なのか?AIが情報収集と解析を繰り返す。


暗黒の闇が少しづつ消え周りの状況が見え始めた。


AIの情報から、ここが異空間で、この洞窟を抜けた先に未知の現実空間があると推測された。


出口は、1箇所ではなく複数あるようだが濃密なエネルギー体が出口を塞ぎ通ることを阻んでいるようだ。


3ヵ所の出口と思われる場所で濃密なエネルギーと争いが起こっている。

タロウと同時にこの空間に送られた学院生と、これから旅する各地のアースより迎えに来た精鋭達が、この洞窟を抜ける為の戦いを行っているのだ。


生徒が、この空間に現われると同時に各アースの聖地で控えていた迎えの者達が彼らの居る場所へと引き寄せられたのだ。


なぜ3ヵ所の出口で戦闘となっているかと言うと、迎えに来た者達の権力争いが起因であるが、その起因については、後ほど話すことにしよう。


太郎が、なぜほかの者から遠く離れた場所に1人で居るかというと、異空間に引き込まれてからの耐性の差が原因であり、意識を保った状態でこの空間に降り立った者は、太郎が始めてとなるのだ。


出口で集団戦に参加している学院生は、30名で10名づつに分けられ、10倍以上の迎えに来た精鋭達と共にいる、それとは別の場所に学院生3人と迎えの精鋭2人が魔物に追われタロウのいる最奥へと追いやられてくる。


タロウは、出口に進むのではなく、この場に近い高エネルギー源へ歩き始めていた 。


歩きながらタロウは、思った。

あのテラスに居た者は、全員飛ばされたのか?

太郎が降り立った場所には、一切の足跡がみあたらず、自分が歩いた後に足跡が残るからでありこの場所は、しばらく誰も通ってないとわかったからだ。


タロウが、しばらく進むと天井にナイフが突き刺さっていることに気づいた。

そのナイフから大いな力を感じ、自分の物にしたいと思うのだが、ナイフの刺さっている天井は、おおよそ5mの高さがあった。

壁を登る?石を投げ?・・・・

物は試しと思い、軽く身体をほぐし、ジャンプすると5mぐらい上の天井に軽く手が届き、問題無くナイフを取る事が出来た。

そのナイフをタロウは、腰ベルトのサイドにあるフックフォルダーに差し込み先に進みながら思った。

あのジャンプ力は、この空間に来たことで身体能力が格段に成長したってことかな?この先の高エネルギーと接触したらさらに成長できる気がするな・・・


高エネルギー源に辿り着くと、そこには精の力を持つ生命体の姿があった。

一言で言えば白い西洋ドラゴンそのもので、強固な鱗に覆われ巨体で、背には大きな翼があり、その後方に太長い尾が力強くうごめき、小さめの手と太い足の先には鋭い刃物状の爪、いかつい顔で大きく裂けた口には鋭い刃物状の牙、息をするつど口と鼻から薄っすらと白煙が出入りしている。


通路を抜け白きドラゴンの居る間に入ると


『ワラワ・・・イドム・・・・モノ・・・』


タロウは、思った。

戦うって言うなら俺に拒む理由も無いし戦わせてもらう。


タロウが、思いを口にする前に再びドラゴンが話す。


『エラバレシ イカイノモノ タノシモウゾ!』


ドラゴンは、そう言うと尾を振りタロウに攻撃をしかけてきた。

タロウは、リストバンドのAIにてドラゴンの分析を行わせ結果を待ちながら回避しつづけた。


物理的な一撃の威力も凄まじいが、ドラゴンから発せられる気が、とてつもなく強くタロウの動きを鈍らせている。


AIの解析が終りドラゴンを効率よく倒す方法がわかった。

ここに来る途中で取得したナイフで両の目を貫き魔眼の力を奪い、奪った魔眼の力でドラゴンの体内の魔石を取得することが出来ると。


タロウは、一瞬でドラゴンとの間合いを詰ると同時にドラゴンの体を足場に飛び跳ねた。

ドラゴンは、タロウの速度についてこれず足場として蹴った後を攻撃し、自分で自身を傷つけている。

そんな隙をついて両の目にナイフを突き刺し魔眼の能力を奪い取る事に成功した。

ドラゴンは、両の目をつぶされもがき暴れた。

つぶれた目から白く輝く小石が飛び出しタロウの左手に握られた。

その石は、強い光を放つと同時にタロウの中に消え魔眼の異能が自分の物になったと確信したのである。


タロウは、心身の力が膨大にあふれるを感じ心が打ち震えた。


落ち着きを取り戻したタロウは、右手のナイフと左手に消えた魔眼の力を噛み締めるように手を強く握りドラゴンを威圧した。


ドラゴンは、負けを認め自ら体内の魔石を生み落とした。


タロウは、思った、ドラゴンの産卵をこんな間近で見るとは・・・・・でかい!さすがドラゴンの卵だと。

産み落とされた卵は、すぐに割れ溶液が流れ出ると、こぶし大の白く輝く魔石が残っていた。


タロウは、それを拾い


「これは、もらって行くがいいかな?」


ドラゴンは、何も言わずに霧が散る様に姿が消滅しその場には、背負い袋が残されていた。

中を見ると何も見えないが手を入れると中に入っている物が脳裏に浮かび取り出せた。

この袋には、多種多様な品が膨大に入っていることがわかる。

外見から想像がつかない量が入っている、この袋もいずれ分析解明して自分で作ってみたいとタロウは、思った。


この先が、楽しくなり、タロウは、ニヤリといやらしい笑みをおさえることが出来なくなっていた。



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