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異世界バトルオブハゲウス  作者: ハゲウス
4/10

ハゲウス、面接を受ける

都内某所。

高級住宅街と呼ばれるそこには、それぞれが独特の意匠を凝らした最高級の家屋が建ち並んでいた。

統一感の無いそこに唯一共通している事と言えば、日本という場所に本来有り得ない南国の植物達。

庭に生えたヤシの木やシダ植物と、鮮やかなオレンジ色を放つ折鶴の様な花。 (ストレチアというらしい)

そのどれもがかつての流行だったらしく、放置されているのもちらほらと見えていた。

そんな上流階級の住処に、場違いに存在して異彩を放っているのがこの俺、佐久間田拓哉であった。

サイズの合わない上下の服を完璧に着こなし、冴えない無職を華麗に演出。

ダボついたズボン、ジャンパーの長過ぎる袖、過剰な重ね着はまるでニューヨークの浮浪者の様で、逆に格好良かった。


「コンクリートジャングルに本物のジャングルとは、ハイソなギャグな事で。」


一般家庭の一般無職にはこの場所は敵地としか思えない。

すれ違う高級な犬を連れた老人も、この俺をジロジロと見ながら嘲笑しているしすぐにでも逃げたかった。


「だがまあ無職とはこれでオサラバなんだけどな」


視線や恐怖に耐えながらも、俺はケルビムと約束した場所に面接に向かっていた。


________________________



「やっぱりスーツでも着てきた方が良かったか。」


一応縁故で内定が確約されているとはいえ、それなりに緊張してきた。

あいつに指定された通り、マンションの最上階である13階にエレベーターで到着したのだが、ロビーで受けた受付嬢の視線にかなりの後悔を漂わされている。


「やっぱそうだよな、そうだ。」


後悔先に立たず、とはいえ鬱だ。


『13階です。』


やっと到着したか、苦しく長い旅だった。しかし、ここからが本番だ。

エレベーターから足に気合を込めて踏み出すと、そこには扉が一つしか無かった。


「なるほどなるほど…。」


やはり金持ちか…そうなんじゃないかと場所的に思ってたんだ…。

緊張しながらも、とりあえずインターホンを押した、ポチっと。


「どうも、約束していたゲオルグ・カリウスですけども。」


言っていて恥ずかしかったがしょうがない。


「あ、はい。ちょっとまって下さい。」


これはケルビムの声だ、家族の人が出なかった事がせめてもの救いか…。

気恥ずかしさに体がムズ痒くなるのを堪えて構える。

そしてドアが開いた後、衝撃で俺の時が止まった。


「お、お前…!」


そして時は動き出す。


「女だったのかぁぁぁあ!ケルビム!!!」


あまりの事であんまり声は出なかった。近所迷惑もあるし。


「いや、そんな驚かなくても。」


「いやいや、いけ好かない美形キャラが女の子だったらおどろくでしょ…?」


身長が低いせいか子供に見える、というか子供だろ!そして一番目を惹くのはその赤い髪の色、V系バンドによくいる様な赤髪とは違って艶があり髪質の良さが伺える。金持ちだからか?いや、絶対おかしいでしょ…。


「あれほど仲間として戦ってても気がつかないとは…。」


いけ好かないと言われて苛立っているのか、いけ好かない嘲笑を浴びせてきた。間違いなくこいつがケルビムだ。


「とりあえず中に入って下さいよ、団長。」


______________________



「思ったより若いですね。」


履歴書を渡すなり、人の顔と交互に見比べながらの呟きにドギマギする。

そうジロジロと見られると緊張するじゃないか。


「お前に言われたく無いよこのスーパー年齢詐称」


というか、女の子の家に入って二人きりは不味い。

家の人には話してるんだろうか?

普通は許可されないんじゃないのか?

もし鉢合わせして警察呼ばれたらどうしよう!

帰るべきか、帰るべきなのか!


「高校生なのは本当ですよ、いやー若く見られるのって辛いなー。」


感情が篭ってないぞ。


「それで、何か聞きたい事とかは無いのかよ。」


いくらか考える素振りをしながら「まあ別に」と返すケルビム。


「あれだけ一緒に遊べばどういう人なのか判りますよ。」


絶対興味無いだけだろ!


「俺にはお前という人間が全く判らないよ……。」


まあ確かに、ネトゲ廃人が俺みたいな風体なのは予想通りで何の意外性も無いかもしれないが!もう少し!もう少し突っ込んでもいいんじゃないだろうか?大学辞めた理由とか、空白期間何してたかとか、用意してた設定が無駄じゃないか!いやネトゲ一緒にやってたからそりゃわかるよね、そりゃね。


「それで、えーっと勤務地なんですけどー。」


それにしてもこの俺が少女に扱き使われるとはな、本物の騎士であれば「くっコロセッ!」と言いながら屈辱に自害考えるだろう、俺が死にたくなっているのは騎士である確実な証拠であると言える。


「このマンションと、私の実家に勤務して貰うことになりますね、つまり自宅警備です。」


「家宅警備だ!」


「私からすると自宅警備員じゃないですかー。」


「それだと違う意味になるだろ!無職から自宅警備員って悪化してるじゃねーか!」


「あれだけネトゲ三昧だったんですから結構な引き籠もりだったくせに、変な意地張りますねー」


「クソ…まあいい、これで晴れて就職できるわけだからな、贅沢は言うまい。」


「それじゃあさっそく、実家のほうに案内しますねー。」


「えっ……!はっ……?」


突如暗くなる視界に動揺しつつ、すぐに明るくなる視界は俺を更に動揺させた。同様に心臓も動揺している。


「なんだ、夢か。」


ネトゲの仲間が女の子で、しかも俺を雇用するとか、とんでもない夢だったな。


「そんなわけないじゃないですか。」


前には美少年が居た、だがもはや意味がわからん。


「まあ“現実"であるとも言えないですけどね。」


その姿はゲームのアバター、ケルビムその者だった。


これで女の子キャラを固定出現させることが可能に

容姿は低身長貧乳八重歯気品あるゴシック系衣装に身を包んだお嬢様です

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