010-ご褒美
青きドラゴンを倒しひと時の休憩を楽しむ4人。
主人であるタロウが下僕の娘達のマッサージを行っていた。
この状況だけ見ると3人が主でタロウが下僕にしか見えないのだ・・・・
タロウが、3人のマッサージを終えると、ハットした感じで3人に尋ねた。
「そうだ!お前達は、青きドラゴンと戦った後、変化があったか?」
タロウの質問に3人が答えた。
「疼きに耐える喜びをしりました!」
「・・・・あたいは、・・・・う~ん・・・腕がと言うか装備した腕があんなにすごいことに驚いたね。」
「はい、あの装備は、すごいと言うより尋常な物では無いと思いました。」
やはり龍の装備ということかとタロウは、思った。
「ハルは、除外して装備された部位の身体能力のリミットがOFFに成り普段の限界を超えて動かすんだろうな。使いこなして装備に慣れるしかないかな?」
「え?なぜ私は除外なの?」
「そおだな、使ってなれるしかないだろうね。」
「私は、さきほどの戦闘で限界の予兆を少しは理解しました。」
「へ~。ハクは、優秀みたいだね。」
ハクは、タロウが褒めると、うっすら頬を染め嬉しそうに微笑んだ。
そんなハクをかわいいと感じるタロウは、またハクの頭を撫ぜてしまう。
「三人の話じゃ装備以外の事で感じる事は無かったようだな。」
タロウは、青きドラゴンから受け取った魔眼の力が彼女らにも渡されたのかが知りたくて今の質問をした。
結果として彼女達に魔眼の力は、渡って無いと確信した。
出来る事なら、一緒に戦った彼女達にも分けてやりたいとタロウが思っていると、
うん?頭の中に何かが響く・・・・
『ヌシヨ・・・・キコエルカ・・・ヌシヨ・・・・』
『うん?ドラゴンか?』
『ワラワ・・・セイリュウ・・・ワレノチカラ・・・ムネ・・・モム・・・マンゾク・・・ワタル』
『ワレ・・・ハクリュウ・・・シリ・・・モメ・・・ワタス。』
タロウの精神に語りかけるドラゴンの言葉であった。
タロウは、ドラゴンが語りかけた単語から推測した。
彼女達の胸を僕がマッサージして彼女達が満足したら青龍の魔眼の力を彼女達に分け与える事が可能ということか?
白きドラゴンの魔眼の力は、尻・・・・・
ここのドラゴンは、母や姉の仲間なのか?性格がやけに似ている気が・・・
ドラゴンの力を渡す事が可能かもしれないと思いタロウは、3人に語りかけた。
「3人は、さっき戦った青きドラゴンの魔眼の力を望むか?」
「タロウ様がくれる物は、全ていただきます!」
「へ~、やっぱりドラゴンを倒すと新たな力が手に入るんだね。」
「タロウさんは、青龍の力を受け継いだのですか?」
「僕は、受け取った。僕から青きドラゴンの力を受けるには、僕が君達の胸をマッサージして君達が満足した時に渡せるとドラゴンが言っていた。白きドラゴンの力は、尻だそうだが・・・・・受け取る?」
ハルが一番早くに動き、不安がる2人の為に自らを試験体として使ってほしいと名乗りを上げてきた。
タロウは、まず、青きドラゴンの力の付与から試すことにした。
「はぁぁ~~~ん!」
あっけなく譲渡されてしまった。
タロウは、思う。母と姉達の身体を毎日洗う役目をさせられていたおかげか?
ハルが満足して雄叫びを上げると同時に身体が青白く輝きカグリと身体の力が抜けると同時に身体から放たれる光が両眼に流れ込んで消えた。
ハルがぐったり石台に横たわっているのでタロウが、フーとハクを見たが2人とも固まったまま動こうとしない。
しばしの静けさが過ぎる中、ハルが再び身体を起こし、うつ伏せに寝なおすと、左右の尻たぶを両手で自ら揉みながら言った。
「おねがいします。」
こんなハルを見てタロウは、思った。
青きドラゴンの力は、無事に受け取れたのかな?いま聞くのは、野暮だろうし、
母や姉達より復活が早いから、与えられたのだろうと。
タロウが、ハルの尻たぶマッサージを開始すると胸同様に白きドラゴンの力を与えることができたようだ。
ハルは、白きドラゴンの力を受け取るとそのまま深い眠りに入ったようで死んだようにピクリともしなくなった。
フーとハクも意を決っしたようでタロウに、力を与えてほしいと言った。
タロウは、ハルと同じ様に青龍の力を与えてから白龍の力を2人に交互に与ようと考えていた。
フーから先に受けるとみえハクは、石台に腰を掛けフーとタロウを交互に見ている。
フーは、仰向けに石台に寝ているから、フーも青龍の力から受け取るつもりなのだろう。
早々にタロウがフーのマッサージを開始すると、一回揉んだだけで、青龍の力を与える事ができた。
タロウは、フーに力を与えて疑問に思った事がありつぎのハクで試そうと思った。
ハクは、石台に寝転ぶと、うつ伏せになった。
タロウが、ハクに話かける。
「ハクは、白龍の力から受けたいのかな?」
タロウの話に、ハクの身体がピックと反応すると
「あ・・・・白龍の力からと言うより・・・・・・その・・・・」
ハクの仕草と言葉でタロウは、ハクが恥ずかしいからうつぶせに寝たと思い、
この状況を、利用してタロウは、さっきの違和感を確認することにした。
「ハク、始めてもいいかな?」
「はい、お願いします。」
ハクの了承を得てタロウがハクの尻たぶに手をそえるとハクは、ぴくっと動いた、
タロウは、ハクの尻たぶに手を乗せたまましばし手を止めていた。
ハクは、尻たぶに乗せられた手が動くのをじっと待っていた。
その間ハクが、考えていたのは、タロウの手が動き出したら私は、感じると同時に龍の力が手に入る。・・・・でも2人みたいになるのが恥ずかしい。
タロウの手が動き尻たぶに少しの圧力を加えハクが反応すると同時にタロウは、白龍では無く青龍の力を意識してハクに与えようと気を送った。
ハクは、タロウの手が動いたと同時に白龍の力が手に入る。でも・・・恥ずかしい。
そう思った瞬間、タロウの手からハクの体内に気が流れハクは、いままで感じたことのない幸福感を感じると同時にやさしく、暖かい安らぎが体内中を駆け巡り意識がどだえた。
タロウは、理解した。
ドラゴンにからかわれてたと・・・・・・・
3人が目覚めるとタロウは、龍の力の渡し方が間違っていた事を3人に説明して謝罪した。
3人は、タロウの謝罪を嬉しそおに聞いていた。
タロウが、必死にドラゴンにだまされたと言う姿や、3人に必死で謝る姿をみて普通の子供と同じあどけなさと可愛さを感じたからである。
ドラゴンの力を与えるには、互いの身体の一部が触れた状態で、力を与える側と受け取る側がタイミングを合わせ意識することがポイントで、相撲の立会いのような感じだとタロウは、説明した。
何となくだろうが理解したようで、フーとハクが白龍の力の受け取り方をタロウに説明してその方法でフーから試す事となった。
フーが、石台に座り、タロウは、フーの正面に立つとフーの額に右手の人差し指を沿え『白きドラゴンの力を与える』と言った。
フーは、その言葉に神妙な面持ちで『ありがたく受け取ります!』と答えた。
タロウから気が流れ白龍の力がフーに与えられた。
「はぁぁ~~ん・・・・」
青きドラゴンの時と同様に身体を挫折させセクシーな声をあげ力つきた、フー。
そんなフーを見たハクは、真っ赤になった顔を両手で隠し左右の目の部分の指を開きしっかりとフーのあられもない姿を確認している。
フーが、ガックリと脱力して石台に倒れるがハルが、素早く動きフーの上半身を支えてくれた。
しばしの沈黙の中、ハクが石台にうつ伏せに寝て言った。
「お尻でお願いします!」
そんなハクを見て、タロウが微笑み、そんなタロウを見たハルは『クッス』と笑った。
ハクへの白龍の力を渡し終え、フーとハクが石台の上でぐっすり眠ると、ハルがタロウに話しかけた。
「タロウくん・・・・・」
「うん?どうしたのハル?」
タロウは、ハルの雰囲気が変わったことが気になた。
「うん・・・昔ね・・・1年ぐらい前かな、タロウくんの実家に行ったことがあるんだ。」
タロウは、ハルが雅家に来たことも知っている。
ただハルは、雅家でのタロウの記憶が薄く、『雅家に行った』という事実のみ語ったのだとタロウは、思い返事を返す。
「変人ぞろいで驚いたでしょ。」
「そうですね。みんな個性的でやさしい方達でした。タロウくんもその1人ですね。」
タロウは、雅家の話をすることに抵抗があり極力話さないようにしている。
理由は、家族が軍事関係者であり機密事項が多いという理由以外にも話したく無い訳があるのだが、その話は、つぎの機会にする。
「ハルがそう思うならそうなんだろうね。」
「えぇ~、その返事、素っ気無くない?タロウくん」
「そおか?それよりハル、めんどくさいのが来るから頼むね。」
タロウは、ハルに『頼む』といって、そそくさとその場を離れ壁にもたれて寝てしまった。
タロウが、敬遠した者は、当然、ケンジとアユミの2人であった。
フーが、食事を運ぶ時に、アユミも目覚めフーがひそかに2人にも食事を渡していた。タロウは、気づいていたが知らないふりをした。
アユミとケンジは、フーから食事を受け取り、
食事をしながら今後の行動について話していたのだ。
「ハルコさん、食事ありがとう。」
「いえ、私は、ちょっと手伝った程度ですし、料理は、フーさんが作って、材料は、タロウくんが出してくれたので、私にお礼を言われても恥ずかしいです。」
「そうですね。彼らが起きたら礼を言っときます。」
「そうですね。それより2人がこっちに来たのってタロウ君の下僕に成る事決めたからかな?」
いまになって2人が、タロウの下僕になると言って素直にタロウが受け入れるだろうか?
3人は、思い空気の中でタロウが起きるのを待つ事になった。
そんな沈黙の中で3人は、過去を思い出していた。